OTC医薬品を上手に使いこなすコツとは

なんとなくだるい未病を上手にセルフケア、未病で生じる自覚症状をセルフメディケーション!自分にあった市販薬(OTC医薬品)の選び方

2025.4.14 更新

「病気」とまではいえないけれど、放っておくと病気になってしまう状態。それが未病です。未病で起こる症状は頭痛や肩こり、胃もたれなどさまざまですが、その症状を改善するために役立つのが、市販薬(OTC医薬品)です。どんな症状にどんなOTC医薬品が適しているのか。OTC医薬品を上手に使いこなすコツとは。近年、重要性が増している「セルフメディケーション」の解説も含め、薬剤師の鈴木伸悟先生に話を伺いました。

<ポイントのまとめ>

自分自身の健康に責任を持ち、軽度な不調は自分で手当てするという「セルフメディケーション」。これはまさに未病対策そのものです。セルフメディケーションには、「病気にならないよう健康に気をつける」「上手にOTC医薬品を使う」「セルフメディケーションの限界を知る」という3つのポイントがあります。
つまり、日ごろからのセルフケアと、OTC医薬品の適切な選択と使用、そしてセルフメディケーションの向き不向きと限界を知っておくことが重要というわけです。

その視点に立って、未病で起こる頭痛や肩こり、腰痛、胃腸の不調、疲れ、眼精疲労、不眠、肌あれなどの症状に対するセルフメディケーションを紹介します。薬のプロである薬剤師や登録販売者と上手に付き合いながら、セルフメディケーションに取り組んで行きましょう。

さまざまなOTC医薬品やサプリメントが並んでいる

未病で起こるさまざまな症状にこそ、セルフメディケーションを 〜3つのポイント〜

「セルフメディケーション(self-medication)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。“self”は自分、“medication”は薬そのものや薬による治療を表す言葉です。これらを合わせたセルフメディケーションは、世界保健機関(WHO)において「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。ここでいう「軽度な身体の不調」は、「未病」という考え方と重なる部分が多いといえます。

セルフメディケーションに詳しい薬剤師の鈴木伸悟先生によると、セルフメディケーションには大きく3つのポイントがあるといいます。1つは、「病気にならないよう健康に気をつけること」。2つめは「上手に市販薬(OTC医薬品)を使うこと」。そして3つめが「セルフメディケーションの限界を知ること」です。それぞれについて紹介しましょう。

Point 1 病気にならないよう健康に気をつける

まず1つめの「病気にならないよう健康に気を付けること」について、鈴木先生は次のように話します。
例えば栄養を十分に摂る、適度な運動をする、睡眠をしっかりとる、家に帰ったら手を洗い、うがいをするなど、日ごろから自分で自分の体調を管理することがとても大切です。セルフメディケーションの一番の基本といえます
こうした日常の「セルフケア」をまず守ることが、セルフメディケーションの一環としても、大切です。

Point 2 上手に市販薬(OTC医薬品)を使う

日ごろから健康に気遣っていても体調を崩すことはあります。そんなとき重要なのが、2つめの「上手にOTC医薬品を使うこと」です。OTCとは“Over The Counter”の略で、カウンター越しに薬を販売することから、市販薬を指すようになりました。
体調を崩したら、症状が軽いうちに自分に合ったOTC医薬品を選び、それを上手に使うことが重要です。早めに手を打てば、症状が重くなる前に改善する可能性が高まります。OTC医薬品には、医療機関に行って診察を受けてから薬を処方してもらうより時間的に早く対処できるというメリットもあります」と鈴木先生。

OTC医薬品にはさまざまな種類がありますが、近年は医師から処方される医療用医薬品と同じ成分が転用される例が多くなっています。こうした市販薬を“スイッチOTC”といいます。
例えば解熱鎮痛薬ではロキソプロフェンやイブプロフェンなど、胃薬ではH2ブロッカーのファモチジンなど、花粉などに対する薬にはフェキソフェナジンなどがあります。今後も転用予定の成分がいくつかあり、スイッチOTC化は加速していくでしょう。つまり、OTC医薬品で対応できる範囲がどんどん広がっているのです。医療機関を受診して医師に処方してもらわないと使えなかった薬が薬局やドラッグストアで買えるようになることで、以前にも増してセルフメディケーションが行いやすい環境になってきているともいえます」(鈴木先生)

なお、特定のOTC医薬品を購入した場合に所得控除が受けられる「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」もあります。

Point 3 セルフメディケーションの限界を知る

3つめの「セルフメディケーションの限界を知る」とは、セルフメディケーションが向くケースと向かないケースがあることを理解しておく必要があるということです。鈴木先生は次のように説明します。
症状によってはOTC医薬品で対応するより、医療機関にかかった方が良い場合もあります。例えば風邪などで発熱した場合、もともと元気な方ならOTC医薬品の解熱鎮痛薬などで対処できる場合もありますが、高齢者や持病のある方などは重症化のリスクがあるので、最初から医療機関で診てもらった方が安心な場合があります。

また、一定期間OTC医薬品を使っていても症状が改善しない場合は、医療機関を受診すべきです。例えば、症状がどんどん悪化しているといった場合や、説明文書(添付文書)にある期間を服用しても改善しない場合は、いつまでもOTC医薬品に頼るのではなく、早めに受診していただきたいです。

このようにOTC医薬品の向き不向きや限界を知っておくことも、セルフメディケーションを上手に進める上で非常に重要です」

これら3つのポイントを押さえた上で、セルフメディケーションに取り組みましょう。

症状別OTC医薬品の選び方、漢方薬の使い方

では、どんなOTC医薬品をどのように使えば良いのでしょうか。症状別の選び方、注意点などを鈴木先生に伺いました。

頭痛

日常生活で感じる頭痛のとき、頼りになるのが解熱鎮痛薬です。痛いのを我慢していると体内で痛みの原因物質がどんどん増えてしまいますから、痛みを感じたら、すぐに飲むのが解熱鎮痛薬を上手に効かせるコツです。

OTC医薬品の解熱鎮痛薬には、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの『非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)』や『アセトアミノフェン』が有効成分として配合されています。これらは医療用医薬品にも使われている成分です。緊張型頭痛や軽い片頭痛の痛みであれば、これらの薬で症状を緩和できます。ただし胃が非常に弱い方や喘息の既往がある方、腎機能が低下している方などは、アセトアミノフェンのみが入ったタイプの解熱鎮痛薬がおすすめです。また、15歳未満の方はアセトアミノフェンのみが入ったタイプの解熱鎮痛薬を使うようにしてください」(鈴木先生)

OTC医薬品の解熱鎮痛薬にはいろいろな成分のものや、複数の成分が配合されたものがありますから、自分にはどれが合うか、迷うときは薬剤師や登録販売者に相談しましょう。

また、使用する上で注意しておきたい点もあります。「痛くなる前に予防的に飲んだり、月に10~15日以上も飲んでいたりする方がいます。このような飲み方をしていると、『薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)』を招き、かえって頭痛が重症化する危険があるので注意が必要です。さらに、いつもとは違う急激な激しい頭痛が起こった場合は、くも膜下出血など脳の病気の可能性もあるので、一刻も早く受診するか救急車を検討しましょう」(鈴木先生)

ショッピングの途中で頭痛のためこめかみを抑えながら立ち止まっている50代女性

【第一三共ヘルスケアの該当製品】

  • ロキソニンS[第1類医薬品]

    ロキソニンS

    1回1錠で痛みに速く効く。胃への負担が少ないプロドラッグ製剤
    ※成人15歳以上
    ※この医薬品は、薬剤師から説明を受け、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。アレルギー体質の方は、必ずご相談ください。

    よくあるご質問
  • カロナールA[第2類医薬品]

    カロナールA

    解熱鎮痛成分アセトアミノフェンが中枢神経系に速やかに作用し、すぐれた鎮痛・解熱効果を発揮します。胃への負担が少ない解熱鎮痛薬です。
    ※この医薬品は「使用上の注意」をよく読んでお使いください。アレルギー体質の方は、必ず薬剤師、登録販売者にご相談ください。

    よくあるご質問

肩こり・腰痛

OTC医薬品には貼り薬などの外用の鎮痛消炎薬もあります。肩だけ、腰だけなど、局所が痛い場合には、まずは貼り薬や塗り薬を試すといいでしょう。「ロキソプロフェンやジクロフェナク、インドメタシンなどの鎮痛消炎薬の入った貼り薬には、一時的に痛みを抑える効果があります。また、磁気の働きで局所の血行を良くする商品などもあります。ご自身に合うものを選んで使ってみてください」(鈴木先生)

肩も腰も膝も…と、複数の場所が痛い場合には、飲み薬を選ぶのも一法です。「解熱鎮痛薬以外に、肩や腰などの末梢神経に働くビタミンB12などを配合したOTC医薬品もあります。ただし、OTC医薬品の説明書(添付文書)にある期間服用しても改善が見られない場合は、医療機関で診てもらいましょう。医療用医薬品の中には神経疼痛に効くような最新の薬など、OTC医薬品にはない選択肢がありますし、ブロック注射などの他の治療法もあります。病気が隠れている場合もありますから、OTC医薬品が効かない場合は放置せず、医療機関で検査を受けるようにしてください」(鈴木先生)

【第一三共ヘルスケアの該当製品】

筋肉痛

スポーツをしたり、重いものを運んだりして筋肉痛になった…。そんな場合は前述した鎮痛消炎薬の貼り薬や塗り薬を試すといいでしょう。
しかし、もし何の理由も思い当たらないのに突然、筋肉が痛み出したような場合は注意が必要です。椎間板ヘルニアやがんなどの病気が原因の可能性もあります。稀ですが、薬の副作用などで筋肉が分解・壊死する横紋筋融解症が起こり、痛みが起こることもあります。思い当たる節がある筋肉痛はセルフメディケーションの対象ですが、そうでない筋肉痛なら医療機関を受診しましょう。

胃もたれ・食欲不信・胃の痛み

胃の症状に対するOTC医薬品も色々あるので、症状に合ったものを選ぶことが重要です。
まず、食べ過ぎや飲み過ぎなどで胃もたれ、むかつきがある場合には、消化を助ける成分や健胃作用のある成分を配合した胃腸薬が適しています。食べ過ぎたな、胃がつらいなと思ったらすぐに飲むと良いでしょう。胃の症状に対する守備範囲が広いですから、常備薬としても適しています。

胃がキリキリ痛む胸やけがするといった症状は、主に胃酸の出過ぎにより起こるので、それを抑える成分が適しています。軽い痛みや慢性的な胸やけなら、炭酸水素ナトリウムや水酸化マグネシウムなどの成分を含む制酸薬や、スクラルファートなどの胃粘膜保護成分が入っているものがお勧めです。

胃痛や胃酸の逆流などによる胸やけがつらい場合には、スイッチOTCであるファモチジンなどの有効成分を配合して胃酸の出過ぎを抑える作用があるH2ブロッカーを選ぶといいでしょう。非常によく効く薬ですが、2週間以上は飲み続けないなど、注意が必要です。説明書(添付文書)に書かれている注意を必ず守ってください。

食事などとは関係なく、キリキリ胃が痛む、キューっと差し込むように痛むという場合は、胃の痙攣を鎮める作用がある成分(ブチルスコポラミンなど)の入ったものが適しています。
どのOTC医薬品を選んだらいいか迷うときは、薬剤師や登録販売者に相談してみてください
」(鈴木先生)

薬局の胃薬の棚の前で、胃のあたりを抑えながら悩んでいる40代男性

便秘・下痢

便秘の場合、まず試したいのは酸化マグネシウムという成分を含む便秘薬です。腸内の水分を集めて便を柔らかくし、排便を促す作用があります。
一方、刺激性下剤(有効成分はビサコジル、ピコスルファートなど)と呼ばれるOTC医薬品もあります。腸を直接刺激して蠕動(ぜんどう)運動を促し、便を強制的に出すというものです。しかし、刺激性下剤には依存性があるという指摘もあるため、使う場合は短期間にとどめましょう。

下痢は生活の質(QOL)を著しく低下させます。緊張のたびに下痢をしてしまうといった場合には、OTC医薬品の下痢止め(有効成分はロペラミド、ロートエキスなど)は頼りになります。ひどい下痢の場合は、活発になり過ぎた腸の蠕動運動を鎮める作用があるロペラミドを配合したものを試すといいでしょう。

ただし、ノロウイルス感染症など、ウイルスや細菌の感染が原因の下痢の場合は、下痢止めは使わないでください。下痢には、体内に生じた毒素を排出する役割があるからです。もし下痢以外にも吐き気や発熱などの症状を伴うようなら、ウイルスや細菌感染の可能性が高いので、医療機関の受診をおすすめします」(鈴木先生)

【第一三共ヘルスケアの該当製品】

疲労

疲労に対するOTC医薬品には、主にビタミンB群をはじめとした栄養素を補うものや、滋養強壮作用のある生薬を組み合わせたものなど、いろいろな種類があります。「最近どうも疲れやすいなという場合は、試してみる価値があります。ただしその場合も漫然と飲み続けるのではなく、1カ月程度飲んだところで効果があったかを判断しましょう。

また、疲れてはいるけれども、『今日1日だけあともうひと踏ん張り』という場合には、カフェインの入ったものを選ぶと効果を実感しやすいです。ただし、それを数日続けるのはカフェインの摂り過ぎになるので避けてください」と鈴木先生。

日ごろの食事が偏り気味で、栄養面が少し心配という場合は、サプリメントで栄養素を補うのも一法です。神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授で、統合医療SDMクリニック院長の川嶋朗先生は、疲れなどを訴える患者さんの多くにマルチビタミンミネラルを勧めるといいます。
複数のビタミンとミネラルをバランスよく摂ることができるマルチビタミンミネラルをベースにして、さらに補いたい栄養素があれば、そのサプリメントをプラスしていく使い方がよいでしょう。とはいえ、基本はあくまで食事。サプリメントを摂っていているからといって、食事が疎かになってはいけません」と川嶋先生は助言します。

眼精疲労

目の働きを助けるビタミンAや末梢神経に働くビタミンB12などを配合した点眼薬が市販されています。疲れ目が気になる方は試してみるといいでしょう。ビタミンB12が入ったOTC医薬品の飲み薬を併用してもかまいません」と鈴木先生。

同時に、目の疲れの原因について考えることも重要です。パソコンやスマートフォン(スマホ)などで目を酷使しているなら、使用時間を減らして目を労わりましょう。

不眠

OTC医薬品の睡眠改善薬は、鼻炎やアレルギー症状を抑える抗ヒスタミン作用のあるジフェンヒドラミンを有効成分としたものが中心となっています。一過性の不眠に試すのはいいですが、繰り返し服用していると耐性が生じて、効きにくくなるといわれています。日常的に不眠に悩む場合には、医療機関を受診しましょう」(鈴木先生)

肌あれ

OTC医薬品で対策がとれる肌の不調を見ていきましょう。
まずニキビ。ニキビは大きく思春期ニキビと大人ニキビに分けられます。「思春期ニキビの主な原因は過剰な皮脂の分泌です。そのため、思春期ニキビに対しては、脂分を取り除く作用のあるイオウなどの成分が適しています。一方、主な原因が乾燥やホルモンバランスの乱れの大人ニキビに対しては炎症を抑えるイブプロフェンピコノールなどの成分の入った外用剤が適しています。医療機関を受診すると、症状に合った成分を配合したものや、市販薬にはない医療用医薬品での治療ができます」(鈴木先生)
乾燥肌や一部のシミもOTC医薬品で改善が期待できます。
乾燥で肌がカサついたり、かゆみが出たりしている場合は、保湿作用や抗炎症作用などがあるヘパリン類似物質の外用剤がお勧めです。かかとが硬くガサガサするような場合は、皮膚を潤し柔らかくする作用がある尿素入りの外用剤が向いています。主に女性の方にできる頬骨のあたりなどの左右対称のシミ「肝斑」には、トラネキサム酸を配合したOTC医薬品が効果的です。使用する場合には、OTC医薬品の使用前と使用後を比較して効果が得られたかどうか確認してみるといいでしょう。同じ環境の下、同じ照明の下で顔全体と肝斑の部分をスマホなどで撮影すると、変化がわかりやすくなります」(鈴木先生)

冷え

手足の冷えやしびれには、血行を良くするビタミンEなどを配合したOTC医薬品や、生薬が溶け込んだ薬用酒などがあります。冷えは、もともとの体質による場合も多いので、生活習慣の改善も大切です。

漢方薬を利用する

OTC医薬品の中にもさまざまな症状に対応した漢方薬があります。漢方薬はその人の体質に合ったものを選ぶことが大切です。漢方に詳しい川嶋先生は、「漢方は効くのに時間がかかると思われていますが、自分にピタッと合った漢方薬なら思った以上に早く効き目を実感できます」と話します。

OTC医薬品の漢方薬を選ぶときは、薬剤師や登録販売者に相談し、説明書(添付文書)をよく読み、自分に合うものを選びましょう。説明書(添付文書)には効果が期待できる症状だけでなく、「体力が中等度以上の人に」「中等度以下の人に」などと体力についても触れられているので確認しましょう。

なお、OTC医薬品の漢方薬には「満量処方」と明記されているものがあります。これは「一般用漢方製剤製造販売承認基準」で定められた生薬の最大量を配合した製品のことです。「より高い効果を求めるなら満量処方のものを選ぶといいでしょう。一方、漢方薬というと副作用が少ないと思っている人も少なくありませんが、そうではありません。その漢方薬を最初に試すときや、高齢の場合には、満量処方でないものから始めるのも一法です」(鈴木先生)

薬剤師や登録販売者を味方につけて上手にセルフメディケーション

セルフメディケーションを上手に行いながら自身の健康を管理していくには、正しい情報が欠かせません。薬について知りたいことがあれば、薬剤師や登録販売者などに相談するのが一番です。例えば風邪薬などを選ぶときは、症状だけではなく、『持病の有無』、『運転をするか』など、その人の体の状態や生活習慣も重要なポイントです。そうしたOTC医薬品選びに必要なさまざまなことを確認した上で一緒に選び、複数の選択肢を示してくれる薬剤師や登録販売者などがいる薬局やドラッグストアを選ぶようにしましょう」と鈴木先生。

薬局のカウンターで薬剤師に相談している60代女性

また、調剤を主に行う薬局(いわゆる調剤薬局)は医師の処方せんで指示された薬を出してもらうところで、OTC医薬品を購入する際には関係がないと思いがちです。しかし実は最近、OTC医薬品の販売に力を入れる調剤薬局が増えています。
2024年の調剤報酬改定において、地域支援体制加算の算定要件に48薬効のOTC医薬品を取り扱うことが追加されました。調剤薬局も保険調剤だけでなく、OTC医薬品を扱い、地域住民の健康相談に対応することを目的にしています。こうしたOTC医薬品を取り扱う薬局の薬剤師に相談するのもお勧めです」と鈴木先生は話します。

プロの助けをどんどん借り、毎日のわずらわしい不調があれば、セルフメディケーションに取り組んではいかがでしょうか。

専門家プロフィール(あいうえお順)

川嶋朗先生
神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授、統合医療SDMクリニック院長。
北海道大学医学部医学科卒業。東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長、東京有明医療大学保健医療学部教授などを経て、現職。自然治癒力を重視し、西洋医学と補完代替医療を統合した医療を実践する。西洋医学での専門分野は、内科、腎臓病学、血液浄化、膠原病、高血圧。日本予防医学会理事、日本東方医学会理事、日本ホリスティック医学協会常任理事なども務める。
鈴木伸悟先生
薬剤師。横浜市西区薬剤師会理事。株式会社メディカルガーデン所属。昭和薬科大学薬学部卒業。大手ドラッグストアでの勤務を経て、処方箋調剤を主体とした保険薬局でOTC医薬品の販売に取り組む。また薬剤師や医薬品登録販売者向けにSNSでOTC医薬品の情報を発信。メディア出演や連載、講演会などの活動も行う。
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