飲み薬、うがい薬、のど飴どれを使えばいい?
2026.5.29 更新
のどの痛みやイガイガなどの症状は、すぐにでも対処したいものです。そんなとき、自分の症状に合わせて選ぶ市販薬(OTC医薬品)との上手な付き合い方や、使用時の注意点を知っておきましょう。また、数日市販薬(OTC医薬品)を使用しても、のどの痛みや違和感が治まらない場合や、強い症状があるときには早めに耳鼻咽喉科を受診して医師の診断を受けることが大切です。特に注意すべき症状などについても紹介します。
突然生じるのどの痛みは、風邪(かぜ)やインフルエンザなどの感染症により引き起こされることが多いものです。しかし、痛み始めてから数時間以内に医療機関で検査を受けても、正確な病気の診断はつかない場合があるため、発症した日は安静にし、翌日受診するなどタイミングを見計らうのがよさそうです。ただし、いつもの風邪とは違う激しいのどの痛みや違和感があったり、息苦しさを伴ったりする場合は緊急性が高いのですぐに受診を。
薬局やドラッグストアで購入できる市販薬(OTC医薬品)は、風邪のひき始めなど、軽度なのどの痛みを軽減するのに効果的です。症状がのどの痛みだけなのか、咳や鼻水といったほかの症状も伴うのかということを判断材料の一つにして、内服薬を選びましょう。また内服薬以外にも、トローチやのど飴、のどスプレー、うがい薬などは、のどのケアとして日常的に使われるほか、症状の緩和を目的に選ばれることもあります。
市販薬(OTC医薬品)を数日服用しても改善が見られない場合や、市販薬(OTC医薬品)では効果が期待できない症状があると薬剤師や登録販売者に助言された場合は、医療機関を受診しましょう。
朝起きたらのどの奥がイガイガする、つばを飲み込むと痛い…。のどの痛みや違和感は、ある日突然起こることが多いものです。実際、「『今朝からのどが痛い』など、のどに急な異変を感じて耳鼻咽喉科を受診する患者さんは少なくありません」と、埼玉医科大学総合医療センター 耳鼻咽喉科 講師の田中 是先生は話します。しかし、「のどの痛みが生じてからの経過時間が短いほど、風邪なのか、あるいはインフルエンザや新型コロナウイルス感染症なのかといった、痛みの原因を見極めるのは難しいのです」(田中先生)。
というのも、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の迅速抗原検査の感度(陽性と判断される確率)は、発症から時間が経過するほど高くなる傾向があるからです。
つまり、「仮にインフルエンザや新型コロナウイルス感染症だったとしても、のどの痛みを自覚してから数時間以内だと、検査を受けても正確な診断を下せないことが少なくありません」(田中先生)。
一方で、インフルエンザの治療に用いられる抗ウイルス薬は、発症から48時間以内に服用することが推奨されています。もし緊急性の高いのどの痛み(後述する劇症型の喉頭蓋炎など)でなければ、その日はとりあえず安静にして翌日受診するなど、検査のタイミングを見計らうとよいでしょう。
なお、「のどの痛み以外の症状があるか」ということも、初期症状の見極め方のポイントの一つです。風邪の場合には、くしゃみや悪寒(寒気)、サラサラした鼻水などが代表的な症状になります。これに対し、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症では、のどの痛みだけでなく、高熱や関節痛、倦怠感といった症状を伴うことが多くあります。いずれにしても大切なのは自己判断しないことです。
早めに医療機関を受診したほうがいい症状については、最後にまとめてあるので参考にしてください。

風邪やインフルエンザなどの感染症が引き起こす、のどの主な病気には次のようなものがあります。
| 病名 | 主な原因 | 主な症状 | 主な治療法 |
|---|---|---|---|
| 急性咽頭炎 | ウイルスや細菌感染 | のどの痛み、飲み込みにくさ、発熱 | 抗菌薬の内服 |
| 慢性咽頭炎 | ウイルスや細菌感染の他、胃酸の逆流、自己免疫疾患、性病なども | のどの痛み、のどの違和感、飲み込みにくさ | 抗炎症薬の内服やうがい薬の他、原因により異なる |
| 急性扁桃炎 | ウイルスや細菌感染 | のどの強い痛み つばを飲み込むときの強い痛み 高熱が出ることも |
抗菌薬の内服や膿を取る手術など |
| 急性喉頭炎 | ウイルスや細菌感染の他、アレルギー、喫煙など多様 | のどの痛み、声の枯れ、咳、発熱 | 原因や症状に応じて薬の全身あるいは局所投与(吸入)など |
| 慢性喉頭炎 | 同上 | 声の枯れ、咳 | 原因の除去、薬の局所投与 |
| 劇症型の急性喉頭蓋炎 | ウイルスや細菌感染 | のどの強い痛み、嚥下困難、呼吸困難など | 入院による点滴治療、ときに気管挿管、気管切開など |
(監修:埼玉医科大学総合医療センター、田中是先生)
咽頭、扁桃(口蓋扁桃)、喉頭と、炎症が起こる部位でそれぞれ治療法が異なります。例えば、強い痛みがあるときは急性扁桃炎、声の枯れを伴う場合は急性喉頭炎の可能性があるので、耳鼻咽喉科や内科を受診し、診断を受けることが重要です。中でも空気の通り道である喉頭は、炎症が進んで腫れが強くなると気道がふさがれ、呼吸に影響する場合があるので注意が必要です。

特に喉頭蓋(こうとうがい)という、食べ物を飲み込む際に誤って気管に入らないよう「ふた」のような役割を果たす組織が炎症を起こす急性喉頭蓋炎で、急激に強く腫れが起こる「劇症型の急性喉頭蓋炎」は、重篤化すると窒息死する恐れがあります。
「劇症型とは、文字通り急激に症状が進行することを意味します。のどの痛みを感じてから、24時間以内に窒息死に至るケースが少なくないので注意が必要です。しかもこの病気の場合、窒息する直前までは血中の酸素飽和度(SpO2)が正常の範囲内であることも多いのです。そのため、医師も窒息するような組織の変化がないかを正確に見極める必要がある病気でもあるのです」と田中先生は注意を促します。
命を落とさないためにできることとして、田中先生は次の3つを示します。
喉頭内視鏡検査は多くの耳鼻咽喉科(クリニック含む)で実施されています。息苦しいからと内科を受診すると喉頭内視鏡の設備がなく、適切な診断につながらないこともあるので、耳鼻咽喉科の受診がおすすめです。

風邪をひくと、耳が痛くなったりかゆくなったりすることがありませんか?これは風邪でのどに炎症が起こると、舌の後方や咽頭、扁桃、耳や耳下腺(唾液腺)の感覚を司る舌咽(ぜついん)神経が刺激されて起こるものです。痛みの原因となる臓器とは違う場所に痛みを感じることを「放散痛(関連痛)」といいます。
風邪の症状の一つとして現れることが多いですが、耳の痛みに、のどの痛みや腫れ、発熱といった風邪の症状を伴う場合は「扁桃炎(へんとうえん)」、飲み込むときの痛み(嚥下時痛)を伴う場合は「上咽頭炎(じょういんとうえん)」の可能性があります。
「診察の際、耳を痛がっているのに耳には炎症が見られず、のどに炎症が見られるときは『扁桃炎』のことが多いです。耳にものどにも炎症の所見がなく、内視鏡で上咽頭(鼻の奥の突き当り)に炎症が見られたら『上咽頭炎』を疑います。激しいのどの痛み、嚥下時痛とともに耳にも痛みが起こるときは急性扁桃炎が悪化して起こる扁桃周囲膿瘍などの可能性があります。なるべく早く耳鼻咽喉科を受診してください」と田中先生。
のどの痛みや違和感の原因を突き止め、適切な治療を受けるには、耳鼻咽喉科の受診が必須です。一方、風邪の引き始めののどの痛みなど、「今起こっている症状を抑えたい、というときには市販薬(OTC医薬品)の内服薬で対処するのもよいでしょう」(田中先生)。
のどの痛みを抑える内服薬には、大きく次の3種類があります。

薬剤師の鈴木伸悟先生は、のどの痛みを訴えて市販薬(OTC医薬品)を求める患者さんには、次のことを確認した上で、適切な薬を提案しているそうです。
「のどがイガイガするけれど、鼻水や咳はないといった、のどの痛みがメインの場合は、抗炎症作用のあるトラネキサム酸が配合された、のどの痛みの特化した内服薬が第一候補になります」(鈴木先生)
トラネキサム酸は、抗炎症・抗アレルギー作用を持つ成分で、医師が処方する医療用医薬品としても広く使われています。トラネキサム酸には、炎症や痛みを引き起こす物質(ブラジキニンなど)を誘発する「プラスミン」の産生や増加を抑える働きがあります。
のどの痛みに、熱や鼻水、咳、痰といった風邪の諸症状を伴う場合は総合感冒薬が、のどの痛みと発熱のみの場合は解熱鎮痛薬が選択肢の一つになります。ただし、総合感冒薬に解熱や鎮痛作用のある成分が含まれていることもあります。
解熱や鎮痛作用のある成分の成分は大きく、「NSAIDs(エヌセイズ)、非ステロイド性抗炎症薬」と「アセトアミノフェン」に分けられます。
NSAIDsには、炎症を引き起こす物質プロスタグランジンの生成を抑え、炎症や痛みなどを鎮めるほか、熱を下げる作用があります。
代表的なNSAIDsには、ロキソプロフェンやイブプロフェン、エテンザミドなどがあります。
「市販のロキソプロフェンやイブプロフェンは15歳未満では服用できなかったり、出産予定日12週以内の妊婦には禁忌だったりといったルールがあります。また、副作用のひとつに胃腸障害や腎機能障害があり、胃腸が弱い人や腎機能が低下した人にはおすすめできません。そうしたことがない方にとっては、NSAIDsはのどの強い痛みを改善する目的で使用されることの多い成分です」と鈴木先生は説明します。
一方、「アセトアミノフェンは脳の体温調節中枢や中枢神経などに作用して熱を下げたり痛みを抑えたりします。胃腸障害が少なく、商品によっては医師や薬剤師に相談のうえ、小児や妊婦も服用が検討出来る場合があります。胃腸が弱い人や腎機能が低下した人、風邪のひきはじめなどの軽度なのどの痛みが気になるときなどに選択されることがあります」(鈴木先生)
| 成分名 | 子どもの服用 | 特記事項 |
|---|---|---|
| アセトアミノフェン |
|
肝障害に注意する 脂肪肝など肝障害がある方にはおすすめしない 胃腸障害が少ない |
| ロキソプロフェン | × | 15歳未満は使用不可、胃腸障害に注意する |
| イブプロフェン | × | 15歳未満は使用不可、胃腸障害に注意する |
| アスピリン (アセチルサリチル酸) |
× | 15歳未満は使用不可、アスピリン喘息がある人は注意。胃腸障害に注意 |
内服薬以外にも、のどの痛みに効く市販薬(OTC医薬品)として、トローチやのどスプレーなどのようなものがあります。内服薬と併用できるものもありますが、使用する前に必ず添付文書や使用上の注意を確認し、わからない場合には薬剤師や登録販売者に相談しましょう。一般的には風邪のひき始めなど、のどの症状が進行する前に使用するのに適しています。
水なしでなめる錠剤のトローチやのど飴は、唾液によって徐々に溶け、口腔や咽頭などの粘膜に作用します。「のどの炎症を抑えたいときは、抗炎症成分のアズレン、グリチルリチン酸二カリウムなどが配合されたもの、のどの殺菌消毒を目的に使用したいときはセチルピリジニウムなどの殺菌成分が配合されたものが効果的です」(鈴木先生)
また、漢方成分の桔梗湯(ききょうとう)が配合されたトローチもあります。桔梗湯は風邪によるのどの痛みや腫れ、のどの乾燥に効果があります。
「服用するときは噛んだり飲み込んだりせず、できるだけ長く口に含んでゆっくり溶かすのが基本です。また、有効成分の効果を過不足なく得るには、服用後30分は飲食を控える、服用する間隔は2時間以上あけるといった服用時の注意点を守りましょう。パッケージに用法・用量が記載されているので、必ず確認して使うことが大切です」(鈴木先生)

トローチについては前編でも触れましたが、のどの痛み、違和感等ご自身の症状に合う製品を「医薬品(指定第2類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品)」「医薬部外品」の効能をよく確認して正しく使用しましょう。
のど飴にも医薬品・医薬部外品のものがあり、含まれる有効成分には次のようなものがあります。
医薬品・医薬部外品ののど飴は用法・用量を守りましょう。また、鎮咳去痰成分配合ののど飴と、内服薬の総合感冒薬または鎮咳去痰薬は併用できない場合があります。注意書きをきちんと確認したうえで使用することが大切です。
のどに直接、抗炎症成分や殺菌・消毒成分などを噴射し、のどの痛みや不快感を和らげる外用薬の噴霧剤です。医療用医薬品にはない、市販薬(OTC医薬品)ならではの剤形です。
のどの症状によって、より適した成分があります。のどの痛みや声がれなどには、抗炎症成分のアズレンなどが適しています。のどの殺菌・消毒を目的に使用する場合には、殺菌・消毒成分のポビドンヨード(ヨウ素)などがいいでしょう。ただし、「ヨウ素の使用は、妊娠・授乳中は胎児や新生児へのリスクが懸念されるので、避けたほうがよいとされています。甲状腺機能障害のある人も注意が必要です。ヨウ素アレルギーの人は使用できません。
殺菌・消毒成分配合ののどスプレーは、外出先でうがいができないときなどにも役立ちます」(鈴木先生)
のどスプレーは、上手に使うためのコツがあると鈴木先生は話します。「息を吸いながら噴射すると誤って気管支に入ってしまう恐れがあるので、息を吐きながら、スプレーを吹き付けましょう。難しければ、『あー』と声を出しながら行うとスムーズにできます」
なお、のどスプレーをした後、すぐに飲食したり、うがいをしたりすると、せっかくの有効成分が流れてしまいます。「スプレー後は少なくとも15分以上あけて飲食やうがいをしましょう」(鈴木先生)

前編でも紹介した通り、毎日のうがいは水道水でもある程度風邪の予防効果が期待できるという報告もあります。のどの症状が気になるときはうがい薬を使用するのもよいでしょう。
「抗炎症成分のアズレンなどが配合されたうがい薬は、のどが荒れて痛みが出始めているときに使うと効果的です」(鈴木先生)いずれも用法・用量を守り、水で適切に薄めて使用するのが基本です。
薬局やドラッグストアでは、鼻うがい用の薬(洗浄液)も販売されています。これは、鼻の粘膜に付着した花粉やハウスダスト、雑菌などを洗い流すことにより、感染予防やアレルギー対策、鼻の不快感の軽減といった効果が期待できるものです。
のどの痛みや咳、のどの奥にドロドロの鼻水や膿が流れ落ちて痰の元になる「後鼻漏(こうびろう)」にも有効です。ただし、自己判断で誤った使い方をすると、鼻やのどの粘膜を傷つける恐れがあります。後鼻漏によるのどの痛みがある場合は、医師に相談したうえで使用しましょう。
「これまで説明したとおり、市販薬(OTC医薬品)は比較的軽度なのどの痛みや風邪の症状の軽減に効果的です。また、医療機関を受診する時間がないときなどにも購入でき、症状の緩和につなげられるのは大きなメリットです。
ただし、発熱などの症状を抑え過ぎると、実はインフルエンザなどの感染症を発症しているのに症状を自覚できなくなり、結果的に周囲にウイルスをまき散らしてしまうなど、のどの痛みを引き起こしている病気を隠してしまうおそれもあります。症状がある程度落ち着いたら、いったん服用を中止しましょう。その後、もし症状がぶり返してきたら、再び市販薬(OTC医薬品)を服用するのではなく、医療機関を受診することが大切です」(田中先生)。
次のような場合も、なるべく早く医療機関(耳鼻咽喉科など)を受診しましょう。
また、先にも記載した通り、いつもの風邪とは違うのどの痛みや、息苦しさといったサインも見逃さないようにしましょう。
魚の骨がのどに刺さったら、ご飯を飲み込むと押し流せる。こんな言い伝えを聞いたことはありませんか?実は「それは最悪の方法です」と田中先生。「骨が刺さった状態でご飯を飲み込むと、さらに骨が深く刺さったり、組織の中に埋没して見えなくなったりする可能性があります」。
刺さった骨が見えなくなると、場合によってはのどを切開する手術が必要になることもあるといいます。もちろん、自分で無理に取ろうとするのも危険です。耳鼻咽喉科で内視鏡などを用いて安全に取り除いてもらいましょう。
夕食時に魚の骨が刺さった場合などは、夜間診療を行っている耳鼻咽喉科が近くになくて受診できないかもしれません。そのときは翌日早めに受診しましょう。その際の注意点を田中先生は「受診までの間、固形の物を食べるのはNGですが、水などを飲むことはできます。痛みがある場合は鎮痛剤を服用しても問題はありません」といいます。
のどの痛みや違和感に、市販薬(OTC医薬品)は強い味方になります。ただし、激しい症状や長引く症状がある場合には速やかに耳鼻咽喉科などの医療機関を受診しましょう。
【第一三共ヘルスケアの該当製品】
![]()
解熱鎮痛成分ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した、速効性とすぐれた効きめが特長の薬です。
※成人(15歳)以上
※この医薬品は、薬剤師から説明を受け、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。アレルギー体質の方は、必ずご相談ください。
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
お口の殺菌・消毒に優れた成分を配合。のどにスッキリ感
![]()
![]()
![]()
![]()