炎症を抑える飲み薬や注射薬も登場
2025.10.23 更新
アトピー性皮膚炎では、かゆみをはじめとしたつらい症状が続くため、掻き壊して症状を悪化させたり、生活に支障をきたしたりするケースが少なくありません。それらを防ぐためにも、速やかに症状を抑える治療が重要です。治療の基本は、ステロイド外用薬に代表される塗り薬と、保湿です。また近年では、全身に効果がある飲み薬や注射薬など、アトピー性皮膚炎の新たな治療薬も続々と登場し、アトピー性皮膚炎の重症度が中等症以上の人にとっての福音になっています。大きく変わりつつあるアトピー性皮膚炎の治療、その最新動向を紹介します。
アトピー性皮膚炎の治療目的は、かゆみや湿疹を改善し、日常生活を支障なく送ることができる状態を維持することです。治療の中心となるのは、過剰な免疫反応を抑えて皮膚の炎症を鎮めるステロイド外用薬です。薬効の強さは5ランクあり、剤型軟膏やクリームなどの様々なタイプがあるので、症状に合ったものを選び適切に使うことが重要です。効果を得るためのポイントは、十分な量をやさしく塗布することです。
近年はステロイド外用薬に加え、作用の異なる外用薬も複数登場しています。また全身療法といって、全身の炎症を効果的に抑える飲み薬や注射薬も新たに使えるようになり、アトピー性皮膚炎の治療は大きく変わっています。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司先生は「治療の選択肢が広がり、これまで以上に症状改善が期待できる時代になりました。従来の治療しか経験のない人の中には、消極的な人もいるかもしれませんが、これまで症状を十分コントロールできなかった中等症から重症の患者さんも劇的に改善するケースが増えています。まずは自分にどんな治療の選択肢があるのか、医療機関で相談することをおすすめします」と強調します。本記事では、新しい外用薬、飲み薬、注射薬作用や使い方などを紹介します。
アトピー性皮膚炎では、体質的にアレルギー反応を起こしやすかったり、皮膚が乾燥しやすかったり、いったんよくなっても再び症状が現われやすかったりします。病気の背景にある原因が複雑に重なり合っているため、現在のところ、病気そのものを完全に治す治療法はありません。ただし、適切な治療を行なえば、かゆみや湿疹などの症状をコントロールして、よい状態を維持することができます。
アトピー性皮膚炎の治療で目指すゴールは、「症状がないか、あっても軽微で、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、それを維持すること」です。あるいは、そのレベルまで到達しなくても、「症状が軽微ないし軽度で日常生活に支障をきたすような急な悪化が起こらない状態を維持すること」とされています※1。つまり、病気の完治は難しくても、症状がなくなって日常生活を問題なく送ることができる「寛解」にもって行き、その状態を維持していくことが治療の目的になるわけです。
近年、アトピー性皮膚炎の治療は目覚ましく進歩しています。従来からあるステロイド外用薬に加え、異なる作用の外用薬や内服薬、注射薬が続々と登場しています。大塚先生はこう話します。
「アトピー性皮膚炎の病態、特に急性期の病態がよくわかるようになり、それに応じて新しい薬が次々に開発されています。とりわけ画期的だったのが、2018年に登場したデュビルマブという注射薬です。特定のサイトカイン(免疫や炎症反応に関わるたんぱく質)を抑制する薬がアトピー性皮膚炎に効くことがわかり、一気に新薬ブームが加速しました。その後、新しいタイプの外用薬や飲み薬、注射薬が続々と登場し、これまでの治療では寛解を目指すことが難しかった中等症から重症の患者さんも治療効果が期待できるようになりました。アトピー性皮膚炎の治療は選択肢が広がり、これまで以上に症状改善が期待できる時代になっています。これまで治療を諦めていた人も、ぜひもう一度自分に合った治療について専門医に相談してほしいと思っています」
複数の新しい薬の登場で、大きく変わりつつあるアトピー性皮膚炎の治療ですが、実際にどのような治療が行われているのか、具体的に紹介します。
新しい薬が続々登場していますが、アトピー性皮膚炎の治療の基本はステロイド外用薬であることに変わりはありません。ステロイド外用薬は、過剰な免疫反応を抑えて皮膚の炎症を鎮める薬です。優れた抗炎症作用で、湿疹やかゆみなどの症状をすみやかに改善する働きがあります。
効果の強さをもとにして、1.ストロンゲスト(最も強い)、2.ベリーストロング(とても強い)、3.ストロング(強い)、4.ミディアム(普通)、5.ウィーク(弱い)の5ランクに分類され、症状の程度に応じて適切なランクを選択します。また病変の状態や部位によって、軟膏やクリーム、ローション、テープ剤など、剤型使い分けることも重要です。
ステロイドというと副作用が怖いと思う人も少なくないようです。確かに長期間使い続けていると皮膚が薄くなったり、萎縮したり、目の周囲にランクの強いものを長く使っていると緑内障のリスクが上がったりするなどの副作用が起こることがあります。ただし、外用薬の場合、正しく使えば内服のステロイド薬で生じるような全身的な副作用の心配はほぼないといえます。効果を得ながら安全に使うには、医師の指導の下、怖がりすぎずに適切にしっかり使うことが大切です。
「顔の湿疹が悪化した状態が続くと、目の周囲を掻いたり、たたいたりするため、白内障や網膜剥離など目の病気になるリスクが上がります。それを防ぐためにも、早めに治療をして症状をしっかり抑えることが重要です。リスクのある患者さんには眼科でもチェックをしてもらうようにしています」と大塚先生は話します。
医療機関で主に使われるアトピー性皮膚炎の外用薬は、現在5種類あります。いずれも抗炎症作用がありますが、作用機序が異なります。
基本となるステロイド外用薬のほかに、以下の4種類※1、※2があります。
免疫抑制剤で、1999年に登場しました。細胞の中で免疫反応に関与するカルシニューリンという酵素の働きを阻害することで、免疫細胞の働きを抑え、アレルギー反応を抑制して、皮膚の炎症を緩和します。ステロイド外用薬の長期使用で起こる皮膚萎縮などの副作用がないとされています。特に顔や首、またステロイド外用薬で副作用が現れやすい部位によく用いられます。ただし使い始めには、皮膚がほてったり、ヒリヒリしたりする刺激感が現れることがあります。年齢や体重によって使用可能な量が異なり、2歳未満の子どもには使用できません。
2020年に登場した比較的新しい外用薬です。アトピー性皮膚炎では免疫細胞からいろいろな種類のサイトカインが作られ、かゆみや炎症を引き起こします。これらのサイトカインが細胞に伝えられる経路で重要な役割を果たしているヤヌキナーゼ(JAK)という酵素の働きをブロックすることで、過剰な免疫反応を抑えて症状を改善します。
2022年に登場した外用薬です。免疫細胞の中で炎症を引き起こす物質の産生に関与しているホスホジエステラーゼ4(PHE4)という酵素の働きを阻害することで、炎症を抑制し、症状を改善します。生後3カ月以上の乳幼児から使用できます。
2024年に登場した現状で最も新しい外用薬です。細胞の中にある芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化させることで種々の遺伝子発現を調整して、炎症を抑制するとともに皮膚のバリア機能を改善させます。12歳以上が使用できます。
成分 | 特徴 |
---|---|
ステロイド外用薬 副腎皮質ホルモン |
日本では1953年に外用薬として登場し、長い歴史を持つ。炎症を抑える作用に優れ、症状を速やかに改善する。第一選択薬として使用される。効果の強さに応じて5ランクある。長期使用で皮膚が薄くなるなどの副作用がある。 |
タクロリムス軟膏 カルシニューリン阻害薬 |
1999年から外用薬として使われている免疫抑制薬。顔や首をはじめ、ステロイド外用薬で副作用が現れやすい部位に用いられる。使い始めに皮膚のほてりやヒリヒリ感を伴うことがある。2歳未満には使えない |
デルゴシチニブ軟膏 ヤヌキナーゼ(JAK)阻害薬 |
2020年に登場。細胞内のシグナル伝達に関わる炎症に関わるヤヌキナーゼ(JAK)をブロックして、免疫の過剰な活性化を抑える。全身への影響を考慮し、成人では1日2回、1回の塗布量は5gまで。1回に塗る範囲は体表面積の30%まで |
ジファミラスト軟膏 PHE4阻害薬 |
2022年に登場。免疫細胞内で炎症を引き起こす物質の産生に関わるホスホジエステラーゼ4(PHE4)を阻害することで、炎症を抑え、症状を改善する。成人には1%製剤、小児には0.3%製剤を1日2回使用。妊娠中や妊娠の可能性のある女性への使用は避けることが望ましい。3カ月以上の乳幼児にも使用できる。 |
タピナロフ AhR調整薬 |
2024年に登場。細胞内の芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化させて種々の遺伝子発現を調整し、炎症を抑制し、皮膚のバリア機能を改善する。12歳以上に使う。1日1回適量を塗布する。 |
(監修:近畿大学医学部、大塚篤司先生)
作用の異なる新しいタイプの外用薬が複数登場したことで、アトピー性皮膚炎の治療の選択肢はぐんと広がりました。野村皮膚科医院院長の野村有子先生はこう話します。
「ステロイド外用薬を中心に使いながら、皮膚の状態に応じて他のタイプの外用薬も併用することができます。例えば炎症のひどいところにだけステロイド外用薬を塗り、その他の部位にはデルゴシチニブ軟膏やジファミラスト軟膏などを塗るといった使い方もできます。副作用の心配が少なくなり、これまで以上にきめこまやかな治療ができるようになっています」
外用薬を使う際は、必要十分な量を塗ることが重要です。特にステロイド外用薬の場合は、副作用を怖がって十分量を塗っていないケースもあるので気を付けましょう。目安は、第1回の保湿剤の使い方で説明した1FTU(0.5g)を手のひら2枚分の皮膚面積に塗るというものです。すりこまず、皮膚に載せるようにしてやさしく塗布することが大切です。
症状がいったんよくなっても、しばらくするとまた悪化(再燃)するという例は少なくありません。アトピー性皮膚炎では、一見正常に見える皮膚でも炎症がくすぶっており、ちょっとしたきっかけで再び炎症が起こりやすい状態になっていることがあります。このため、治療で症状が消えた後も、保湿剤によるスキンケアに加え、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を週に2~3回(2〜3日おき程度)使ってよい状態を維持し、再燃を防ぐ治療を行うことがあり、これを「プロアクティブ療法」といいます。なお、プロアクティブ療法については、医療機関の指示に従い、正しく行ってください。
外用薬だけでなく、飲み薬や注射薬でも近年、新しい薬が続々と登場しています。飲み薬や注射薬による治療は、全身療法と呼ばれています。飲み薬にはステロイド薬や免疫抑制薬、JAK阻害薬が、また注射薬にはアトピー性皮膚炎を悪化させるサイトカインをブロックする生物学的製剤があります。具体的に紹介しましょう。
まず内服薬には、炎症を強力に抑制する「経口ステロイド薬」に加え、以下のものがあります。
2008年から16歳以上のアトピー性皮膚炎に使用できるようになった経口免疫抑制薬です。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの既存の治療で十分な効果が得られず、強い炎症をともなう湿疹が広範に及ぶ例が対象になります。1回の治療期間は12週間以内で、できる限り短期間の投与にとどめます。
JAK阻害薬の飲み薬です。アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみに関与するヤヌスキナーゼ(JAK)をブロックし、症状を改善します。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの既存の治療で十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ例が対象となります。バリシチニブは2020年から使えるようになったもので、2歳以上が対象。ウパダシチニブとアブロシチニブは2021年からで、12歳以上が対象です。
これらの他、飲み薬としては、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や漢方薬なども用いられます。ステロイド外用薬などと併用するのが基本です。
成分 | 特徴 |
---|---|
経口ステロイド薬 副腎皮質ホルモン |
急に悪化したときや重症、最重症の場合に使われる。長期に使うと全身性の副作用が起こるので、短期間の使用にとどめる。 |
シクロスポリン カルシニューリン阻害薬 |
2008年に登場。既存の治療で十分な効果がなく、強い炎症を伴う湿疹が体表面積の30%以上に及ぶ例が対象。16歳以上に使える。1回の治療期間は12週間以内。できる限り短期間の投与にとどめる。 |
バリシチニブ ヤヌキナーゼ(JAK)阻害薬 |
2020年に登場。炎症やかゆみに関与するヤヌスキナーゼ(JAK)をブロックして症状を改善する。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの適切な治療を一定期間続けても十分な効果がなく、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ例が対象。2歳以上に使える。ステロイド外用薬などの外用薬と保湿剤を併用する。 |
ウパダシチニブ ヤヌキナーゼ(JAK)阻害薬 |
2021年に登場。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの適切な治療を一定期間続けても十分な効果がなく、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ゔ例が対象。12歳以上に使える。テロイド外用薬などの外用薬と保湿剤を併用する。 |
アブロシチニブ ヤヌキナーゼ(JAK)阻害薬 |
2021年に登場。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの適切な治療を一定期間続けても十分な効果がなく、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ例が対象。12歳以上に使える。ステロイド外用薬などの外用薬と保湿剤を併用する。 |
(監修:近畿大学医学部、大塚篤司先生)
アトピー性皮膚炎には注射薬が用いられることもあります。現在、4種類の生物学的製剤があります。
「アトピー性皮膚炎では、細胞から細胞に信号を伝達するサイトカインと呼ばれるたんぱく質が症状の悪化に関わっています。このサイトカインにはいろいろな種類がありますが、近年の研究でIL-4(インターロイキン-4)やIL-13、IL-31がアトピー性皮膚炎におけるかゆみや皮膚の乾燥などの症状に関与していることが明らかになりました。新しい注射薬は生物学的製剤と呼ばれ、これらのサイトカインの働きを抑えることで症状を改善します。ステロイド外用薬などの治療で症状を十分に抑えられなかった中等症から重症の患者さんが対象になります。ステロイド外用薬などの治療と保湿ケアも併用するのが基本です」と大塚先生は説明します。
「デュピルマブ」は2018年から使えるようになった注射薬で、成人だけでなく、生後6カ月以上から乳幼児にも使えます。アレルギー反応に関わる免疫細胞から産生されるIL-4とIL-13というサイトカインの働きをブロックすることで炎症を抑え、かゆみなどの症状を改善します。
「ネモリズマブ」は2022年に登場した注射薬で、13歳以上に使用できます。アトピー性皮膚炎の主にかゆみに関与するIL-31というサイトカインの働きを抑える働きがあります。かゆみによく用いられる抗ヒスタミン薬で抑えきれないかゆみに効果があります。
「トラロキヌマブ」は2023年から使えるようになった注射薬で、15歳以上に用いられます。IL-13の働きを抑えることで炎症を抑え、かゆみや皮疹を改善します。
同じくIL-13の働きを抑える作用を持つのが、2024年に登場した「レブリキズマブ」です。こちらは12歳以上が対象です。
成分 | 特徴 |
---|---|
デュピルマブ インターロイキン阻害薬 |
2018年に登場。IL-4とIL-13というサイトカインの働きをブロックして、炎症を抑える。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの適切な治療を一定期間続けても十分な効果がなく、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ例が対象。生後6カ月以上に使用できる。結膜炎の副作用の頻度が高い。 |
ネモリズマブ インターロイキン阻害薬 |
2022年に登場。IL-31というサイトカインの働きをブロックして、炎症を抑える。特にかゆみに効果がある。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの適切な治療を一定期間続けても十分な効果がなく、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ例が対象。13歳以上に使用できる。 |
トラロキヌマブ インターロイキン阻害薬 |
2023年に登場。IL-13の働きを抑えて、炎症を抑える。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの適切な治療を一定期間続けても十分な効果がなく、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ例が対象。15歳以上に使用できる。結膜炎の副作用の頻度が高い。 |
レブリキズマブ インターロイキン阻害薬 |
2024年に登場。IL-13の働きを抑えて、炎症を抑える。ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの適切な治療を一定期間続けても十分な効果がなく、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ例が対象。12歳以上に使用できる。 |
(監修:近畿大学医学部、大塚篤司先生)
新しい薬が増えたことで、治療現場は今、どのように変わってきているのでしょうか。大塚先生は次のように話します。
「重症のアトピー性皮膚炎の方の中には、ステロイド外用薬を長期間使い続け、皮膚が薄くなって困っている患者さんが少なくありません。そのような場合に注射薬などの全身療法を用いると、ステロイド外用薬の量を減らせたり、ランクを落とせたり、あるいはステロイド以外の新しい外用薬に切り替えたりすることができます。その間に、薄くなった皮膚の回復を待つこともできるわけです。
これまで症状をなかなかコントロールできず、生活に支障をきたしていた患者さんが、新しい薬で改善し、快適に暮らせるようになったというケースはすでに多く見られています。もし症状があるのに今治療を受けていない方がいたら、まずはお近くの皮膚科を受診し、ご自身が新薬の適応になるかどうか、医師に聞いてみてください。インターネットで全国の専門医を検索することもできます」
野村先生も、こう話します。
「全身療法ができるようになって劇的に改善した患者さんが多くいます。仕事も順調にいくようになって、『人生が変わりました』と話す方もいます。アトピー性皮膚炎の患者さんの中には、治らないと思って諦めている人が少なくないですが、そんなことはありません。諦めないで、ぜひ治療を受けてください」
諦めないアトピー性皮膚炎の治療。それが可能な時代になっています。
アトピー性皮膚炎の治療では、アトピー性皮膚炎の正しい診断が欠かせません。例えばじん麻疹や接触皮膚炎、金属アレルギー、乾癬、皮脂欠乏性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、あせも、手湿疹などは、アトピー性皮膚炎と症状が似ているため、間違われることがあります。「中には皮膚の悪性リンパ腫をアトピー性皮膚炎と誤診され、間違った治療を受けていたケースもありました」と大塚先生。正しい診断を受けるためにも、アトピー性皮膚炎の診療経験が豊富な医療機関で診てもらうようにしましょう。