胃のむかつきや吐き気など、つらい二日酔いには症状に応じた薬を選び、睡眠と水分を十分に摂り、なるべく安静に過しましょう。ビタミン類を多く含む食べ物は、アルコールの分解を促進するのでおすすめです。
アルコールによって胃の粘膜が荒れ、ひどくなると急性胃炎や胃潰瘍を起こすこともあります。吐き気や胃痛、おう吐など胃の症状がひどく、なかなか治まらない場合は受診しましょう。吐血やタール便がみられる場合は、胃や食道、十二指腸などから出血している可能性もあります。
水分と睡眠がとれ、OTC医薬品の使用や安静によって少しずつ症状が改善されるようなら、セルフケアで様子を見ましょう。
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新黒丸aお酒を飲んだ後は、アルコールによる利尿作用によって脱水症状を起こしやすくなるため、水分補給を心がけましょう。水分を多く摂ることは、体内のアルコール成分を尿として早く体の外に出すためにも有効です。水よりも体内に吸収されやすいスポーツ飲料を飲んでもいいでしょう。
果物に含まれる果糖やビタミン類にはアルコールの分解や代謝を促す働きがあります。「飲みすぎた!」と思ったら、オレンジジュースを飲んだり、リンゴなどの果物を摂るとよいでしょう。緑茶や柿に多く含まれているタンニンには、胃の粘膜を修復する作用があります。
コーヒーに含まれるカフェインには、頭痛やだるさをやわらげる作用があります。ただし、そのままで飲むと二日酔いの胃には刺激が強いので、ミルクを入れて飲むといいでしょう。
よく、「二日酔いには迎え酒」といわれますが、これは本当ではありません。もう一度アルコールを体内に入れ、酔うことで感覚が麻痺し、楽になった気がするだけです。迎え酒を繰り返すことから、アルコール依存症につながる例も多いといわれています。
胃のむかつきなど、二日酔いの症状がつらいときは、症状に応じた薬を上手に使ってつらさをやわらげることも可能です。お酒の飲みすぎによる胃痛や胃の膨満感、吐き気、食欲不振などには、アルコールで傷ついた胃の粘膜を保護する作用のある胃腸薬を選ぶといいでしょう。
くすりの種類 | こんな症状に | 含まれる成分と作用 |
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胃酸分泌抑制薬 (H2ブロッカーなど) |
胃痛、胸やけ、胃もたれ、むかつきなど | ファモチジン、ラニチジン、シメチジン、ニザチジン、ロキサチジンなどの成分が、胃酸の過剰な分泌を抑え、胃の粘膜が傷つくことを防ぐ。 |
制酸剤 | 胸やけ、胃のむかつきなど | 水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、沈降炭酸カルシウムなどの成分が出過ぎた胃酸を中和する。 |
胃粘膜保護剤 | 胃痛、胃酸過多など | 胃粘膜の修復を助け、胃酸やペプシンの攻撃を抑える。成分としてセトラキサートや銅クロロフィリンナトリウムなどがある。カンゾウ末、アルジオキサなどの生薬も、胃粘膜の荒れを修復し、消化吸収を助ける。 |
鎮痛鎮痙剤 (抗コリン薬) |
胃痛、胃酸過多など | ロートエキスなどの成分が胃腸の過度な運動や緊張をゆるめ、痛みをやわらげる。胃液の分泌も抑える。 |
健胃剤 | 胃もたれ、食欲不振、胃部・腹部膨満感など | ショウキョウやウイキョウ、ケイヒ、ウコンなどの生薬成分が胃の機能を活発にする。 |
消化機能調整剤 | 胃もたれ、腹部膨満感、胃痛、むかつきなど | 胃の運動機能を調整、改善するトリメブチンマレイン酸塩、胃の運動や脂質代謝を助けるカルニチン塩化物などの成分が含まれている。 |
消化酵素剤 | 胃食べ過ぎ、消化不良、胃もたれなど | タカヂアスターゼやビオヂアスターゼ、リパーゼなどの消化酵素が消化吸収を促進する。 |
二日酔いによいといわれるウコンには、「クルクミン」というポリフェノールの一種が多く含まれています。クルクミンには、胆汁の分泌を促進し、肝機能を改善する作用があるといわれています。
お酒を楽しみたいけれど、次の日の二日酔いが気になる方は多いのではないでしょうか。体にも心にも負担をかけず、健康的にお酒を楽しむことができるよう、飲む前にできる二日酔い対策の方法をご紹介します。
二日酔いの原因は、肝臓でアルコールを分解する過程で生じる有害物質「アセトアルデヒド」です。十分にアセトアルデヒドが処理されず体内に長く残ると、吐き気や頭痛、動悸といった二日酔いの症状を引き起こします。
アセトアルデヒドを分解するには水分が必要ですが、お酒を飲むとアルコールの利尿作用により水分不足(脱水)になりやすく、アセトアルデヒドの分解を妨げる要因となります。飲酒時の脱水を予防するためにも、飲酒前にコップ1杯の水を飲んでおきましょう。また、飲酒中は、お酒を飲んだらすぐに水を飲むなど「チェイサー」を活用するほか、おつまみはきゅうりやトマトといった水分を多く含む食材を積極的にとることで、水分補給をするとよいでしょう。
二日酔い対策では、アルコールの体内への吸収スピードを遅らせることが大切です。そのため、お酒を飲み始める前に、まずは胃の中にたまるものを食べておきましょう。特に、肉や魚、チーズ、ナッツ類など脂質やタンパク質を多く含む食品は、アルコールと胃の粘膜の接触を緩和して、アルコールの吸収スピードを緩やかにしてくれます。
また、ビタミンB群の一種であるナイアシンには、アセトアルデヒドの分解を助ける働きがあります。お酒を飲むときには、タラコやカツオなどの魚介類やレバーなど、ナイアシンを多く含む食材をとるとよいでしょう。
二日酔いを予防する最も確実な方法は、「飲み過ぎないこと」です。厚生労働省が推奨する「節度ある適度な飲酒量」は、1日あたり純アルコールで20gまでとされています。これはビール(ロング缶)1本、ワイン2杯程度に相当します。ただし、アルコールの代謝能力には個人差があります。女性はアルコールの分解能力が男性に比べると低いため、より少ない飲酒量とすることが望まれますし、同性であっても年齢によっても差があります。「2杯目からはノンアルコールビールに切り替える」などのルールをあらかじめ決めておくと飲酒量を減らすことにつながります。
また、遅い時間まで飲み続けると、飲酒量が増えるだけでなく、翌朝になってもアルコールを処理しきれず二日酔いにつながります。「1次会を楽しんで1軒で切り上げる」、「夜○時以降は飲まない」など、時間に関する「マイルール」を決めてみるのもよいでしょう。
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