知っておきたい、災害に役立つ常備薬の選び方

災害や突発的なトラブルに備え、いざというときに、手元にあると安心な常備薬。ここでは基本的な製品を紹介します。

自宅でも避難所でも役立つ、必ず常備してほしいくすり

【総合かぜ薬】症状が予想できないかぜには、幅広く効くかぜ薬がおすすめ

かぜ薬は、さまざまな種類がありますが、どのような症状が出るのか予想できないので、いざというときのために、幅広い症状に効く「総合かぜ薬」を備えておくとよいでしょう。また、お子さまのいるご家庭は、適用年齢も注意して選ぶこと。子どもの飲みやすさを考えると、小粒の糖衣錠を選ぶのもよいでしょう。

  • 新ルルAゴールドDXα[指定第2類医薬品]

    新ルルAゴールドDXα

    かぜの3大症状ともいえる、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、せき・たん、及びそれらの複合症状に対して高い効果を発揮する処方設計なので、いざというときにも。小粒の糖衣錠で飲みやすく、7歳以上から飲める。

【せき止め】止まらないつらいせきのために

せきは、空気の通り道である気道に侵入した異物を追い出そうとする防御反応なので、止めにくく、続くとつらい症状です。また、たんを外に出すためにもせきが出ます。せきやたんが気になる方のために、せき止めも用意しておくとよいでしょう。

【解熱鎮痛薬】常備しておきたい薬の定番

解熱鎮痛薬は、かぜ薬と並んで家庭の常備薬の定番です。「ロキソニンS」は、医療現場で長年にわたり処方されている「ロキソニン錠」のスイッチOTC医薬品として発売されたものです。実際に医療機関で「ロキソニン錠」を腰痛や関節痛などに処方されている方は、災害時の一時的な使用のために「ロキソニンS」を常備し、服用する場合の注意点を、予め主治医やかかりつけ薬剤師に相談しておくことも有効です。
また、医療現場ではお子さま・妊婦の方には「アセトアミノフェン」を有効成分とした解熱鎮痛薬が処方されています。

    • ロキソニンS[第1類医薬品]
    • ロキソニンSプラス[第1類医薬品]
    • ロキソニンSクイック[第1類医薬品]
    • ロキソニンSプレミアム[第1類医薬品]
    ロキソニンS内服薬シリーズ

    飲みやすい小型錠。「ロキソニンSプラス」は、胃にやさしい成分をプラス配合。「ロキソニンSクイック」は、独自の製剤技術を採用し、服用後の錠剤の崩壊時間短縮を実現。「ロキソニンSプレミアム」は、速さ、効きめ、やさしさを同時に考えた、シリーズ最高処方※の解熱鎮痛薬。
    ※ロキソニンS内服薬シリーズで最も有効成分数が多い処方

  • サリドンエース[指定第2類医薬品]

    サリドンエース

    解熱鎮痛成分(アセトアミノフェン、エテンザミドなど)の作用によって、頭痛・歯痛・生理痛などに優れた効き目を発揮する。
    7歳から服用可能。

【胃腸薬】胃腸の調子が崩れがちな災害時、胃と腸の両方に効くものも

避難所での慣れない食生活、災害への不安やストレスで、お腹の調子を崩すことがあります。また、冬場などは特に冷えも大きく影響します。
そうしたことを考えると、胃腸薬も必須の常備薬です。「第一三共胃腸薬プラス」は、3歳から服用でき、細粒や錠剤などタイプを選べるほか、何よりも“胃と腸”の両方に働きかけてくれます。緊張状態にあると下痢や便秘になりがちですが、腸の調子を整える乳酸菌が配合されています。また、お腹の調子を崩しがちな人は、胃腸薬に加えて、下痢止めがあると安心です。
お腹を壊しがちなお子さんをお持ちの保護者の方は、事前にかかりつけ医や薬剤師にどのような薬が適しているか聞いてみてもいいでしょう。病歴などから適したくすりをすすめてくれると思います。

    • 第一三共胃腸薬プラス(細粒)[第2類医薬品]
    • 第一三共胃腸薬プラス(錠剤)[第2類医薬品]
    第一三共胃腸薬プラスシリーズ(上:細粒、下:錠剤)

    脂肪を分解する「リパーゼAP12」と、タンパク質・糖質を分解する「タカヂアスターゼN1」の働きにより胃にたまった食物の消化を助け、「6つの健胃成分」が弱った胃の働きを高める。胃酸や熱に負けず、生きたまま腸まで届く、植物性乳酸菌「ラクボン」が、腸内環境を改善し、腸の状態を正常に近づける。
    細粒は3歳から、錠剤は11歳から服用可能。

  • ガスター10 S錠[第1類医薬品]

    ガスター10 S錠

    食事のタイミングに関係なく、症状が出たときに服用できる。
    さらに水なしでの服用が可能なので、さまざまな環境に対応できる。

    ※成人(15歳以上、80歳未満)

  • エクトール赤玉[第2類医薬品]

    エクトール赤玉

    3歳から服用できる、飲みやすい小粒の錠剤。
    冷え、ストレス等のさまざまな原因で起こる下痢に有効。

【皮膚薬】衛生維持の消毒薬と皮膚治療薬を

災害のときは怪我をしがちなので、消毒薬と一緒に、ガーゼや絆創膏なども用意しておいた方がよいでしょう。
一方、皮膚のバリア機能が失われると、細菌やウイルスなどが皮膚から侵入しやすくなります。湿疹、皮膚炎、かぶれなどが生じたときに対応できるように、皮膚治療薬を1本は常備しておくとよいでしょう。特に、ステロイド成分が配合された皮膚治療薬は、皮膚炎等の炎症に優れた効き目を発揮します。
また、手荒れ対策のためにも皮膚の保湿や保護をできる薬やハンドクリームがあると安心です。特に、昨今感染防御対策として、手指の消毒液を使うことも多く、肌荒れにつながっているようですから、保護にも気を配っておくとよいでしょう。

  • マキロンs[第3類医薬品]

    マキロンs

    殺菌消毒成分だけではなく、皮膚の組織修復を助ける成分や炎症を抑えて傷が治るときのかゆみを和らげる成分を配合。本体部分を強く押すとスプレー式に薬液が出てくるので広範囲の洗浄ができ、傾けてゆっくり本体部分を押すと流水洗浄ができるので、キズ口の菌や汚れを落とすときに便利。
    マキロンsは逆さにしても噴霧できるため、痔疾(じしつ)の場合、温水洗浄便座が使用できないときでも肛門の殺菌・消毒ができる。

    マキロンs[第3類医薬品]

    • ベトネベートクリームS[指定第2類医薬品]
    • クロマイ-P軟膏AS[指定第2類医薬品]
    ベトネベートクリームS(上)クロマイ-P軟膏AS(下)

    いずれもステロイド成分を配合した皮膚疾患治療薬。
    「ベトネベートクリームS」は、しっしん、かぶれ等の皮膚の炎症に優れた効き目を発揮する。2つの抗生物質を配合した「クロマイ-P軟膏AS」は、さらに化膿した患部に優れた効き目を発揮する。どちらもさまざまな皮膚疾患に使えることが特長。

季節を考えて用意しておくと安心なくすり

【虫さされ・虫よけ】春先の点検で用意して、夏~秋には常備を

夏場から秋にかけては、虫が多い季節なので、虫さされ用薬の準備を忘れないようにしましょう。災害に備えた救急箱は、定期的な点検が必要ですが、春先の点検で加えると忘れることもありません。
また、災害の片づけで屋外の作業をすることもあるので、そうしたときには皮膚の露出面を少なくし、虫よけスプレーを用いるなどして、虫にさされないように注意しましょう。

  • マキロンパッチエース[指定第2類医薬品]

    マキロンパッチエース

    ステロイド成分配合で、虫さされによるかゆみや、気になる赤みを鎮める。
    あとが残りにくく、半透明パッチシートなので、携帯しやすく、貼っていても目立たない。

【口腔ケア】災害時は、口腔ケアが後回しになりがち。季節の変わり目も要注意

避難所生活では、口腔ケアが後回しになりがちですが、お口の衛生環境はとても重要です。十分な栄養が取れないため、口内炎などにもなりやすいかもしれません。特に季節の変わり目、体調変化でも出やすいといわれています。
また、医薬品ではありませんが、断水している場合もあるので、液体歯みがきもあると便利です。

  • トラフルクリアウォッシュ[第3類医薬品]

    トラフルクリアウォッシュ

    口内トラブルを早く治したい方や、何度も繰り返す方のケアを考えた口中洗浄液。
    殺菌成分と抗炎症成分のW成分配合で、トラブルがちな口内環境を清浄して整える。

一緒に用意しておいた方がいい備蓄類や準備の心構え

最低限の救急用品はしっかり準備、年に4回の点検も忘れずに

市販薬以外にも、最低限の救急用品は、一緒に準備しておきましょう。絆創膏、マスク、体温計、ガーゼや除菌ウエットティッシュなども必須アイテムです。また、使い捨ての手袋や廃棄をするときのポリ袋も用意しておくとよいでしょう。
市販薬も処方薬も最低でも3日間分の用意が必要ですが、処方薬はその方の病気の症状に合わせて処方されたものですから、どんなに症状が似ていても絶対に共用しないでください。一方、市販薬は幅広い年齢で使用できるものもありますから、定められた用法・用量を守れば家族で使うことができます。
お子さまのいる方は、服用のしやすさを考慮し、また非常時は平時とは全く生活環境が異なるので、保管のしやすさ、使いやすさなどを考えて選ぶとよいでしょう。

また、3月1日、6月1日、9月1日、12月1日は、防災用品点検の日とされています。年4回、季節の変わり目に使用期限のチェックを行うといいでしょう。

(コラム)災害に備えて市販薬もしっかり備蓄しておくことが大事。
災害発生3日間に起こりやすい怪我には要注意

災害時を想定して常備薬を選ぶときには、保管のしやすさ、服用のしやすさを考えて選ぶといいと思います。冷所保存などの保管に必要な薬は、災害時には向いていません。また、災害時は水がとても希少になるので、計量が必要なものや水をたくさん必要とする薬は、避難用の常備薬としては不向きな面があります。
厚生労働省の研究班がまとめた「薬剤師のための災害対策マニュアル」によると、大規模災害の発生から3日間で特に起こりやすい傷病として、怪我ややけど、打ち傷、切り傷、打撲、骨折をあげています。このことからも、怪我を治療する消毒薬、皮膚治療薬、また冷感湿布などを用意しておくとよいでしょう。
コロナ禍で、食料品や水、消毒液やマスクなどの備蓄意識は高まったと思いますが、これからもこの状況は続くと思われます。新しい生活様式のひとつとして、自分のからだを守る常備薬にも、ぜひ気を配っていただきたいと思います。

高垣育先生

災害時の市販薬の大切さについて教えてくれたのは・・・高垣育先生(薬剤師ライター、国際中医専門員)

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