インクルージョン&ダイバーシティの推進

第一三共グループでは、ダイバーシティを国籍・人種・性別・年齢などの属性面に加え、職種ごとに異なる専門性や考え方・価値観・宗教・ライフスタイルなども含んだ幅広い多様性と定義しています。そして、すべての社員が個々の多様性を積極的に受け容れることで、各々が最大限に実力を発揮することが可能になり、グローバルな事業展開やイノベーションの創出につながると考え、社員が互いを尊重しあう風土づくりに取り組んでいます。

多様な社員のキャリア形成と働き方の実現

社員のキャリア形成においては、国籍、性別や年齢、障がいの有無などにかかわらず、一人ひとりの能力や適性に応じた配置や育成のための機会を提供するとともに、社員の成長に資する評価の仕組みを導入しています。さらに、社員自らが将来のキャリアを描き、上司との面談を通じてめざす方向性をすり合わせる仕組み(自己成長申告制度)を長年実施しています。また、社員が結婚、育児、介護といったライフイベントによって仕事を諦めることなく、やりがいを持って働き続けられるよう、柔軟な勤務・休暇制度の導入や仕事と育児・介護の両立に関するセミナーの開催など、多様な社員が働きやすい環境整備に継続して取り組んでいます。個人の成長が会社の成長へとつながり、ひいては第一三共グループの社会的価値の持続的な向上に寄与するとの考えから、2021年度から個人の自律的なキャリア形成と成長を支援する「キャリア支援休職制度」を導入し、業務では習得しがたい多様な経験や専門性の深化、能力開発やスキルの獲得を支援しています。

ライフイベントと仕事の両立に向けた環境整備

出産・育児・介護などライフイベントと仕事を両立しながら、やりがいを持って働き続けることができる環境整備に取り組んでいます。
男性社員の育児参画を促すための研修や上司との面談、男女ともに育児休業取得後のスムーズな職場復帰を実現するためのセミナーや事業所内保育所の設置、ベビーシッターサービスの利用補助、介護セミナーや相談会の開催など、仕事と育児・介護を両立しながら活躍し続けるための支援策を継続的に行っています。また、治療と仕事との両立支援として、がん、脳血管疾患、心血管疾患、その他難病等および不妊の治療のために一定期間に亘り就業しながら反復・継続して通院・治療する場合、療養休暇を1日単位または半日単位で分割取得することも認めています。
このように、ライフイベントの影響を最小限に留め、長期的に活躍してもらえるしくみを構築しています。

  • 女性活躍推進行動計画に沿った取り組みの推進

    当社グループとして、(1)女性社員の意欲向上、(2)両立支援、(3)職場風土醸成、といった課題に対し、各種研修の実施や仕事と家庭の両立支援のための制度の充実など、幅広く取り組みを進めています。
    その結果として、2021年10月、女性活躍推進法に基づく認定「えるぼし」の2つ星を取得しました。認定制度は、2016年4月1日から施行された女性活躍推進法に基づき、厚生労働大臣が女性活躍推進に関する取り組みの実施状況等が優良な企業を認定するものです。
    今後も、行動計画をふまえ、女性社員が長期的にキャリアを構築し、いきいきと活躍できる雇用環境の充実に向けて、取り組みを更に推進していきます。

    女性が活躍しています! 女性活躍推進行動計画(424KB)PDF
  • 「くるみん」「プラチナくるみん」の取得

    第一三共グループでは、「制度を取得しやすい環境づくり」と「多様性に対応した制度づくり」の両面から、積極的に子育て支援に取り組んできました。その結果として、当社においては、2012年、2019年および2022年に東京労働局より次世代育児支援対策推進法第13条に基づく「基準適合一般事業主」の認定事業主マーク《くるみんマーク》※1を取得しました。さらに2022年3月には、より高い水準で仕事と育児の両立支援の取り組みを実施していることの証として、特例認定マーク「プラチナくるみん」の認定を取得しました。
    今後も引き続き、社員の多様なライフスタイルや価値観に対応できる制度および環境づくりに取組んでいきます。

    「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証。子育て支援など一定の基準を満たした企業・法人へ与えられるマーク
    • 2022年認定 くるみん 子育てサポートしています
    • プラチナくるみん 子育てサポートしています
    次世代育成支援行動計画(526KB)PDF

高年齢者の雇用

定年を迎える社員が定年到達後も引き続き会社での雇用を希望する場合には、65歳までを上限に全員を再雇用しており、加えて2022年4月からは一定要件を満たす社員を対象に70歳までの就業延長制度を導入しました。定年後再雇用者がさらに働きやすい環境を整備するため、今後も引き続き高年齢者の雇用・配置・処遇や労働環境の在り方などを総合的に検証していきます。
一方、将来の充実したセカンドライフ・セカンドキャリアを実現するためには、主体的・自律的に今後のライフ・キャリアイベントを考え、早い時期から準備・助走をしておくことが大切です。シニア社員を対象としたキャリアプラン研修では、そのために必要となる考え方や参考となる情報を提供し、一人ひとりが生涯現役で活き活きと活躍できるように支援しております。今後、Be inclusive & Embrace Diversityの観点からもますます高年齢者の活躍が重要になってくると考えており、今まで培った多様な経験、知識、スキル等を次の世代へ継承しつつ組織力をより強化していくための取り組みを進めていきます。

多様な働き方を支援する主な制度・施策

長時間労働の防止に努めるとともに、職務特性に応じた柔軟な勤務体系を構築することで、生産性の向上と社員の自立性を尊重した多様な働き方を推進しています。

  • 長時間労働の防止

    労働時間管理委員会の実施

    毎月、労使での労働時間管理委員会を開催し、すべての社員の労働時間の状況を確認するとともに、一定の基準を超えて勤務を行った社員について、所属上長と連携した速やかな改善策の検討・実行を行うなど、きめ細かい労働時間管理を実施しています。

    長時間労働防止の取組み

    過重労働を原因とした健康障害を発生させないため、2018年度より、裁量労働適用者を含むすべての社員を対象に基準となる労働時間の上限を設定し、健康管理に向けた啓発や業務改善の実施等、労使連携のもと取り組んでいきます。また、一定の基準を超えて勤務を行った社員には「過重労働防止休暇」の取得や「長時間労働改善計画書」の作成・実行、人事担当による面談実施等、長時間労働の防止に力を入れています。

    今後は、生産性向上の観点から、業務の無駄の削減や会議の見直しといった業務プロセス改革や、ITツールや最新技術の活用、モバイルワークの促進等にさらに取り組んでいきます。

  • 多様な勤務体系の整備

    フレックスタイム制

    一日の就業時間にフレキシビリティを持たせ、労働時間の効率的活用と生産性の向上を図ることを目的としています。
    2019年4月からは、コアタイムを廃止し、より柔軟な働き方を可能とし、生産性の向上とワークライフサイクルを推進しています。

    事業場外みなし労働時間制

    事業場外勤務が多様かつ不規則な勤務となることに鑑み、営業職の柔軟かつ効果的な時間活用の実現を図ることを目的としています。

    裁量労働制(専門業務型・企画業務型)

    業務遂行や時間配分等について個々人に裁量性を持たせることにより、自律性の向上および成果指向型の人材育成を図ることを目的としています。

    テレワーク制度

    時間の有効活用と自律的な業務遂行による「生産性の向上」と「ワークライフバランスの推進」を目的に、2017年度よりテレワーク制度を導入しています。