10代が多く感じる痛みへの対処方法を紹介
日常生活の中でできる痛み対策には、運動や食事、生活習慣の改善、市販薬(OTC医薬品)の活用などがあります。
片頭痛の場合は、薄暗くした静かな場所で安静にするのが第一。天候の変化や音、光、ストレス、睡眠不足、疲労などの悪化因子を避けることも重要です。頭痛の予防につながる体操もあります。
月経痛で最も大切なのは我慢しないことです。薬を飲むと体に悪いと誤解したり、友達と比較して自分の痛みは軽いから我慢ができると判断されることもありますが、鎮痛薬を使う場合は、痛みが軽いうちに早く飲むことが効かせるコツです。鎮痛薬を飲んでも痛みが改善しない場合や、服用する回数が多い場合には、婦人科を受診しましょう。
スポーツ傷害(1回のケガで組織が損傷される「外傷」と、繰り返される負荷で組織が徐々に損傷される「障害」)による筋骨格系の痛みは、繰り返さないように予防することが大切です。そのための効果的な方法が、筋肉の柔軟性を高めるストレッチ。お風呂上りに親子で一緒に行うのもおすすめです。
腹痛の場合、原因などによって対処方法が異なります。特に腸の動きを止めるような下痢止めの使用は適切ではないこともあるため、慎重に使用しましょう。また、起立性調節障害による腹痛なら、適度な運動や、血流量を増やすため塩分多めの食事などにして対策を講じます。
どの痛みの改善についても共通しているのは、早寝早起き、バランスのよい食事、運動などの基本的な生活習慣の重要性です。そして、子どもの痛みに寄り添う、家族や周囲の大人たちの子どもへの共感も大切です。
運動や食事、生活習慣、市販薬(OTC医薬品)など、痛みのセルフケアにはいろいろな方法があります。それぞれの痛みに応じた対策を紹介します。
片頭痛が起こったら、まずは薄暗くした静かな部屋で安静にしましょう。ズキンズキンと痛む場所を冷やすと血管の拡張が収まり痛みが軽くなります。
ただし、中には冷やすこと自体を嫌がるお子さんもいると、東京医科大学小児科・思春期科主任教授で、小児頭痛外来を担当している山中岳先生は話します。「片頭痛では脳が敏感になっているので、光や音だけでなく、触れられることが刺激になることもあります。触ったり、冷やしたりという通常なら問題にならないような、ちょっとした刺激を痛みのように感じてしまうことがあり、これは『アロデニア』と呼ばれる状態です。その際には、暗い静かな場所で何もせず、ただじっとさせて見守るのがいいでしょう」
一方、筋肉のこりが原因の緊張型頭痛の場合は、片頭痛の場合とは逆に、体を動かしたり、温めたりすると筋肉の緊張がほぐれ、血流も改善して、症状が和らぎます。ストレッチをする、首や肩、こめかみをホットタオルなどで温める、お風呂につかるなどのセルフケアがおすすめです。

市販の鎮痛薬も頭痛の緩和に役立ちます。どんな点に気を付けて使えばいいでしょうか。
「急な痛みで応急処置的に市販の鎮痛薬を使うということもあるでしょう。すでに市販薬を使っている方は、一度、医療機関を受診し、薬の種類や服用回数などが適切かどうか、医師に相談するといいでしょう。15歳ぐらいまでのお子さんの場合は、できれば医師の管理下で服用するのが理想的です。しかし、定期的な受診が難しい場合は、医師の助言を聞いた上で、市販の鎮痛薬を上手に使うようにすると安心です」(山中先生)
なお、「頭痛の診療ガイドライン2021」※1では、小児や思春期の片頭痛に対し、医師が処方する場合の解熱鎮痛薬の第一選択薬はイブプロフェンで、他にアセトアミノフェンも安全に使えるとしています。ただし市販薬(OTC医薬品)の場合は、イブプロフェンの入っている解熱鎮痛薬が使えるのは15歳以上です。15歳未満のお子さんはアセトアミノフェンを選びましょう。また、市販薬(OTC医薬品)を使うときは必ず添付文書を読み、服用できる年齢や服用量、服用回数などを確認しましょう。
片頭痛は、頭の中で炎症が起こり、その炎症がひどくなるにつれて痛みも強くなるといわれています。解熱鎮痛薬は痛みがひどくなってからではなく、炎症も痛みも軽いうちに飲むようにしましょう。
ただし、解熱鎮痛薬の服用量や回数が増えると、かえって頭痛がひどくなる「薬剤の使用過多による頭痛(MOH 薬剤乱用頭痛)」などを招くことがあるので、要注意です。使用上の注意や添付文書をよく読み、用法・用量を守った使用を心がけましょう。また、市販の解熱鎮痛薬で片頭痛を十分コントロールできず、服用量や服用回数が増えているようなら、必ず医療機関を受診するようにしましょう。
片頭痛の場合、発作を誘発したり、症状を悪化させたりする因子があります。例えば、環境因子としては、天候の変化(台風、低気圧、季節の変わり目など)、温度差、におい、音、光などです。精神的因子としては、ストレスがかかる、あるいはストレスからの解放、疲れ、寝不足、あるいは寝過ぎなどがあります。ほかにも月経周期や空腹、脱水、特定の食品(カフェインなど)も影響を与えるといわれています。何が痛みを誘発する因子になるのかは、その人ごとに異なります。お子さんにとって何が片頭痛誘発の刺激になっているかを考え、できるだけそれを避けたり、その状況に備えたりすることが重要です。
「片頭痛を上手にコントロールするには、生活面に気を配る必要があることがわかっています。早寝早起きをする、朝ご飯を抜かない、3食バランスよく食べる、適度な運動をする、ストレスとうまく付き合うなど、昔から体に良いとされている規則正しい生活が、基本的ではあるものの実はとても重要なのです」と山中先生。
ゲームやスマートフォン(スマホ)でのやりとりなどで、つい夜更かしして睡眠不足になってしまうお子さんもいるかもしれません。そんな場合は、お子さんをただ注意するのではなく、例えば「ゲームの時間は1日これだけにする」、「寝る1時間前にはやめる」、「寝るときはスマートフォン(スマホ)を寝床から遠いところに置く」など、親子で話し合ってルールを決めるといいでしょう。「子どもだけでなく、ご家族も一緒に取り組んだ方がより効果的ともいわれています。ご家庭でぜひ話し合ってみてください」と山中先生はアドバイスします。
片頭痛の予防や緊張型頭痛の緩和に効果が期待できるストレッチ体操もあります。なるべく首や頭を動かさないようにして行うのがコツです。首の後ろの筋肉をほぐすことで脳の痛み調節系によい刺激を送って片頭痛の頻度を減らしたり、頭を支えている首から肩の筋肉の緊張を和らげて緊張型頭痛を改善させたりする効果が期待できます。
正面を向き、頭を動かさずに両肩を大きく回します。
ひじを軽く曲げ、肩を前後に回します。前に回すときはリュックサックを背負うような感じに、後ろに回すときは洋服を脱ぐときのような感じで肩を回します。
まず、月経中はハードな運動は避け、無理をしないこと、睡眠をしっかりとること、リラックスして過ごすこと、そして体を冷やさないことが重要です。
「体を温めると血流が良くなり痛みが和らぐ可能性があります。お風呂で湯船につかったり、軽い運動をしたり、生姜など体を温める食材をとったりするのも良いでしょう。体を温める漢方薬もあるので、婦人科を受診して処方してもらうのも一法です。月経中だけでなく、普段から体を温めるように習慣づけることをおすすめします」と藤沢女性のクリニックもんま院長の門間美佳先生は話します。
それでも痛みがつらい場合は、市販の鎮痛薬を使うという選択肢もあります。
「月経中に子宮内膜から痛み物質の『プロスタグランジン』などが産生されて痛みが引き起こされます。鎮痛薬には、『プロスタグランジン』が作られるのを阻害する働きがあるので、早めに飲むのが鎮痛薬を効かせるコツです。
月経痛に悩んでいる女の子の中には、薬を飲むのは体に悪いと誤解したり、友達は痛くて倒れたけど私はそれほどでもないので薬を飲むのは早い、などと思ったりしているケースもありますが、月経痛の我慢は禁物です」(門間先生)
市販の鎮痛薬にはいろいろな種類があります。ただし年齢によって服用できないものもあるので注意が必要です。例えばロキソプロフェンやイブプロフェン、アスピリンなどの成分が含まれるものは15歳以上から服用可能です。市販の鎮痛薬を利用する際は、添付文書を確認するとともに、薬剤師や登録販売者に相談してお子さんに合うものを選ぶようにしましょう。

「もし市販の鎮痛薬を飲んでも月経痛が十分にコントロールできない、あるいは毎月月経のたびに鎮痛薬を服用するといった場合には、婦人科を受診しましょう。第1回でも紹介しましたが、機能性月経困難症の多くに子宮内膜症の初期病変があることがわかっているからです。内診が気になり婦人科の受診を躊躇しているなら、『内診はしないでほしい』などと、事前に伝えておくといいでしょう」(門間先生)
では婦人科では、月経痛に対してどんな治療をするのでしょうか。
「ホルモン剤(ピルなど)で排卵を抑えて内膜を薄くする治療が中心になります。『妊娠を希望しないときは赤ちゃんのベッドである内膜を薄くして出血を減らしましょう』という考え方です。排卵が抑制されるのでホルモンのバランスが整い、月経前症候群やニキビも改善します。
ピルというと、避妊のためのものと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし最近は避妊のピルよりも月経困難症治療のピルの方が処方量が多いのです。月経困難症治療薬はどんどん安全な方向に薬の開発が進んでいます。ホルモン含有量が少ない超低用量ピルや、40代でも使える天然型エストロゲン(卵胞ホルモン)を使用したピル、小学生でも使えるエストロゲンを含まない月経困難症治療薬など、様々な選択肢があります。
月経痛のつらさから解放され、勉強や部活、習い事など、頑張ってきたことのパフォーマンスを十分に発揮するためにも、将来、子宮内膜症や不妊などになるリスクを減らすためにも、月経痛に悩んでいるならぜひ気軽に婦人科に相談してください。私たちは皆さんがもっと楽に元気に生きられるように、健康に幸せに生きられるようにお手伝いしますよ!」と門間先生は話します。
スポーツ中に捻挫や肉離れなどをして痛む場合、まずは「RICE(ライス)」に基づいた応急処置を行います。RICEは、「R」は安静(rest)、「I」は冷却(ice)、「C」は圧迫(compression)、そして「E」が挙上(elevation)を意味しています。安静にして、患部を氷で冷やし、包帯で圧迫ぎみに固定し、患部を心臓よりも高く挙げて腫れを防ぎます。
けがが重症の場合は、応急処置の後、医療機関で治療を受ける必要がありますが、軽度の場合は鎮痛作用のある市販の湿布薬や塗り薬を利用するのもいいでしょう。
「15歳未満の子どもに鎮痛薬の飲み薬を使う場合、市販薬ならアセトアミノフェンが選択肢になります。ただ、飲み薬を使うほど痛みがひどいようなら、できれば医療機関を受診した方が安心です。また痛みが最初に出てから1週間経っても改善しないような場合も、受診をおすすめします」と慶應義塾大学スポーツ医学研究センター准教授の原藤健吾先生は話します。
骨や筋肉、靭帯などのスポーツ傷害を防ぐには運動前後のウォーミングアップとクールダウンをしっかり行うこと、そして日ごろからストレッチで柔軟性を高めておくことが必要だと原藤先生は話します。「柔軟性の獲得はスポーツ傷害を予防する上で非常に重要です。10代前半に起こりやすい腰椎分離症の場合は、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)やハムストリング(太ももの裏側の筋肉)、腸腰筋(腰から脚の付け根にある3つの筋肉)などのストレッチを続けることで柔軟性が増します。その結果、骨盤など体を正しく使えるようになり、再発予防につながります」(原藤先生)
大腿四頭筋ストレッチ 床に座り、片方の膝を曲げ、上体を後ろに傾け、太ももの前側の筋肉が伸びているのを感じながら15〜30秒キープする。両足を行う。
ジャックナイフストレッチ 両足首を後ろから手で持ち、お尻を突き出してお腹と太ももの前側をつけた前傾姿勢になる。そのままかかとを浮かさず、お腹と太ももの前側をつけたままお尻を上げ、頭を下げる。太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)を限界まで伸ばした状態で5秒キープする。
腸腰筋ストレッチ 両足を前後に大きく開き、前側の膝を直角になるように曲げ、後ろの脚は膝を床につけるようにする。後ろ足の付け根の筋肉が伸びるのを感じながら、おへそを突き出すように前方に体重を乗せ、10〜15秒キープする。フラつくようなら、横に安定の良い椅子を置き、支えながら行う。
クラブ活動などでスポーツに熱中しているお子さんは、少々痛みがあっても練習を休みたがらないことがあります。中には頑張りすぎて故障してしまい、思うようにプレーができなくなることも。そうならないよう、家族や指導者など周囲の大人が練習を続けてもいいか、休むべきかを正しく判断することが重要です。
「『痛いなら練習を休みなさい』ではなく、どのくらい痛いか、どんなときに痛いのかを確認した上で、判断をするのが良いでしょう。例えば練習直後は痛いが翌朝には軽くなる、練習中も翌朝も痛いがパフォーマンスの低下はないといった場合は、練習を続けながら、ストレッチなどのトレーニングをプラスすると良いでしょう。一方、痛くて思うようなプレーができずパフォーマンスも低下しているなら、いったん練習を休み、ストレッチなどのトレーニングを継続するのをおすすめします。意識してストレッチを行なうことは、『痛みを自分で治す』という意識づけにもなります。大人にとってもストレッチはメリットが大きいので、ぜひお子さんと一緒に続けてみてください。子ども一人よりも家族みんなで行う方が継続できます。その際には、お風呂上りが筋肉や腱が柔らかくなっているので効果的です」と原藤先生。

睡眠や食事など毎日の生活リズムも、もちろん重要です。
「成長期はよく食べて、よく眠ることが基礎体力を養う大前提です。その土台の上に運動能力やスキルが積み重なっていきます」と原藤先生は話します。
腹痛対策では、当たり前のことですが、暴飲暴食を避けてバランスのよい食事をとる、十分な睡眠をとる、運動をする、リラックスを心がけるなど、毎日の生活リズムを整えることが重要です。また、外出時の腹痛に備え、トイレの場所を確認しておくことも安心につながり、「痛くなったらどうしよう」という不安を和らげることができます。
腹痛がつらいときに市販薬(OTC医薬品)を使うこともありますが、山中先生はその際の注意点を次のように話します。「整腸剤の服用は腸を整えるという意味で良いでしょう。ただし、下痢が続いてお腹が痛い場合に、腸の動きを止めるような下痢止め薬を飲むのはおすすめできません。下痢は悪いものを出すための体の反応です。子どもの場合は腸の動きを止めることでイレウス(腸閉塞)になることもあるので注意が必要です。
腹痛が2週間以上続くようなら、隠れた病気の有無を調べるため、医療機関の受診をおすすめします」と山中先生は話します。
医療機関では、下剤による腹痛なら、原因や症状に合わせて腸の動きを抑える薬、有害物質を吸着する薬などが処方されることがあります。一方、慢性便秘と診断されたら、便に水分を含ませて柔らかくする薬などが選ばれます。
起立性調節障害が原因の腹痛もあります。その可能性があるかどうか、下のチェックリストで確認しておきましょう。頭痛がある場合も該当することがあります。
3つ以上該当する場合は、起立性調節障害の可能性があります。
(監修:東京医科大学、山中岳先生)
起立性調節障害の改善には、以下のセルフケアが有効とされています。
「腹痛や頭痛には、心理社会的なストレスが関係することがあります。ストレスのない世界はありませんが、自分が今どんなストレスを抱えているかを自覚していると、対応しやすくなります。家族など周囲の大人も、ただ『がんばれ』と励ますのではなく、お子さんのつらさにまずは共感することが大切です」と山中先生は話します。

子どもはつらさをわかってもらえていると感じるだけで、症状が軽くなることがあります。これは腹痛や頭痛だけでなく、すべての痛みにいえることです。子どもに寄り添うことが痛みケアのポイントといえるでしょう。
【第一三共ヘルスケアの該当製品】
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