今日からできる6つのドライアイ対策
2026.1.9 更新
仕事や勉強で毎日パソコンに向かっている、スマートフォン(以下スマホ)を使ってインターネットで調べ物をしたり、動画を楽しんだりしている――。そんな生活が普通になった現代では、誰もがデジタル眼精疲労に陥る可能性があります。それを防ぐには何に気をつけ、どんなことをすればいいでしょうか。デジタルデバイスと上手に付き合う方法、そして眼精疲労を予防・改善するための目の体操や上手な目薬の使い方、目のための栄養などについて紹介します。
デジタル眼精疲労を防ぐには、デジタルデバイスとの上手な付き合い方が何よりも重要です。例えば、目と画面との距離はパソコンなら40cm以上、スマホなら30cm以上離すことが大切です。また画面や目よりもやや低め、画面の明るさはできるだけ落とすようにします。そして、定期的に遠くを見て目を休めるように心がけましょう。米国眼科学会が推奨しているのが、20分間画面を見たら、20フィート(約6m)離れたところを20秒間眺めるという「20-20-20ルール」です。これらを守るだけでも、目の疲れはかなり防げます。デジタル眼精疲労の3タイプのうち、「スマホ老眼」「スマホ内斜視」対策はここが基本です。
また、もう一つの「ドライアイ」は眼精疲労が強くなる原因になるので、目の使い方に気を付け、目そのものをケアする対策も欠かせません。お勧めは、まばたきを意識する、「まばたきトレーニング」を続ける、目を温める、まつ毛を洗う、などのセルフケアを習慣化することです。
ほかに、首や肩のストレッチや、目にいい栄養素の積極的な摂取、エアコンの風や室内湿度に気を付けるなども大切です。市販の目薬も上手に使いましょう。
「デジタル眼精疲労を予防するには、パソコンやスマホなどのデジタルデバイスを正しく使い、目や脳への負担をできるだけ減らす工夫が必要です。例えば画面までの距離や見る角度、画面の明るさ、使用時間、休憩時間、部屋の環境など、気を付ける点がいくつかあります」と国際医療福祉大学保健医療学部教授の原直人先生は話します。
デジタルデバイスと上手に付き合うための具体的なポイントを紹介しましょう。
目から画面までの距離が近くなると目が疲れやすくなるので、適切な距離を保つように気を付けましょう。パソコン画面の場合は40cm以上離すようにします。子どもの場合は30cm以上を目安にします。また画面の上端が目の高さと同じか、多少低くなるように設定します。
「画面が目より高いと、まぶたを上げて見ることになり、目の露出面積が増えて涙が蒸発しやすくなります。画面をやや下向きにすればまぶたが下がり、ドライアイの予防になります」と原先生。
スマホの場合は難しいのですが、なるべく目から30cm以上離して見るようにしましょう。少し遠いと感じるかもしれませんが、意識することが必要です。
「両目で見られるよう、画面が体の中央にくる位置にすることも大切です。例えば横になって寝ながらスマホを見る場合、両眼視ができていないため、片目を内側に寄せることになります。これは目にとって大きな負担になり、内斜視のリスクにもなります」(原先生)
パソコンもスマホもタブレットも、画面の距離が遠いほど目の負担が減ります。もし文字などが見にくい場合は、文字の大きさを調整したり、眼鏡をかけたりして対処しましょう。「度が合っていない眼鏡(度が弱すぎる「低矯正」や強すぎる「過矯正」)をかけたままパソコンやスマホの作業をすると、目の疲れが強く出やすくなります。適正に矯正した眼鏡を作ることも、とても重要です。気になる人は眼科を受診して眼鏡の処方をしてもらってください」(原先生)

画面が明る過ぎると目が疲れるので、できるだけ明るさを落とすことも大切です。
「特に片頭痛では、強い光を浴びる、明るい画面での作業は頭痛の発症の引き金になりますから、輝度には十分気を付けてください」と原先生は話します。
また、外からの太陽光や照明が画面に映り込まないよう工夫することも重要です。窓から太陽光が入り込む場合は、カーテンやブラインドで遮りましょう。
パソコンやスマホを見ていたら、あっという間に時間が過ぎた。そんな経験は多くの人にあるのではないでしょうか。伊藤医院眼科副院長の有田玲子先生は次のように話します。「テレビ放送であれば、テレビコマーシャルのときに画面から目を離すなどして無意識のうちに休憩を挟む方もいらっしゃるかもしれませんが、そのタイミングで目も脳も休めています。ところがスマホやパソコンでは自ら情報を取りにいくなど能動性が高いとも言えるため、興味のあるサイトや動画に熱中し、つい画面を見続けてしまいがちです。だからこそ目や脳を酷使しないよう、意識して休むように心がけておくことが必要です」
定期的に目を休めるため、米国眼科学会が推奨しているのが「20-20-20ルール」です。これは20分間画面を見続けたら、20フィート(約6m)離れたところを20秒間眺めるというもの。近くを見ているときはピントを合わせる毛様体筋が常に緊張していますが、遠くを見ると緊張が緩むからです。

タイマーを設定し、定期的に目を休めるのも一つの方法です。設定した時間が来たら、窓の外を眺めたり、壁に掛けている時計を見たり、あるいは立ち上がって少し体を動かしたりするのもいいでしょう。「近くを見続けない」「こまめに休憩を入れる」ことを習慣化しましょう。
眼精疲労の予防・改善にはドライアイ対策も欠かせません。「ドライアイかどうかを見る、簡単なチェック法があります」と有田先生は話します。チェックをしてドライアイかもと思ったら、今日からできる対策をやってみましょう。
「頑張らなくても10秒間、まばたきをせずに目を開けていられますか?もし5秒間も開けていられないようなら、ドライアイの可能性が高いので受診をお勧めします。5~10秒間の場合は、ドライアイの疑いがある、いわばドライアイ予備群。予備群の方はセルフケアを続けると改善が見込めます。もちろん、10秒間以上開けていられる方も予防になるので、ぜひセルフケアに取り組んでください」
パソコンやスマホなどの使用時には、まばたきが減ったり、まばたきが浅くなったりしがちです。意識して、しっかりとまばたきをするよう心がけましょう。
また、スマホのアプリにはまばたきの回数や我慢できる秒数をカメラで計測できるものもあります。
まばたきをするときに主に働いているのが、目の周りにある眼輪筋。この筋肉を鍛えるのが、「まばたきトレーニング」です。
「まぶたをしっかり閉じると、その瞬間にマイボーム腺から脂が出るので、ドライアイの改善や予防になります。ドライアイの患者さんを対象に比較試験を行ったところ、トレーニングをした群ではドライアイの改善に加え、浅いまばたきが改善したり、目が大きく開くようになったりする効果も認められました※1。誰でも簡単にでき、多くの場合3日ほど続ければ効果を感じられます。1日5セット、毎日続けてみてください。習慣づけるために、患者さんにはトイレに行くたびにやってみてはとお勧めしています」と有田先生。
①~③を繰り返すだけでも、涙が出てきます。忙しいときはこれだけでもOKです。

ドライアイ、特に脂不足のドライアイに有効なのが、目を温めることです。マイボーム腺からの脂の分泌を増やす効果があります。
「温めるとマイボーム腺に詰まった脂が溶け、適量が分泌されるようになります。目の周りの血流も良くなり、副交感神経が優位になってリラックスもできます。1回5分程度。できれば朝と夜の2回行うと効果が早く出ます。難しければ夜に1回行うといいでしょう。温めて眠くなったら、そのまま寝てしまってもかまいません」(有田先生)

アイメイクをしている人やメタボリックシンドロームの人は、涙の脂を分泌するマイボーム腺が詰まりやすいことがわかっています。マイボーム腺は、上下のまつげの根元にあるので、まつげをきれいに洗うとマイボーム腺の詰まりを予防できます。
「顔を洗った後、ぬるま湯でまつ毛の根元を意識して洗いましょう。その際、ゴシゴシ洗わず、優しく内側から外側へと指を3回ほど滑らせましょう。指を往復させると、汚れがマイボーム腺の中にまた入ってしまう可能性があるので、気を付けてください。入浴時は体が温まり、脂が溶けやすいので効果的に洗い流せます」(有田先生)
なお、アイメイクをしっかりした日や、まつげの汚れが特に気になるときは、ぬるま湯を含ませたコットンなどで、まつげ1本1本を意識しながら拭き取ると、よりきれいになるといいます。角膜を傷つけないよう、優しくふき取ることが大切です。
「まつげは異物が入らないよう目を守っているため、実はいろいろな汚れが付いています。例えば花粉やPM2.5などの微小粒子状物質、ホコリ、ダニなどです。特にメタボリックシンドロームの男性の方のまつげには、脂を食べるダニがいることが少なくありません。まつげを洗い流せば、これらの汚れもきれいになります」と有田先生。
環境整備も大切です。エアコンや扇風機の風が顔に当たると目の乾燥が進みます。直接風を受けないよう、風向きを調節しましょう。夏場に多くの人が使っているハンディファンにも注意が必要だといいます。「ファンを顔に向けると涙が蒸発します。顔ではなく、首に風を当てるようにしましょう。首には大きな動脈が通っているので、効果的に体温を下げられます」と有田先生。
部屋の温度にも気をつけましょう。エアコンを使う時間が長くなる夏や冬は部屋の乾燥が進みます。「湿度が40%を切ると、目が乾燥します。ドライアイの患者さんの中には、夏でも加湿器を使っている方がいるほどです。湿度の目安は40~60%未満。湿度計を置いてチェックましょう」(有田先生)
デジタル機器の使い方や、ドライアイ対策以外にも、栄養や運動、市販薬の利用などの眼精疲労対策があります。
まず、有田先生が摂取を勧める栄養素の筆頭は、オメガ3脂肪酸です。主に魚に含まれるEPAやDHAがこれに相当します。「オメガ3脂肪酸には、涙の水の量を増やし、同時に涙の脂の質も高める働きがあります。ドライアイだけでなく、視力に関わる網膜黄斑部にも必要な栄養素です。焼き魚でも刺身でも、サバ缶のような缶詰でもいいので、日々の食卓に取り入れてほしいですね。またビタミンAやE、Dなどの脂溶性ビタミンも目のために大切です」。ビタミンAはうなぎやニンジンなどに、ビタミンEはアーモンドやゴマなどに、ビタミンDは魚類やきのこなどに多く含まれています。
原先生は、「食品に含まれる、赤い色素のアスタキサンチンや黄色い色素のルテインは、強い抗酸化作用があり、眼精疲労の予防に役立つ可能性があります」と話します。アスタキサンチンは鮭やエビ、イクラなどに、またルテインはほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
一方、食べ過ぎないように注意したいのは、動物性の脂だといいます。「動物性の脂は融点が高く、体内で溶けにくいため、マイボーム腺が詰まる一因になると考えられます」と有田先生は助言します。
目にとっても、適度な運動は重要です。全身の血流が良くなり、リラックスして副交感神経が優位になり、涙の量も増えます。また運動中は遠くを見る機会も多いので、毛様体筋が緩む効果も期待できます。
「ストレッチもお勧めです。首や肩が凝ると目も疲れ、逆に目が疲れると首や肩も凝ります。目と首と肩はセットになっているのです。仕事の合間に首を回したり、肩を動かしたりして筋肉をほぐしましょう。首と肩の血流が良くなると、目の周囲の血流アップにもつながります」(有田先生)
目が疲れたとき、市販の目薬を使う人も多いでしょう。どんな目薬を選べばいいでしょうか。
「疲れ目用の目薬には、ビタミンB6やB12などのビタミンB群が入っています。これはピント調節を担っている毛様体筋の疲れを取るのに効果があります。また、できれば防腐剤フリーのものがおすすめです」と有田先生。
また、「目の乾きを感じたときには塩化ナトリウムや塩化カリウム、塩化カルシウム水和物が入ったものを使うといいでしょう」(有田先生)
目薬の差し方にも注意が必要だといいます。
「目が乾くからと、1日に何回も目薬をさしている方がいますが、1日10回以上は差さないようにしてください。涙の中には免疫物質やたんぱく質やミネラルなど、いろいろな栄養が含まれています。目薬を差し過ぎると、それらを洗い流してしまうことになるからです」(有田先生)
※ご使用される製品の使用上の注意や添付文書を必ずご確認ください。

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ドライアイの症状が長引く、痛みが強い、見え方がいつもと違う、セルフケアを続けても症状が改善しないといった場合は、早めに眼科を受診しましょう。
「ドライアイを放置すると、角膜に傷がついたり、細菌感染を起こしたりすることもあります。1カ月以上症状が続くようなら、我慢せずに受診してください」と有田先生は話します。
また眼精疲労と思っていたら、他の病気が隠れていたということもあります。なかなか眼科を受診する機会がない方も少なくありませんが、少しでも見え方がいつもと違うなどの違和感があれば、眼鏡やコンタクトレンズなどのチェックも兼ねて定期的に眼科で診てもらい、自分の目を大切にしましょう。