顔にできるニキビと
同じケアでは治らない?
顔にできるニキビと
からだにできる赤いブツブツ
原因はまったく別物の
可能性も
からだにできる赤いブツブツと顔にできるニキビは同じものと考えがちです。実際に約76%の方※が、同じものと認識しています。しかし実は、顔にできるニキビはアクネ菌が主な原因となるのに対して、からだにできる赤いブツブツは真菌(カビの一種)が原因となることが多いのです。
顔のニキビ | からだの 赤いブツブツ |
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原因菌 | アクネ菌 ※健康な人間の皮膚の表面に存在する常在菌 |
黄色ブドウ球菌や緑膿菌などの細菌 マラセチア菌などの真菌(カビの一種) ※いずれも健康な人間の皮膚の表面に存在する常在菌 |
症状の状態 | 毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が増殖して炎症を起こす | 細菌やカビが毛穴に入り込み、炎症を起こす |
症状が 起きる原因 |
肌の乾燥や脂質・糖質のとり過ぎなどによる皮脂の過剰分泌 ストレスによるターンオーバーの乱れ |
汗などによるムレ、皮脂や汚れの詰まり、摩擦などの刺激、紫外線、ストレスなど |
症状が 出やすい場所 |
おでこ、頬、Tゾーン、顎 | 背中、肩、首、デコルテ、胸、太もも、おしり |
正しい症状名 | 尋常性痤瘡(いわゆるニキビ) | 毛のう炎 ※ニキビの症状が混在している可能性もあります |
ニキビができるメカニズム
ニキビの主な原因は皮脂や汚れによる毛穴の詰まりです。生活習慣の乱れや、肌のターンオーバーの乱れによって皮脂が過剰分泌し、毛穴が詰まりやすくなります。
アクネ菌は健康な人の皮膚の表面にいる常在菌ですが、毛穴に詰まった皮脂を栄養に増殖します。
アクネ菌の増殖によって、皮膚の炎症が起こります。これがいわゆるニキビです。
からだのブツブツ(毛のう炎)ができるメカニズム
細菌や真菌も、もともと健康な人の皮膚の表面にいる常在菌です。
普段は皮脂のバランスを保つ重要な役割を担っています。
これらの細菌や真菌が毛穴の奥(皮膚組織層)に侵入し、増殖することがあります。
汗によるムレ・皮脂や汚れ・キズや摩擦などの刺激・ホルモンバランス・紫外線だけでなく、ストレスやステロイド薬の使用、その他内科系の疾患が要因となることもあります。
毛穴の奥に入り込んだ細菌や真菌によって炎症が起こり、赤いブツブツ(丘疹)となって現れます。さらに化膿すると膿を持つ膿疱ができることもあります。これが「毛のう炎」と呼ばれる皮膚の病気です。
からだの赤いブツブツを
見つけたらどうする ?
抗真菌成分配合の市販薬でセルフケアする
背中やデコルテにできた赤いブツブツは、顔にできるニキビと同じケア方法では治らないケースがあります。原因菌が異なるため、それぞれに対処できる皮膚用薬でケアすることが改善への近道です。からだの赤いブツブツには、細菌や真菌に効果のある抗生物質や抗真菌成分が配合された薬を選びましょう。炎症がそれほどひどくない場合は、セルフケアをして1週間~10日ほどで症状が軽くなることが多いです。
5~6日間使用しても症状に変化がない場合は病院へ
セルフケアで改善が見られない場合は、ケア方法が適切でないことや症状の慢性化によって治りにくい状態になっていることが考えられます。別の皮膚疾患や内科系の疾患が隠れている可能性もあるため、皮膚科を受診しましょう。肌の炎症だからと放置すると跡が残ることもあるため、早めに対処することをおすすめします。
監修医のご紹介

山本メディカルセンター 院長
経歴
昭和大学医学部卒。医学博士、形成外科専門医、分子栄養学認定医
2010年に山本メディカルセンター入職し皮膚科・形成外科を立ち上げる。
アンチエイジング分野にも取組み、メディカルスパ、ドクターズコスメなどの開発・販売も手がけている。
所属
日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本酸化療法研究会、臨床分子栄養医学研究会、被災地医療支援GMJ、女医+(じょいぷらす)