下痢・食あたり(食中毒)の対策

下痢・食あたり(食中毒)が起こったらどうする?

暴飲暴食や寝冷えなどが原因の下痢であれば、こまめな水分の補給やからだへの負担が少ない食事、くすりの服用などの対処法で症状をやわらげることができます。くすりは症状(下痢の種類)に応じて、正しく選ぶことが大切です。嘔吐や発熱、激しい頭痛を伴うときは医師の診察を受けましょう。

医療機関での受診をおすすめする場合と、セルフケアできる場合

医療機関での受診をおすすめする場合

下痢のほかに嘔吐や発熱、激しい腹痛を伴うときは、感染性腸炎や食中毒といった重症のケース も考えられますので、疑わしい場合は一刻も早く病院に行きましょう。
また、長時間下痢が続く、便に血や粘膜が混じる、便の色が赤や黒、白、緑など普段と違う場合は、内臓疾患が原因となっていることもあります。早めに医師の診断を受けましょう。

激しい腹痛や発熱、嘔吐、血便などを伴うときは要注意!
激しい腹痛や発熱、嘔吐などを伴う下痢の場合,赤痢やコレラなどが原因となる細菌性のもの、腸炎ビブリオやサルモネラなどの食中毒が疑われます。早急に医師の診断を受けるようにしましょう。

セルフケアできる場合

食べ過ぎや飲み過ぎ、脂っこい食事をとったなど、原因がわかっている場合は自分でケアしてみましょう。通常は適度な水分をとり安静にしていれば1~2日で回復します。

下痢止め剤と整腸剤の役割の違い

くすりは、下痢の種類によって使い分ける必要があります。
下痢止め剤には、腸管の運動を抑制する成分、荒れた粘膜を保護する収れん成分、下痢の原因物質を吸着する成分、腸内の細菌を殺菌する成分などが含まれているので、下痢の原因を考えて成分を選ぶ必要があります。食中毒の治療で菌を排出しなければならないときには、腸管運動抑制成分の入った下痢止め剤は使わないようにします。
整腸剤には腸内の悪玉菌を抑えて善玉菌を助ける整腸生菌成分が配合されています。腸の調子を整えたいときに選びます。

成分の働き

くすりの選び方と注意点=症状に合わせたくすりを上手に選ぼう

運動亢進性下痢
腸管運動抑制成分を第一に、整腸剤などを組み合わせて使います。
分泌性下痢
特に食中毒の場合は、腸管運動抑制成分の入ったくすりで下痢を止めてしまうと、原因菌を体内にとどめてしまうので、使ってはいけません。殺菌成分や吸着成分と整腸剤を組みあわせて使います。
浸透圧性下痢
まずは原因となっているサプリメントや食品をやめて、整腸剤を使って調子を整えるようにします。
くすりの種類 成分名 作用 こんな症状に ポイント
下痢止め剤 腸管運動抑制剤 腸の異常収縮を抑える 食べ過ぎや冷えなどによる下痢 ロートエキス、ロペラミドなど。ロートエキスは、自律神経をコントロールして腸の異常収縮を抑え、腹痛をやわらげます。ロペラミドは腸管に直接作用し、その運動を抑えます。
殺菌剤 腸内の有害な細菌を殺菌し、腸内発酵を抑える 食あたりや、感染症による下痢に ベルベリン、アクリノールなど。細菌の増殖を阻止し、殺菌するはたらきがあります。
収れん剤 荒れた腸内の粘膜を保護、分泌液の腸内への浸出を防ぐ 食べ過ぎや、冷えによる下痢や慢性の下痢に タンニン酸、次硝酸ビスマスなど。荒れた腸の粘膜に付着して炎症面を保護、腸内の水分を減らして下痢を抑えます。
吸着剤 腸内の水分を吸着する 食べ過ぎや冷えなどによる下痢 アドゾルビンなど。腸内の有害物や水分、粘液などを吸着し、下痢の症状を緩和します。腸内の栄養素や他の医薬品も吸着することがあるため、他の薬剤との併用時には注意が必要です。
整腸剤 整腸生菌成分 腸内環境を整える 消化不良や慢性の下痢に ラクボンなどの有胞子性乳酸菌、ラクトミン、ビフィズス菌など。腸内で善玉菌を増やし、有害な悪玉菌の増殖を抑え、整腸作用を示します。

その他下痢・食あたり(食中毒)のセルフケア

急性下痢の場合

激しい下痢のときには大量の水分を奪われますので,脱水症状を引き起こすことがあります。
下痢が続くときは、まずは安静にして、湯ざましやうすめのお茶、常温のミネラルウォーター、スポーツドリンクなどの水分を少しずつとるように心がけましょう。また、食事も、おかゆや野菜スープ、りんごなど、胃腸への負担が少ないものをとり入れ、胃腸を休ませるようにするといいでしょう。

慢性下痢の場合

まずは食生活の改善を心がけ、腸への刺激が少なく、栄養価の高い食事で体の抵抗力をアップさせることが大切です。柔らかいご飯やうどん、繊維質が豊富なイモ類、豆腐・納豆といった豆類、整腸作用が期待できるヨーグルトなどを積極的にとり入れましょう。

(コラム)有胞子性乳酸菌ってどんな乳酸菌?

おなかの調子を整えるといわれる乳酸菌。健やかなお通じのためにも積極的に摂りたいものですね。
ところが、乳酸菌は熱や酸、乾燥に弱く、生きたまま食品に利用することが非常に難しいといわれています。
しかし、乳酸菌の外側に芽胞を形成する「有胞子性乳酸菌」は、高温や酸、乾燥に強いだけでなく、胃酸による攻撃に耐え腸管内に到達します。「生きたまま腸に届く」乳酸菌として、整腸剤はもちろん、お菓子などの食品にも配合されています。

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