「太陽光を浴びることの大切さ」と「正しい紫外線対策」の両立がセルフケアのカギ(後編)

家族で徹底したい、スキのない紫外線対策

2022.05.31 更新

“お肌の大敵”として知られる紫外線ですが、極端に外出を控える生活もまた健康面からおすすめできません。帽子、サングラス、長袖、そして日焼け止めを常備し効果的な塗り方・タイミングで、お肌を紫外線ダメージから守りましょう。曇りの日でも紫外線は降り注ぐのでUVケアは一年を通じて大切ですが、紫外線の強い時期は、UVケアをしていても長時間浴び続けないように工夫しましょう。

お肌の紫外線対策も忘れずに

太陽を浴びることの大切さでは、光の種類ごとの上手な付き合い方を紹介しました。一方で、太陽光に含まれる紫外線はお肌にダメージを及ぼすというデメリットもあります。これを防ぐため、必要以上に浴びないこと、特に紫外線が強い時期の対策は欠かせません。

紫外線による体への影響の代表が日焼けです。紫外線は5月ごろからその量が増え始めます(下のグラフ参照)。
一度に大量の紫外線を浴びると肌が赤くなったり、水ぶくれができるような日焼けを起こすことがあります。日差しが強い日でなくても、長期にわたって日光を浴び続けると、シミやシワなどの光老化や皮膚がんの原因となることも」と野村皮膚科医院の野村有子先生は注意を促します。

年間の紫外線量の変化

つくばにおける年間の紫外線量の変化のグラフ

●は観測値、細実線は1990年から2021年までの累年平均値。
気象庁のつくばにおける紫外線の観測。紫外線は1月から徐々に増え始め、5月になると日中はできるだけ日陰を利用し、日焼け止めや帽子を使うことが推奨されるほどに強くなっています。(出典:気象庁ホームページ

日差しが強くなる季節に向けて体を光に慣らす

紫外線の中でも、肌に大きな影響を与えるのがUV-AとUV-Bです。「皮膚がんの発生に関わるとされるのがUV-Bですが、波長が長く、より肌の深部に到達するUV-Aも、コラーゲン線維にダメージを与えてシワやたるみの要因になります」(野村先生)

家で過ごす時間が長引く中では「ある日突然、長時間太陽光を浴びる」ことに注意が必要です。
日ごろ、室内で過ごしがちな人が、休日などにいきなり長時間太陽光にさらされると、皮膚が赤く腫れたりかゆみが出たり、その後シミになったりする場合があり、これを『日光皮膚炎』といいます。急激な日焼けで炎症が起こると皮膚の免疫力が低下し、単純ヘルペスやにきびが出やすくなることもあります」と野村先生。

紫外線量は春から夏にかけてどんどん増えていくので、6月までに体を少しずつ太陽光に慣らせば、急激な日焼けによる炎症予防対策になります。
午前8〜10時までか、16時以降の柔らかい太陽の光を浴びて、徐々に肌を慣らしておくとよいでしょう」(野村先生)

太陽光を浴びたい時間帯と避けたい時間帯

太陽光を浴びたい時間帯と避けたい時間帯のイメージ図

場所によって違う紫外線の強さに注意を

山登りやスキー、海釣りなどのシーンでは、紫外線を浴びる量が増えることをご存じですか?
以下のことがわかっています※7。

  • ◇標高が1,000メートル上昇するごとに、紫外線量は10~12%増加
  • ◇晴天の新雪上では、新雪に反射した紫外線量が加わり、80%増加
  • ◇水面では、水面に反射した紫外線量が加わり、10~20%増加

こうした場所に行く際には、日焼け止めで肌を守ることはもちろん、目への影響も考慮する必要があります。
晴天のスキー場や海や川では、雪面や水面からの反射の光も浴びることになります。こうした屋外レジャーでは、サングラスでの目の保護が必須。紫外線により“雪目”といわれる痛みをともなう角結膜炎を起こすことがあるからです」と慶應義塾大学名誉教授の坪田一男先生は説明します。

屋外で長時間、あるいは一日中過ごすようなときには、帽子、サングラス、長袖、日焼け止めなどで、紫外線から目や肌をガードしましょう。

※7 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

海辺でサングラスをしている親子

日焼け止めの選び方 ~成分で選ぶ~

肌を紫外線から守るには、日焼け止めの使用も大切です。

紫外線は、太陽から注がれるものだけでなく空気中で散乱しているもの、地面や建物から反射するものもあります。日傘や帽子、長袖などで防御するのももちろん有効ですが、最も効果的なのは、ダメージを受けたくない部分に日焼け止めを塗ることです」と野村先生は助言します。

日焼け止めには、防御するための成分の違いや、防御力の強さなど、いろいろな種類があります。成分は大きく分けて2種類あります。一つは紫外線を吸収し熱エネルギーなどに変換して放出する「紫外線吸収剤」入りのもの。もう一つは、紫外線を反射させて皮膚に届かないようにする「紫外線散乱剤」が含まれているものです。

それぞれの特徴は次の通りです。

◇紫外線吸収剤
「メトキシケイヒ酸オクチル」、「ジメチルPABAオクチル」などの成分が紫外線を吸収し、熱などエネルギーに変換することで皮膚への影響を防ぎます。肌が弱い人などはまれにかぶれなどを起こすことがあるので、事前に腕などの日の当たる部分でパッチテストをすることをおすすめします。かゆみや赤みが生じた場合は、使用を避けましょう。
◇紫外線散乱剤
「酸化亜鉛」や「酸化チタン」といった成分が紫外線を肌表面で散乱、反射し、皮膚に到達しないようにします。散乱剤のパウダーが肌を覆うため、塗ったときに皮膚が白くなる「白浮き」をすることがありますが、最近では白浮きが少ない製品も増えています。

紫外線吸収剤と散乱剤のしくみ

日焼け止めを買う場合には、成分表示でどのような日焼け止め成分が入っているかを確認しましょう。肌が敏感な人や、紫外線吸収剤を配合した日焼け止めを使ったときに皮膚トラブルを起こしたことがある人は、『紫外線吸収剤フリー』『ノンケミカル』といった表示のあるものを選ぶとよいでしょう」と野村先生。

日焼け止めの選び方 ~防御力で選ぶ~

日焼け止めの効果は、UV-Bを防御する指標である「SPF(Sun Protection Factor)」と、UV-Aを防御する指標「PA(Protection grade of UV-A)」で表されます。
SPFは2~50まであり、50以上の場合は「50+」と表示されます。PAは+~++++の4段階で表示され、いずれも数値が高いほど防御力が高くなります。

日常使いであれば、それほど数値の高くないものでOKですが、晴天下のレジャーやマリンスポーツなどではより高い表示のもの、プールなど水に入る場合は耐水性の高いものを選びましょう。防御力が高いからといって、肌への刺激が強いということはありません。屋内で過ごしていても、紫外線はゼロではありませんし、洗濯物を干すなど、ちょっとした屋外での作業でも意外と多くの紫外線を浴びます。毎朝、洗顔後にはスキンケアの後に必ず日焼け止めを塗るなど、スキンケア習慣の一環として使うのがおすすめです」(野村先生)

生活シーンに合わせた日焼け止めの選び方

生活シーンと日焼け止めのPA、SPFの関係図

【第一三共ヘルスケアの該当製品】

  • ミノンUVマイルドミルク[医薬部外品]

    ミノンUVマイルドミルク

    敏感肌を守ってうるおすUVミルク。低刺激性で、お子さま*からご高齢の方までお使いいただけます。
    SPF50+、PA++++、ウォータープルーフ処方、紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル処方)
    *生後6カ月以上推奨

    よくあるご質問
  • トランシーノ薬用ホワイトニングUVプロテクター[医薬部外品]

    トランシーノ薬用ホワイトニングUVプロテクター

    美白UVベース。この1本で、美白、乳液、日焼け止め、化粧下地の4役となる多機能時短アイテムです。
    SPF50+、PA++++/ウォータープルーフ処方、紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル処方)
    美白:メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ

    よくあるご質問

日焼け止めは適量を、塗り残しなく

自分では日焼け止めを塗っているつもりでも、実はきちんと塗れていない人が多いのをご存じでしょうか。
意外に多いのが、日焼け止めを薄く塗ったり、ムラになってしまっているというケースです。そうした塗り方では日焼け止めの効果を十分に得られません。また、塗る量が少ない人も意外に多いのです。毎年、日焼け止めを使い切らずに余らせてしまう人は塗る量が少なすぎるかもしれません。あらためて塗り方を見直しましょう」(野村先生)

まず、顔に日焼け止めを塗る目安量ですが、通常、クリームの場合なら大人の人差し指の先から第1関節までの量、液状の場合は1円玉大の量が「手のひら2枚分」=「顔の面積」に必要になります。日焼け止めの容器に目安量が表示されている場合は、その量を守って塗りましょう。

日焼け止めを塗る量の目安

塗り方も大切です。手にとって顔を洗うようにつけていませんか?それでは多くが手のひらについてしまい、必要量が顔に残りません。
まずは額、鼻の上、両ほほ、あごに点々と置き、それをまんべんなく塗り伸ばしましょう。
マスク生活で日焼け止めをつけない生活を続けていたためにシミが濃くなった、という人が増えています。化粧をしない日もマスクをしているときも、顔全体に塗りましょう。
マスクの下にも紫外線は届きますし、マスク内は汗で蒸れやすいのでウォータープルーフタイプがおすすめです
」(野村先生)

日焼け止めの塗り方

首やうなじ、耳たぶや耳の後ろ側、手の甲なども忘れずに塗りましょう。日焼け止めは皮膚の上にあってはじめて効果を発揮するので、汗で流れたり衣類でこすってしまったときには塗り直します。
頭頂部に紫外線を浴び続けることで頭皮が日焼けし、シミができたり老人性イボ(脂漏性角化症)ができる場合があります。頭への紫外線は帽子で防御しましょう」(野村先生)

日焼け止めの塗り残しが多い場所

光線過敏症に注意を

湿布や塗り薬を塗った部分に日が当たるとかぶれたり、内服薬をのんだ後に光を浴びると発疹が出ることがあります。これは「光線過敏症」といわれるもので、春先から初夏にかけて症状が出ることが多いとされています。
例えば、「ケトプロフェン」という成分を含む湿布では、紫外線に当たると光線過敏症の症状を起こすことがあります。こうした湿布には「紫外線を浴びるとアレルギー反応を起こす場合がある」と表示されています。
また「はがした後も4週間ほどは太陽光を当てないようにする」など、注意書きが記載されているので、しっかり確認しましょう。

ちなみに、「ロキソプロフェン」という成分は光線過敏症が起こらないことがわかっています。

食品やサプリ、ビタミン剤などで内側から紫外線の影響を抑える方法も

紫外線による肌ダメージを抑えるには、栄養も大切です。「シミやくすみを防ぐにはビタミンC、血行を改善して皮膚の状態を良くするためにはビタミンEが有効です。いずれも抗酸化作用が高いので、紫外線による酸化ダメージから皮膚を守ってくれると考えられます」と野村先生。

また、トマトなどに含まれるリコピンには、紫外線による肌の赤みを軽減するといった報告があります。目の光を感じる細胞が集まっている黄斑部にはルテインやゼアキサンチンなどの色素成分が多く、酸化を抑えています。

緑黄色野菜のイラスト

市販薬の中には、紫外線によって色素細胞(メラノサイト)でメラニンが作り出されるのをブロックする働きがあるものも。
こうしたものを上手に活用して、太陽光を「浴びるメリット」を享受しながら、「浴びすぎによるデメリット」を避けたいものです。

【第一三共ヘルスケアの該当製品】

一方で、こちらで紹介したように、太陽光を浴びることで受けられる恩恵もあります。浴びる量とタイミングを選んで、上手に太陽光と付き合いましょう。

専門家プロフィール(あいうえお順)

坪田一男先生
慶應義塾大学名誉教授、坪田ラボ代表取締役CEO。医学博士(眼科学)。1980年、慶應義塾大学医学部卒業。日米の医師免許を取得、米ハーバード大学角膜クリニカルフェロー修了。角膜治療の世界的権威であると同時にアンチエイジング医学の研究と啓発に長年尽力。日本抗加齢医学会理事、日本眼科学会評議員、ドライアイ研究会世話人代表、近視研究会世話人代表など。
野村有子先生
野村皮膚科医院院長。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。水疱症や膠原病などの免疫疾患や皮膚腫瘍の病理組織などの研究に携わる。神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科を経て、1998年に開業。あらゆる皮膚疾患についての丁寧な説明と、治療からスキンケアまで多岐にわたるきめ細やかな指導に定評がある。
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