- 1尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
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「尋常」とは普通という意味で、乾癬患者全体ののおよそ70~80%を占める代表的な乾癬です。
症状は、皮膚が赤く盛り上がり、銀白色のフケのようなものがポロポロと落ちていくとい特徴があります。
頭皮や髪の生え際、肘や膝など外部からの刺激を受けやすい部位に発症しやすいです。
症状が出ていない皮膚に引っ掻くなどの刺激を与えると、その刺激をきっかけにそこに発疹が現れることがあります。
これをケブネル現象といい、衣服や眼鏡などの刺激でも起こることがあります。
- 2乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)
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関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)とも呼ばれる乾癬があります。
乾癬が原因で、手足や背骨などの関節部分に痛みや腫れ、こわばりなどの炎症が起こった状態を指します。
乾癬患者全体のおよそ10%が合併するといわれています。
乾癬性関節炎の症状は、大抵乾癬の皮膚症状が出ると同時もしくは後に現れます。
関節の症状は治療が遅れると重症化しやすく、関節が変形して戻らなくなることがあります。
日常生活にも支障をきたすので、早期発見と一刻も早い治療が重要とされています。
- 3滴状乾癬(てきじょうかんせん)
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滴状乾癬は、小さく丸い水滴のような発疹が全身に現れるのが特徴です。
発症は子供や若い人に多く、乾癬患者全体のおよそ4%を占めています。
扁桃腺炎などの風邪への感染や薬剤の影響がきっかけとなって発症することが多くみられます。
引き金となった感染症の治癒とともに症状は治まりますが、一部は再発を繰り返して尋常性乾癬に移行する場合もあります。
- 4乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)
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尋常性乾癬が全身に広がり、身体全体の90%以上の皮膚が赤みを帯びて細かい鱗屑が剥がれ落ちる状態を乾癬性紅皮症といいます。
皮膚炎や感染症、薬剤などをきっかけに発症し、発熱や悪寒、倦怠感などをともないます。
非常に稀な病気で、乾癬の治療が不十分だった場合や、科学的根拠のない治療を行った場合、または治療を行わなかった場合に発症することがあります。
- 5膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)
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発熱や皮膚の発赤に伴って、膿がみられる発疹が現れる状態を膿疱性乾癬といいます。
中でも急な発熱とともに全身に症状が現れる疾患を汎発性膿疱性乾癬(はんぱつせいのうほうせいかんせん)といい、厚生労働省の希少難治性疾患(指定難病)に指定されています。
重症疾患のため、ほとんどの患者は入院治療が必要です。
膿疱はすぐに潰れて一部はびらんになります。