喘息(ぜんそく)の原因

どうして症状が起こるの?

喘息(ぜんそく)は、呼吸をするときの空気の通り道(気道)が、アレルギーなど炎症によって敏感になり、けいれんを起こして狭くなることで起こります。

喘息(ぜんそく)は気管支が敏感になり狭くなる発作

「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)や、激しい咳が出る、呼吸が苦しくなるといった症状が、喘息(ぜんそく)の発作です。喘息(ぜんそく)の人の気管支をはじめとする気道の粘膜には、好酸球(白血球の一種)やリンパ球を中心とした細胞が集まり、発作がおさまっているときでも炎症が起こっています。そのため、ちょっとした刺激で気管支を取り囲む筋肉が収縮し、空気の通り道が狭くなる「気道閉塞」が起こりやすい状態が続いています。

喘息(ぜんそく)の人の気管支

喘息(ぜんそく)の症状

  • のどが「ゼーゼー、ヒューヒュー」いう喘鳴
  • 呼吸困難
  • 発作性の激しい咳、痰
  • 急に動けなくなる
  • 胸の痛み
  • 動悸、息切れ
  • 背中の張り
  • 空咳

喘息(ぜんそく)の重症度

喘息(ぜんそく)は、その症状の頻度や強さ、呼吸機能の検査値によって、「軽症間欠型」、「軽症持続型」、「中等症持続型」、「重症持続型」の4つの重症度に分類されます。重症度によって、治療に用いる薬の種類や量などが異なります。

未治療の喘息(ぜんそく)の重症度分類
重症度 軽症間欠型 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型
喘息症状の特徴 頻度 週1回未満 週1回以上だが毎日ではない 毎日 毎日
強度 症状は軽度で短い 月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる 週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる 日常生活に制限
しばしば増悪 しばしば増悪
夜間症状 月に2回未満 月に2回以上 週1回以上 しばしば
PEF
FEV1
%FEV1
%PEF
80%以上 80%以上 60%以上80%未満 60%未満
変動 20%未満 20~30% 30%を超える 30%を超える

(出典:喘息予防・管理ガイドライン2024)

PEF
力いっぱい息をはき出したときの息の速さのことです。気道が狭くなっていると数値が低くなります。
%PEF
PEFの基準値に対する測定値の割合です。基準値には、性別、年齢、身長から割り出したPEF予測値、または自己最良値を用います。
FEV1
深く息を吸い込みできるだけ速く吐き出したときの最初の1秒間に吐き出した息の量のことです。気道が狭くなっていると数値が低くなります。
%FEV1
性別、年齢、身長から求めたFEV1予測値に対する測定値の割合です。

喘息(ぜんそく)の原因

日本では、子どもの5~7%、大人の3~5%が喘息(ぜんそく)にかかっているといわれています。
子どもの喘息(ぜんそく)は男子に比較的多く、アレルギーが原因であることがほとんどとされています。小学校高学年ぐらいから発作がなくなる時期がありますが、20~30歳代に再発することもあります。
大人の喘息(ぜんそく)の6~8割が大人になって初めて発症した人たちで、男女比も変わりません。子どもの喘息(ぜんそく)に比べ、原因が明確に特定できない場合が多いとされています。

おもな喘息(ぜんそく)の原因

アレルゲンとなるもの アレルゲン以外の誘因
  • ダニ
  • ハウスダスト
  • ペット
  • 花粉
  • 食物
  • 運動
  • たばこ
  • 過労・ストレス
  • 風邪などの感染症
  • 大気汚染
  • 天候・気温の変化
  • 香水などの匂い

喘息(ぜんそく)に移行しやすい咳喘息

風邪などの感染症が治っても、咳が長期間(発症後8週間以上)続く場合は咳喘息のおそれがあります。
咳喘息は、発作的な激しい咳が夜中から明け方に出る、気道が刺激に過敏になっていて、アレルゲンが咳の誘因になる、季節によって悪化する、などの点は喘息(ぜんそく)とよく似ていますが、

  • 「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴や呼吸困難を伴わない
  • 痰はあまりからまない

といった違いがあります。
1~2ヶ月の薬物治療で治ることが多いとされていますが、大人の約3~4割(子どもではさらに高率)が喘鳴を伴う典型的な喘息(ぜんそく)に移行するという報告があります。

咳が続く期間と考えられる病気

喘息(ぜんそく)に症状が似た病気・移行しやすい病気

風邪、インフルエンザ、百日咳、マイコプラズマなど、感染症によっても発作性の咳が出ます。感染症による炎症がきっかけとなり、喘息(ぜんそく)を発症することもあります。
また、長く続く症状が結核やがんであることもあります。
風邪などはセルフケアによって短期間で治ることも多いのですが、感染力が強い、重症化しやすいなど、抗菌薬による治療が必要となる感染症もあり、症状が激しい場合や長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

咳や痰が続くおもな病気 百日咳 最近成人に増えている。2週間以上の発作性の激しい咳
マイコプラズマ 高熱が出る。もともと喘息(ぜんそく)があると悪化させる
結核 微熱がある。胸部X線で鑑別
急性気管支炎 風邪やインフルエンザをこじらせて発症
副鼻腔気管支症候群(SBS) 慢性副鼻腔炎、慢性気管支炎、気管支拡張症が合併
アトピー性咳嗽 のどのかゆみ、空咳など。アレルゲンがある
胃食道逆流症(GERD) 痰はない。胸やけがある。胃の治療で改善
後鼻漏 鼻水が気管に落ちる。慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎が原因とされる
心因性咳嗽 小児に多い
肺がん 血痰、胸や背中の痛み
呼吸困難を伴うおもな病気 肺水腫 心機能が低下して起こる、喘息(ぜんそく)によく似た症状
COPD 喫煙がおもな原因。咳、痰、息切れがある
過喚気症候群 ストレスなどによって起こる過呼吸
喘息(ぜんそく)と合併しやすい病気 花粉症などアレルギー性鼻炎 花粉などアレルゲンの増加する時期は喘息(ぜんそく)も悪化する

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