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ひふ研

キズとは?

キズ

キズとは、体の外側から加わる力によって、体表面を損傷した状態のことです。

転ぶ、鋭利なもので切る・刺す、動物に噛まれる、靴ずれなど、さまざまな原因で起こります。

皮膚の連続性が失われ、出血や痛みといった症状が現れます。

患部をきれいに洗浄し、ガーゼなどで保護します。症状がひどい場合などは医療機関を受診します。

原因は?

キズにはさまざまな種類がありますが、日常で経験するキズには次のようなものがあります。

擦り傷(擦過傷):転ぶなどして皮膚をすりむいてできる皮膚のごく浅い部分のキズです。傷跡を残さず治ることの多いキズです。

切り傷(切傷):包丁やカッターなど鋭利なもので皮膚が切れることでできます。深いキズでは出血が多くなります。

咬み傷(咬傷):犬やヘビなど、動物に噛まれてできるキズです。

刺し傷(刺創):針や釘などで刺してしまったときにできるキズです。

靴ずれ:サイズの合わない靴や履き慣れない靴を履いたときなどに、足にできるキズです。

どんな症状?

出血ヒリヒリじんじんした痛みなどの症状が現れます。キズが乾燥するとかさぶたができます。

靴ずれでは、靴が当たる部分に水ぶくれ(水疱)ができることもあります。

傷口から細菌の感染が起こると、化膿してジュクジュクしたり、痛み腫れがひどくなることがあります。

対処・予防法は?

キズができたときに一番大切なことは、傷口を清潔にすることです。慌てずに応急手当を行いましょう。
(1)流水(水道水)で、キズや周りの汚れをよく洗い流し、清潔なガーゼなどで水気を拭き取ります。
(2)出血がある場合は、傷口を真上からしばらく圧迫して止血します。
(3)血が止まったら、ガーゼなどで傷口を保護します。
※化膿したキズや、感染のおそれがあるときには、消毒薬を使用したほうがよい場合もあります。

次のような場合には、迷わず医療機関(皮膚科や形成外科)を受診しましょう。
・洗っても傷口に砂や木片、ガラスの破片などの異物が残っている。
・ガラスなどの異物が深く刺さっている(無理に抜かずにそのまま受診)。
・出血が多く、止血できない。
咬み傷(動物や人に噛まれたキズ)。
発熱を伴ったり、腫れや患部の痛みが強い。
・傷口より先の部位にしびれや動かしにくさを感じる。
・キズが深い・大きい。
・その他、異変を感じたり、心配があるとき。

キズができたとき、水にぬらさないようにする方もいますが、キズを早く治すためにも、むしろ流水でよく洗ってキズやその周囲を清潔に保つことが大切です。

日常でできるようなキズの場合では、基本的に入浴も差し支えありません。

コラムキズの「湿潤療法」について

近年、キズややけどの治療で、消毒薬などの薬を使わずに、洗浄後に患部をフィルム材などで覆って、傷口から出る体液(滲出液)の力で治していく「湿潤療法(しつじゅんりょうほう)」という考え方が広く知られるようになりました。

湿潤療法

一般の家庭でも、専用のばんそうこうなどを使ってセルフケアが行われるようになっていますが、ばんそうこうで覆う前のキズの洗浄が十分でなかったり、赤みや腫れの強いキズなどでは、必ずしも湿潤療法が最適でない場合があります。

「キズ」と一口に言っても、適切な処置はさまざま。消毒薬や軟膏による処置が必要なキズもあります。迷うときは自己判断で済ませず、皮膚科や形成外科などの医師に相談のうえ、最適な方法で治していきましょう。

安部正敏

監修・写真提供:安部正敏 先生

医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック 院長/褥瘡・創傷治癒研究所
皮膚科診療のエキスパート。 著書に『たった20のトピックスで学べる! 創傷・スキンケアの新常識』(学研メディカル秀潤社)、『ジェネラリストのための これだけは押さえておきたい皮膚疾患』(医学書院)ほか多数。自らの趣味を活かした鉄道と皮膚のエッセイ「憧鉄雑感」(雑誌『皮膚科の臨床』(金原出版)にて連載)も人気。

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