女性と歯周病の関係について

思春期の女性ホルモンの変化や、
妊娠・出産、更年期。
女性ならではの歯周病原因があるって、
知っていましたか?

歯周病に大きくかかわる
ライフステージ3段階

女性の歯の危機は3度来る!
女性ホルモンと歯周病の深い関係

実は女性のほうが歯周病に悩む機会が多いということをご存じでしょうか。最近の研究で、歯周病の悪化には、女性ホルモンの関与が大きいことがわかっています。女性ホルモンには、ある特定の歯周病菌の増殖を促したり、歯周組織の炎症を悪化させたりする作用があるのです。

女性ホルモンの分泌はライフステージによって変化します。女性の場合、単に加齢によるものだけでなく、ホルモンバランスが大きく変化するために歯周病になりやすい時期がいくつか訪れます。それは、思春期と妊娠・出産、そして更年期の大きく3つ。また、ふだんの月経周期でもホルモンバランスは変化するため、生理前に歯ぐきが腫れたりする人もいます。

こういった女性特有の歯周病のリスクを理解して、適切なケアをすることが大切です。

妊娠中の歯周病は早産リスクを高める可能性

歯周病がさまざまな全身疾患に関与することが多くの研究で指摘されています。妊娠中の女性が歯周病に罹っていると、低体重児および早産の危険度が高くなるとされます。その危険率は実に7.5倍!タバコやアルコールなどよりもはるかに高い数字といわれています。生まれてくる赤ちゃんのためにも、しっかり歯周病予防を行いましょう。

今の自分には関係ない?
いえいえ、歯周病を呼ぶ10の
生活習慣にご注意を!!

歯周病には、上記の通り、女性特有の気をつけるべきライフステージがありますが、それ以外にも、生活習慣が発生要因となるものが以下の通り。歯科医の宝田恭子先生の臨床経験から導き出した「歯周病を呼ぶ10の生活習慣」。あなたはいくつ当てはまるでしょうか?

唾液の中には細菌の感染から身体を守る様々な物質が入っています。
噛むという行為は唾液の分泌を促す、歯周病の予防・改善に大切なアクションなのです。
また、唾液分泌の促進は活性酸素の抑制や、噛むことで口周りの筋肉を使う結果、ほうれい線や二重あご・たるみの対策になるなど、老化防止にもつながります。

野菜を食べていますか?
野菜を食べることで咀嚼の回数を増やすことはもちろんですが、バランスのとれた食事を適度な量とることは全身の抵抗力を高めるので、口腔内の細菌のバランスが保たれ、免疫力もアップします。
歯周病を東洋医学の視点で考えると、「おけつ」の状態、つまり血液がドロドロしていて、流れが滞っている状態です。
野菜や海草などを食べて血液をサラサラの状態に戻すことが大切です。

お菓子の袋を一度開けると、全部食べてしまったりしていませんか?
映画館に行くとLサイズのポップコーンとコーラを買っていませんか?
砂糖入りコーヒーを大きなカップでチョコチョコと長時間飲み続けていませんか?
口腔内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、悪玉菌が増殖し、歯周病や虫歯の原因になります。バランスを崩す最大の原因は口の中の不衛生です。1日中時間を決めずダラダラと食べていれば、食べカスの汚れがきちんととれていない状態が続くことが予想されます。
汚れが付いたままの歯の表面では、2日後には50%近くが歯石化し、1週間後には80%近くが歯石化しようとします。
こうなると歯肉に炎症を起こし、歯周病の第一歩である歯肉炎が始まります。

やわらかい食べ物では咀嚼の回数は当然減ることになります。
咀嚼をすれば、食べ物がよくこすれて歯磨きをしたのと同じような効果も出てきます。
そして、口の中が唾液でよくうるおい、洗い流す効果も期待できます。
また、咀嚼筋を使って、しっかり飲み込むことを習慣づけると、左右の筋肉のバランスがとれ、顔の表情がシンメトリーにもなります。

炭酸飲料やお酢ドリンクを毎日飲み続けると、口腔内が酸性になり、歯のエナメル質が溶けだしてしまい、虫歯や歯周病の原因菌が棲みつきやすくなります。
また、酸性の飲料を飲んだ直後は、歯のエナメル質表面がやわらかくなっている可能性が高いので、直後のブラッシングは避けましょう。
また、お水でうがいをするなどして口腔内を中性にするように努めましょう。

お酒をのんだ後はそのまま寝てしまったりしていませんか?
深夜の飲食が習慣になっていませんか?
睡眠中は昼間に比べて口腔内を清潔にしてくれる唾液が減少するため、菌が繁殖しやすくなっています。
夜は早めに歯磨きをすませ、それ以降は飲食物を口に入れないように心がけましょう。

スマホや携帯に夢中になっている時って口が半開きになっていませんか?
そんな口呼吸の習慣がある人は口の中が乾燥しやすく口腔内細菌が繁殖しやすい状態になっており、歯周病の発症・進行につながります。
また、前屈みになりやすいスマホ前傾姿勢は、ほうれい線やあごのたるみを加速させるので注意して!

歯周病の原因菌が口腔内に繁殖すると、身体の防御反応として歯肉炎が起こりますが、このとき細菌と戦ってくれているのが血液の白血球中の成分です。
睡眠不足は白血球の減少を招き、抵抗力を低下させるので、歯周病の発症や悪化の一因となります。
質の良い睡眠を取るようにしましょう。

タバコに含まれるニコチンが歯に歯垢(プラーク)を付着させやすくさせると共に、歯ぐきの血液循環を悪化させて免疫機能を低下させます。
タバコは歯周病を進行させる最大の危険因子であり、統計調査では、ヘビースモーカーの人はタバコを吸わない人に比べて重度の歯周病になるリスクが5倍以上であることが明らかにされています。
出来る限り禁煙したいものです。

猫背の姿勢は55歳で形状記憶されると言われていますが、皆さんはどうですか?
実は猫背は噛み合わせへも影響を及ぼします。猫背だと歯が正しい噛み合わせの位置にならないのです。
そのため、食べ物をすり潰しづらくなり、丸飲みしがちになります。
結果、柔らかい食べ物を好んで摂取するようになり、唾液も出にくくなって、口腔内の細菌が増えてしまいます。
また、顎関節に負担がかかり、顎が疲れやすくなったり、頭痛や肩こりにもつながります。
歩幅が小さい人も前屈みになりやすく、猫背になってしまいます。
普段歩くとき歩幅を大きく、歩数を決めて歩くと猫背解消につながりますよ!

チェック数0

あなたは
「キラキラ歯ぐき」

あと20年は自分の歯で大丈夫!口腔ケアを怠らなければ、いつまでも若々しい歯ぐきを保てます。

チェック数1

「キラキラ歯ぐき」
まであと一歩!

もう少し、お口のケアに気を遣ってみましょう。ケアを習慣化することで、このままの状態を保てます。

チェック数2以上

油断するとまっしぐら!
「スカスカ歯ぐき」

どこか悪いところはありませんか?お口の他に身体にも影響が出ているかもしれません。一度歯医者さんでチェックを受けてみて!

監修:
宝田歯科医院院長

宝田恭子 先生

生活の乱れは、そのまま口内環境に表れます

口腔ケアへの意識が高い人は、実年齢が何歳であっても、若い頃のきれいなままの歯ぐきの状態をキープしています。お口のケアはお肌ほどの手間暇は必要ありません!口元は顔全体の印象を左右しますので、ケアをしていれば、いつまでも若々しさを保つことができます。いくつになっても素敵な笑顔のままでいられるなんて、お口はケアのし甲斐のあるパーツだと思いませんか?口腔の健康には、ブラッシングなどお手入れの他に、食事や睡眠など生活習慣がとても重要です。きちんとした食生活をしている人はpH値など唾液の質もとても良いことが明らかになっています。