ロキソプロフェンナトリウム水和物
1986年に「ロキソニン錠」および「ロキソニン細粒」として発売
消化器系への負担が少ない薬を目指して開発した「ロキソニン」
「ロキソニン」、一般名「ロキソプロフェンナトリウム水和物」は、三共が開発した非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)です。それまで多くのNSAIDsが発売されていましたが、従来のものは、作用が強いほど副作用、特に消化器系への障害が強いという傾向が見られていました。
そこで三共では、その課題を克服することを目指し、数多くの化合物を合成して選別を行い、「ロキソプロフェンナトリウム水和物」を見出しました。この成分は経口吸収性がきわめてよく、優れた即効性を発揮し、鎮痛作用が強力でした。
また、体内で活性代謝物に変換して作用する“プロドラッグ”であることから、比較的消化管障害作用が少ないということが分かりました。1980年から臨床試験によって有効性・安全性を確認し、1986年に「ロキソニン錠・細粒」として発売しました。
「ロキソニン」のスイッチOTC化※の挑戦
「ロキソニン」のスイッチOTC化に向けて、2008年から本格的なプロジェクトがスタートしました。これは、頭痛・生理痛に悩む生活者に向けて新たな選択肢を提供することを目指してのことでした。
しかし、1986年の発売以来、長年にわたり医療の現場で有効性と安全性を鑑みながら、医師の判断のもと処方されてきたため、生活者自身の判断で購入し使用できるようになることに、懸念の声が上がりました。そうしたなかで、ロキソプロフェンナトリウム水和物の有効性、安全性の説明を繰り返し行い、適正使用を推進するための体制を強化することで、スイッチOTC化に向けて前進していきました。
その結果、2009年の薬事法改正後、初めてとなる第1類医薬品のスイッチOTC医薬品として、2011年に「ロキソニンS」が発売されました。さらに2016年にはロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した外用薬「ロキソニンS外用薬シリーズ」、2024年には同成分を配合したかぜ薬「ロキソニン総合かぜ薬」が発売するなど、幅広い応用がされています。
※ 医師の診断・処方せんに基づき使用されていた医療用医薬品を、薬局・薬店などで購入できるOTC医薬品に転用(スイッチ)すること