産業医が説く、働く男のセルフケア講座 働く男の気になる症状や対処法について、産業医が解説します。

Vol.2湿気も増え、虫も増えだすこの季節。肌が赤くなったり、かゆみが出たりする肌トラブル、そのままにしていませんか?塗り薬を早めに使ってみることで、快適に過ごしましょう。

皮膚のかゆみや赤みなどに悩まされることが多い季節になってきました。暖かく、湿度の高い季節になると、皮膚炎や皮膚感染症などのトラブルも増加します。

肌トラブル(かゆみ)について

湿気も増え、虫も増えだすこの季節。虫刺されや、かぶれなどの肌トラブルも起こりやすくなる季節です。
ちょっとしたトラブルであれば・・・と我慢してしまったり、虫刺されなんて放っておいても治るでしょ?なんてお考えの方、もっと快適に過ごせるかもしれません。

かゆみの種類と対処法について

よくご相談を受ける一般的な皮膚の症状には、「赤い」、「ブツブツができた」、「蚊に刺されたよう」、「ミミズ腫れ」、「しこり」、「水ぶくれ」、「むくみ」などがあります。
最近では薬局・ドラッグストアで購入できる薬のバリエーションも増えていますので、皮膚の軽い赤み、かゆみであれば、市販薬を使用して、症状がひどくなる前に対処ができます。

医学的には「中毒疹」、「蕁麻疹」、「接触性皮膚炎」などのおそれがありますが、軽症の初期対応であれば、市販薬も有効です。薬の選択が適切であれば、3〜4日で治療効果が見えてきます。ボリボリ体を掻いている様子は清潔感もありませんし、セルフケアのできない人は仕事も・・・?と疑われてしまってはいけません。早めの対処がおすすめです。

もしも、ご自身で市販薬を使用してみても症状が改善しないときや「赤み」や「かゆみ」だけではなく、大小の「水ぶくれ」や、「痛み」を伴う発疹の場合は、重症の中毒疹や、感染症のおそれもあります。専門家の目による判断で治療が変わるので早めに医療機関に相談しましょう。

皮膚薬の成分について

皮膚の状態によって対処法は変わりますが、症状の重さによってはステロイド成分や抗ヒスタミン成分などの消炎剤の外用薬(塗布)が有効なことが多いです。ステロイドと聞くと、効果は強いけど副作用とかあるんじゃないの・・・?と敬遠する方もいらっしゃるかもしれませんが、医療機関ではこれからの季節に多い、虫刺され、汗によるかぶれや湿疹、日焼けなどもステロイド成分の外用薬を用いて治療することがほとんどです。顔に発疹がある場合は、手足よりも弱めのステロイド成分を用います。程度にもよりますが、通常3〜4日で効果が見えてくることが多いです。しかし、いくら弱いステロイド成分であっても、長期間だらだらと使用していると、副作用がでてきます。1週間経っても自己対応の効果が分かりづらい場合は、長期の連用は避けて、医師に相談してください。感染のある発疹に安易にステロイド成分を使用してしまうと、悪化してしまうおそれもありますし、飲み薬が必要なこともありますので強い症状の場合は早めに医師に相談しましょう。

市販薬でよく使われる
ステロイド成分の使い分け

患部が炎症を起こしている場合

  • ストロングステロイド(強い) 対象症状 がまんできないかゆみ・かゆくて眠れない 症状の持続性 症状がずっと治まらない ステロイド剤の成分 ベタメタゾン吉草酸エステル・フルオシノロンアセトニド
  • ミディアムステロイド(普通) 対象症状 つらいかゆみ・人前でもかいてしまう・かゆくて目が覚める 症状の持続性 症状が続いている ステロイド剤の成分 プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル・酪酸ヒドロコルチゾン
  • ウィークステロイド(弱い) 対象症状 ときどきかゆくなる・眠れないほどではない 症状の持続性 一時的な症状 ステロイド剤の成分 ヒドロコルチゾン酢酸エステル・プレドニゾロン

今回のカルテ

症状:皮膚トラブル 梅雨から暑い季節にかけては肌トラブルが増えやすい かゆみや発疹には種類があり、治療法も違う ステロイド成分も正しく使うことで、皮膚トラブルを避けられる 一般の方では見分けがつかないことも多いので、早めに医師に相談することも大切

産業医 石井 りな

PROFILE

産業医石井 りな
千葉大学医学部卒。総合病院・精神科病院・メンタルクリニックでの診療経験、リワーク機関での復職支援経験と、企業での産業医活動を経て、フェミナス産業医事務所を設立。2016年には九段下駅前ココクリニック立ち上げに参画。医学的な側面だけでなく、社員一人ひとりの仕事状況に合わせたアドバイスや指導を行っている。
  • 更新日 2017.05.15