産業医が説く、働く男のセルフケア講座 働く男の気になる症状や対処法について、産業医が解説します。

Vol.1その頭痛、放っておかないで。 早めの対応で、パフォーマンスやコンディションを維持しましょう。

少しぐらいの頭痛でも「これくらいのことで」と頑張ってしまう働く皆さんですが、頭痛で能率を落としていては良い仕事はできませんね。頭痛の対応について一緒にみてみましょう。

危険な頭痛について

まずは、危険な頭痛を見逃してはいけません。主に危険な頭痛のサインは3つ、「どんどん悪くなる(増悪する)頭痛」「突然発症する、突発的な頭痛」「これまでで最悪の頭痛」があります。このようなサインを感じたら、自己治療に頼らず、すぐに医療機関を受診してください。「くも膜下出血」をはじめとした頭の血管に起因する頭痛や、脳腫瘍、感染症に原因がある頭痛は命に関わる危険な頭痛と言えます。決して我慢して自己対応してはいけません。医療機関に相談しましょう。

働く男にとっての頭痛

とはいっても、多くの場合皆さんを悩ませるのは、もっと「普通の」頭痛だと思います。実は頭痛にはとても細かな国際分類があって、それだけで240ページくらいの本になっています(笑)。その中で明らかに別の原因があるわけではないのに起こる頭痛には主に3種類があります。

  • 片頭痛
    頭の片側に起こることが多く、両側のことも。ズキンズキンもしくはガンガンと脈打つような痛みがしばらく続く頭痛です。
  • 緊張型頭痛
    (TTH)
    頭全体が締め付けられるような、鈍い痛みがしばらく続く頭痛です。ときどき頭痛がするタイプと、毎日のように頭痛が続くタイプがあります。
  • 三叉神経・自律神経性頭痛
    (TACs)
    目の奥や側頭部に強い痛みが、発作的に出る頭痛です。頭痛のする側の目が充血したり、涙が流れたりと、副交感神経の刺激症状を伴うのが特徴です。

上記3つのうち、働かれている方の中では片頭痛や緊張型頭痛をお持ちの方が、診察をしていても多くいらっしゃる印象を受けています。

頭痛への対処

一部の頭痛を除いては、市販の頭痛薬でもまずは効果が期待できます。症状がひどくなる前に、早めの対応をしておくことで、症状の悪化を防ぐことができます。特に軽症の例では市販薬の活用により、早めに対応することで、仕事や日常生活を妨げることなく過ごすことができます。信頼できて、即効性のあるものが良いですね。それでも、軽症で収まらないような頭痛はやはり医療機関への受診が必要です。また、いくら市販薬とは言っても月に10回以上というような形で薬を使う頻度の高い方には、薬物乱用頭痛といって、頭痛薬自体が頭痛の原因になってしまうという厄介な頭痛のリスクも出てきます。こう言った場合も医師に相談して、市販薬の使用方法も含めて指導を受けると良いでしょう。

今回のカルテ

症状:頭痛 軽症ながらも頭痛を持ち続けて働くことは、能率を下げてしまうことがある。頭痛には早めの対応で、早く楽になるのが近道。症状によって市販薬を使うことも有効。少しでも「変だな」と感じたら、すぐに医師に相談しましょう。

産業医 石井 りな

PROFILE

産業医石井 りな
千葉大学医学部卒。総合病院・精神科病院・メンタルクリニックでの診療経験、リワーク機関での復職支援経験と、企業での産業医活動を経て、フェミナス産業医事務所を設立。2016年には九段下駅前ココクリニック立ち上げに参画。医学的な側面だけでなく、社員一人ひとりの仕事状況に合わせたアドバイスや指導を行っている。
  • 更新日 2017.04.03