賢者の仕事、賢者の健康 賢者の仕事、賢者の健康

Vol.1我慢しない。負けたくない。それが僕の健康の秘訣かな?
スタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサー インタビュー(前編)

「どうやって上手に風邪ひくか?」を考えました

− 風邪をひかないのは良くない? どういうことですか。

鈴木ようするに、人間のからだというものはたまには病気をしないといけないようにできているはずだから、風邪もやっぱりひかなきゃいけないと。で、「どうやって風邪をひくか?」を考えたんです(笑)。

ところが宮崎駿という人は、12月31日まで働くわけですよ。元旦は休みで2日からまた仕事。ジブリを始めた最初の頃は特にそうだったんですけど、土曜も日曜も働くんです。ということは、僕も毎日彼と会うわけでしょう? そこで風邪をひく姿は見せられない。つまり、僕が風邪をひいていいのは、大晦日の夜から1日なんですよ。考えましたよね、「その1日で風邪ひいてどうやって治すか?」って(笑)。若い頃はそういうこともできたわけですよ。

そういうことが僕、得意だったんです。仕事が終わって31日、家帰ってくるでしょ。その瞬間から自分を風邪をひく状態に置くんです。で、見事に風邪がひけるんですよ。ようするに寒い状態にして、ちょっとでもブルッとくれば風邪ひくじゃないですか。そのときに何かを着て防御するんじゃなくそのままでいる。するとね、すぐに鼻水が出てくるんですよ。

それをやると、その日の夜から1日にかけて、すごい風邪になる。やってるうちにだんだんわかってきたんです、そのコツが。でも、2日には会うんだから、1日中に治さなきゃいけない。これをどうやってやるか? というのも、まあ、色々やった結果わかったんですけど、僕の場合とにかく風呂に入るんですよ。風呂入ってどんどん沸かすんです。1時間くらい沸かしてるとホントに熱くなるんだけど、我慢して闘うでしょ? それから出てくると、だいたい治ってる。そういう状態を自分で作り出したんです。

からだがスッキリするんですよね、風邪が抜けると。でも、それができたのは50までですかね? やっぱり若いときみたいにからだのコントロールが効かない。そういうこともあって、「日曜日は休もうか」ってことになってきたんですよ。それで次に僕が考えたのは、“小さな風邪”をひく。そして宮崎駿に気取られないうちにそれを治す。そういうことをやっていたほうが、「自分のからだにとっていいんじゃないか?」と思ってたんです。