賢者の仕事、賢者の健康

Vol.23インスタのミニチュア写真が"職業"になるまで
田中達也氏 インタビュー(前編)

今回の賢者

PROFILE
ミニチュアライフ代表田中達也

1981年熊本生まれ。ミニチュア写真家・見立て作家。ミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立て、独自の視点で切り取った写真「MINIATURE CALENDAR」がインターネット上で人気を呼び、雑誌やテレビなどのメディアでも広く話題に。広告ビジュアル、映像、装画など手がけた作品は多数。

各界の一線で活躍するキーパーソンが、「仕事と健康」について語るインタビュー連載「賢者の仕事、賢者の健康」。今回のゲストはミニチュアライフ代表の田中達也さん(アートディレクター・写真家)。インスタグラムに趣味的に投稿していたミニチュア写真が好評を博し、いまではそれが"仕事"になっている田中さんが考える「SNS時代の働き方」とは?
(聞き手:河尻亨一)

手元のミニチュアをたまたま"撮影モデル"にしてみたところ

− 面白いですね、「ミニチュアカレンダー」。食べ物や日用品など、様々なモノの周りに小さな模型の人物や動物を配して、不思議な見立ての世界を描く写真シリーズです。毎日新作を出してらっしゃるとか?

田中(達也氏 ※以下、田中)そうです。インスタグラムで始めて、毎日続けているうちに「なんとなく、日めくりカレンダーみたいだね」という話になって。サイトを作ったり「ミニチュアカレンダー」というネーミングにしたのは途中からですけどね。

− みんな聞くと思いますけど、毎日やるってすごいですね。結構、時間とかかかるんじゃないですか?

田中大変ですね。出張が長い時は、そのぶん撮りだめしないといけなかったり。セッティングから投稿まで1枚につき2時間ぐらいかかります。アイデアは常日頃考えるものなので、その部分は時間にカウントしてないですけど。

− そうやって手間がかかることを毎日やろうというのは、最初に決めたわけですか。

田中いや、最初は一時期やろうというくらいの感じだったんです。ただ、続けていくうちにもったいないと思い出して。結果フォロワー数が増えて、企業からのオファーを受けて仕事してますから、責任を負う意味でもやめられないですね。

− そもそもどういうきっかけで始めたんでしょう?

田中きっかけはインスタグラムなんですけど、インスタグラムで写真を撮る時に、モデルというか被写体がほしくなってきたんです。風景の中にモデルを立たせることで、写真の質がよくなることがありますから。

2010年に始めたんですが、当時インスタグラムですごく人気が伸びた人がいて、その人がモデルを使っていたということもありました。ただ当時、僕はデザイン会社に勤めていたので、モデルを撮影する時間がないですから、もうちょっと手軽にできないかな?と思った時、たまたま手元にあったミニチュアの人形を使ってみたんです。プラモデルが趣味だったんですけど。

− たまたまなんですね。「こういう作品にしよう!」といった狙いみたいなものは?

田中特にないんです(笑)。「見立て」にしようと思ったのも、撮っているうちに何かに見立てたらミニチュアの写真として面白くなりそうだな、ということで取り入れ始めたというか。

プラモデル自体、軽い趣味で。作ることも好きなんですけど、むしろたくさん集めるのが好きだったんですよね。僕の場合だと、ガンダムの140分の1スケールのプラモデルをひたすら集めていて、それを土日の気晴らしに作るくらいで。