賢者の仕事、賢者の健康

Vol.9サラダは毎日作るようにしています
谷原章介氏 インタビュー(後編)

今回の賢者

PROFILE
俳優、司会者谷原章介

1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『メンズノンノ』の専属モデルを経て、1995年、映画『花より男子』(道明寺司役)で俳優デビュー。ドラマや映画などで様々な役を演じている。また、CM・バラエティー番組などにも多数出演し、上品な物腰のキャラクターを生かし情報番組や音楽番組の司会者としても活躍中。
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各界の一線で活躍するキーパーソンが、「仕事と健康」について語るインタビュー連載「賢者の仕事、賢者の健康」。今回のゲストは俳優の谷原章介さんです。8月に新発売された「ロキソニンS外用薬シリーズ(第一三共ヘルスケア)」のイメージキャラクターも務める谷原さん。年齢・性別問わず幅広い層から支持される俳優が考える「仕事と健康」とは? CM撮影後の”楽屋トーク”後編です。
(聞き手:河尻亨一)

僕、器用貧乏だと思います(笑)

− 深くていいお話になってきましたので、谷原さんの仕事に関するエピソードや向き合い方について、もう少しおうかがいしていいでしょうか。俳優を10年続けることで気づいたことがあるというお話でしたが(前編)、そもそも俳優になろうと思われたきっかけは?

谷原(章介氏 ※以下、谷原)もともとモデルをやっていたんですけど、男性モデルというのは女性モデルに比べて圧倒的に仕事の分量が少ないんですね。量の比較で言うと、刺身のツマと言いますか、洋食のパセリみたいな存在というか(笑)。で、このまま30代、40代と歳を取っていく中で、「自分は生き残れるだろうか?」と思いました。それがきっかけで。

僕、器用貧乏だと思うんです(笑)。これまでご縁のあったものと言いますか、出会ってやってみて、なんか楽しそうだなと思ったら続ければいいな考えるタイプで、芝居の世界に入る時もそういう感覚があったのかもしれないですね。司会やバラエティも、もともとは興味がなかったんですけど、やる前から「やりたくない」って切って捨ててしまうのはもったいないと。そういう自分を自覚し始めたのも、芝居をやるようになって10年くらいたってからなんですが。

− いろんな状況に対してフレキシブルに自分を合わせていけるということでしょうか?

谷原むしろ職人的な意識が強いんだと思います。僕自身はアーティストではなく、コンダクターとしての監督が振るタクトに合わせて、役割を演じる仕事ですから、自分がその世界を担っているわけではないんですよ。むしろ人が求めるものに応えることが好きで。

− 俳優さんによっても色んなタイプの方がいらっしゃるんでしょうね。

谷原憑依体質というのか、作品の世界観にぐぐぐぐっと入って行って、「うわー、もうこっち帰ってこないよ!」というタイプの方もいますから。でも、僕の場合、客観的な自分がいつも意識されていて、知らず知らずのうちにどこかでブレーキを踏んでいたりするんです。

− そこに谷原さんの研ぎ澄まされたバランス感覚のようなものを感じるんですが、それは意識して身につけられるものなんでしょうか。

谷原うーん、どうなんでしょうね? 先程の話とかぶってきますが、やっぱり続けることが大事な気はします。4年弱、15クールずっとドラマに出続けたことがあるんですけど、その体験を経て初めてわかったこともありますから。もしこれが、芝居を始めて3年くらいで「もうわかった」とか「そんな作品出てられないよ」なんて言ってたら、自分なりに「つかめたな」という実感まで持てなかったんじゃないかと。

当たり前の話ですけど、仕事ってやっぱり修行が大事ですよね。例えば一流のシェフの方々って、若い頃からかなりの修行を積んでこられたんだと思うんです。職種にもよりますけど、「定時になったので帰ります」といった仕事への向き合い方では、先人たちがいろんな修行を経て上り詰めた高みにはいけないんじゃないか? と。