賢者の仕事、賢者の健康

Vol.5みんなもっと本気で仕事を面白がったほうがいい
椎名誠氏 インタビュー(後編)

今回の賢者

PROFILE
作家椎名誠

1944年、東京生まれ。流通業界誌編集長を経て作家となる。93年に『さらば国分寺書店のオババ』でエッセイストとしてデビュー。その後各種小説、SF作品、シベリアやチベット、アマゾン、北極など旅行記、写真集と各方面の著書を多数発表。95年に映画『白い馬』で監督を務め、日本映画批評家大賞最優秀監督賞などを受賞しており多才の才能の持ち主。
16年3月にあやしい探検隊シリーズ『あやしい探検隊 台湾ニワトリ島乱入』(角川書店)を出版。
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各界の一線で活躍するキーパーソンが、「仕事と健康」について語るインタビュー連載「賢者の仕事、賢者の健康」。今回のゲストは作家の椎名誠さんです。ビールが大好きな椎名さんの健康法とは? 前編に続き椎名さん行きつけのお店「池林房」でお話うかがいました。
(聞き手:河尻亨一)

健康に留意し始めたのは、孫ができてから

− すでにジョッキも何杯か空きまして、私のほうは多少酔ってきた感もあるのですが、いい気持ちになってしまう前に健康のお話も。椎名さんがビール好きということは有名です。どれくらい飲まれるんですか。

椎名(誠氏 ※以下、椎名)毎日飲みますよ。どんなことがあっても(笑)。よっぽど熱が出てるとかではない限り。量は、体調によって減らしたりはありますけど、この本(『あやしい探検隊 台湾ニワトリ島乱入』)の時はほぼ全員朝から飲んでました。もうね、バカの集団ですから(笑)。

自宅にいる時は缶ビールですけど、レギュラー缶で6本は飲んでますよね。それと赤ワインを半分くらい。で、夜更けになってくるとウイスキーをロックで。

− 酔いに任せて聞いてしまうのですが、酒量に正比例するかのような椎名さんの仕事の量と質は驚異的と感じます。そのあたり一体どうなっているんでしょう? 健康面で気をつけていることはありますか。

椎名自分の健康を本気で考えはじめたのは、孫ができてから。今から12年前ですね。僕の奥さんがいきなり、「一緒に人間ドックに行きましょう」と。奥さんはそれ以前から行っていて、僕は断固として行かなかったんですけど、「いやだよ」って言ったら、「あなたは孫ができたおじいちゃんなんだから、長生きをする義務がある」と言われてね、なるほどなあと思って。で、ついて行ったんですよ。

そしたら初めての胃カメラでしょう? あんなオソロシゲなものをからだに入れたり、もう散々な目にあったんですけど、検査結果をみたら数値がいいわけです。で、スゴく嬉しくなっちゃって。それ以降、毎年誕生日の前後にスケジュールを組まれるようになりましたよね。

もうこの歳ですから、年によってやっぱりダメージは見えてくるんですけど、医者のほうはね、「アナタくらい飲んでるんだから、まあこれくらいアリでしょう」という理解のある医者で(笑)。

僕らの仲間で痛風を発症したやつが結構いっぱいいるんですけどね。誰かが発症するとたちまち情報が流れて、「誰々がなったぞ!」って言ったら、「おお、やったー!」なんて。そんな感じで死屍累々なんですけど、僕はまだ生き延びてますね。