賢者の仕事、賢者の健康

Vol.5そもそも「あやしい探検隊」には人事部なんてありませんから
椎名誠氏 インタビュー(前編)

ほんとにバカなんですよ、冗談かと思うくらいみんなヘンで

− 無目的な男の集いというのがいいですね。今インタビューさせていただいているこのサイトは「おれカラ」と言いまして、男性ビジネスパーソン向けの読み物を色々発信しているのですが、この探検隊も男天国です。

椎名ええ、最初から女人禁制なんです。理由はたいしてないんですけど、正直言うとめんどくさいなっていう。たとえばキャンプに行ってトイレの心配なんかもしなきゃいけなかったり。そういうことが色々ありまして。でもね、女性がいないとエロ話なんかしないんですよ、男は。むしろ硬派になっちゃう。そういうのも面白いですよね。

− 『台湾ニワトリ島乱入』もそういった“オレたち色”全開のエピソード盛りだくさんですが、個人的に一番ツボだったのが「不揃いなバカたち」という小見出し(笑)。バカのいいところは不揃いなところなんじゃないか? と。

椎名そうですね、同じだったら気持ち悪い(笑)。ほんとにバカなんですよ。冗談かと思うくらいヘンなんです、みんな。メンバーや規模は変わってもそこは変わらない。バカはずっと続く(笑)。だから僕の場合、仕事とはいえ書くのは楽です。そいつらを見てりゃいいんですから。ヤツらは全然仕事じゃないですけど(笑)。

でもね、このバカな集いがとても大事で。物書きって基本は一人なんですよね。 作業も長時間ですし。僕は一人で仕事している時と大勢で遊んでいるときの両極があるんですけど、この30何年間、どうやらその双方でバランス取ってるみたいです。

− ちなみに椎名さんはどんな隊長ですか。タイプで言うと。

椎名昔はね、みんな「コワかった」って言うんですけどね。格闘技やってましたから。ケンカも多かったし、何かあるとすぐ怒ってました。今はもう好々爺です。怒ったりはせず黙って聞いている。立場をわきまえているんです。そしたら「かえってコワい」というヤツがいるんですけど(笑)。

まあ、リーダーというのは「まとめる」のが仕事ですから。いったんまとめてしまえば、あとはロケットじゃないけど最初のスピードの勢いによる慣性でずっと進んじゃうってことはありますね。それぞれがみんな役割を自分で探して来て、それで面白いことやってくれるんです。こっちが何も仕掛けてないのに、勝手に、しかも本気で。