賢者の仕事、賢者の健康

Vol.5そもそも「あやしい探検隊」には人事部なんてありませんから
椎名誠氏 インタビュー(前編)

今回の賢者

PROFILE
作家椎名誠

1944年、東京生まれ。流通業界誌編集長を経て作家となる。93年に『さらば国分寺書店のオババ』でエッセイストとしてデビュー。その後各種小説、SF作品、シベリアやチベット、アマゾン、北極など旅行記、写真集と各方面の著書を多数発表。95年に映画『白い馬』で監督を務め、日本映画批評家大賞最優秀監督賞などを受賞しており多才の才能の持ち主。
16年3月にあやしい探検隊シリーズ『あやしい探検隊 台湾ニワトリ島乱入』(角川書店)を出版。
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各界の一線で活躍するキーパーソンが、「仕事と健康」について語るインタビュー連載「賢者の仕事、賢者の健康」。今回のゲストは作家の椎名誠さんです。35年以上も続く『あやしい探検隊』。椎名さん流の旅と仕事の楽しみ方とは? 新宿三丁目にある椎名さん行きつけのお店「池林房」でお話うかがいました。
(聞き手:河尻亨一)

僕がここに来るとなると、みんなどこかしらからやって来る

− 『あやしい探検隊』の最新作『台湾ニワトリ島乱入』面白く読ませていただきました。このシリーズは学生時代によく読んだのですが、35年以上続いていると知って驚きました。

椎名(誠氏 ※以下、椎名)まあ、遊びですからね。メンバーは変わっていくんですけど、だいたい10人から20人くらいがいて、それこそアウトドアなんて言葉もまだない頃から、野郎どもとどこかに出かけて行ってはテントキャンプを張ったり、時には一軒家を借りたりね。「自給自足」が基本なんですけど。

長くやっていく中で、行動範囲が国際的になりスケールも大きくなってます。僕はもっとちっちゃくていいと思ってるんですけど、今が一番デカいんです、組織としては(笑)。やるべきことは若いヤツらがどんどんまとめていってくれますから、もう任せてます。一応僕が最年長でずっと隊長なんですけど、まあ、いたわってくれてるんですよ(笑)。

探検隊とは別に「怪しい雑魚釣り隊」(「週刊ポスト」の連載)というのもありまして、こっちも10年くらい続いてるんですけど、顔ぶれはほとんど同じなんですね。で、今月も行くし、来月も行くしで、ようは毎月なんです。

− 「遊び」とおっしゃいましたが、それにしても毎月1回というのは大変なのでは? 愚問ですがそもそも飽きないんでしょうか。

椎名うーん、場所も獲物も違うし面白いからね。新宿三丁目が集合離散の拠点なんですけど、この近辺に仲間の店が5店ありまして。僕たちは普段このへんに散らばって飲んでいて、たとえば今僕がここ(池林房)に来てるっていうと、連絡が各店に行ってね。で、集まって「来月はどこへ行く?」なんてことをみんなで話し合うんです。

今日も6時半くらいからジワジワ集まってくるんですけどね。僕がここに来るとなると、みんなどこかしらからやって来る(笑)。まあ、昔からそんな感じで、何の目的もない酒飲みの集まりだから。それが時々野外に出て行くというふうに考えればいいんです。

自由だけど、役割もちゃんと決まっている。昔は役割さえあまりなくてね。出かけるまで行く先も決まってなかったり(笑)。