賢者の仕事、賢者の健康

Vol.3ひとことで言うと、この歳になってもアホなんですよ。
倉本美津留氏 インタビュー(前編)

言葉って面白い。「耳にタコできた」「なんじゃそれ!」みたいな

− 前回のゲストは脳科学者の澤口俊之先生だったのですが、好奇心を持つことが脳や仕事のモチベーションによい影響を与えるというお話もされていました。倉本さんはそれを全力で実践されているのでは?

倉本どうなんでしょうか。 ただ、身近なことに対して「なんかヘンやな」とか「ほんまにこれでエエの?」と思う感覚は大事にしています。このあいだ辞書を出したんですよ。『超国語辞典』っていうんですけど。

これは「ボクらが日頃当たり前に使っている言葉って実はおもろいんやで!」という切り口の辞書なんです。例えば「大げさすぎる言葉」って結構ありますよね? 「断腸の思い」とか。そんなもん腸を断ってたら、痛くてしゃべってられへん(笑)。「昨日、泥酔したわー」とかも「別にドロドロなってへんやんけ」みたいな。そんな言葉を一杯集めて、ツッコミ倒していくだけの章もあります(笑)。子どもが言っていることと同じですよね。

からだに関する慣用句って大げさなものが特に一杯あって、ほんと面白くて。「血眼になって探す」とか「目を皿のようにする」とか「どんなんやねん?」っていう話ですしね。「耳にタコができた」「なんじゃそれ!」、「鼻の下伸ばしてる」「おいおい!!」、「膝が笑う? 全然笑ってないやん!!!」みたいな(笑)。ネタの宝庫なんですよ。

− そういう例がぽんぽん出て来るのがスゴいと思うんですが。

倉本ボクは基本的に「笑い」が生業なんですけど、それは「言葉の仕事」の部分も大きいですからね。どんな言葉でも「どういじったら面白くなるかな?」みたいなことばっかり考えてます。「ボケとツッコミ」という笑いの構造は、「ボケる」っていうのは変なものの見方てことで、それを「ツッコミ」によって修正することで人に伝えるってことなんです。そのツッコミ側の視点から見ると、からだの慣用句ってボケ倒してるわけじゃないですか?

考えてみればヘンな言葉だらけですからね。「ケツに火がついた」とか。「ケツを割るなよ」なんて言われても「もう割れとるやん」みたいな(笑)。もしかしたらそういうピンチも、大げさな例えにして言い表すことで、ちょっとでも状況をポジティブに変えたいみたいな気持ちもあったのかもしれませんよね。言葉によるプラシーボ効果というか。