賢者の仕事、賢者の健康

Vol.3ひとことで言うと、この歳になってもアホなんですよ。
倉本美津留氏 インタビュー(前編)

今回の賢者

PROFILE
放送作家倉本美津留

放送作家。1959年生まれ。広島生まれ、大阪育ち。『ダウンタウンDX』『M-1グランプリ』『シャキーン!』『浦沢直樹の漫勉』ほか、数々のテレビ番組を手がける。これまでの仕事に『ダウンタウンのごっつええ感じ』『伊東家の食卓』『たけしの万物創世記』など。著書に『超国語辞典』『現代版判じ絵 ピースフル』(本秀康氏との共著)『明日のカルタ』『ビートル頭』。また、ミュージシャンとしての顔ももつ。

各界の一線で活躍するキーパーソンが、「仕事と健康」について語るインタビュー連載「賢者の仕事、賢者の健康」。今回のゲストは放送作家の倉本美津留氏です。数々の人気バラエティー番組に携わって来た倉本さんの仕事と健康への独自のポリシーとは? 笑いのたえないインタビューとなりました。
(聞き手:河尻亨一)

仕事をする上で、子供の感覚をなくしたらアカンとは思ってますね

− 倉本さんとはトークイベント等でたびたびご一緒させていただいています。その都度感じることですが、エネルギッシュで年齢不詳ですね(笑)。泉のように湧いて来るユーモアやサービス精神にふれるたび「一体おいくつなんだろう?」と思わずにいられないのですが。

倉本(美津留氏 ※以下、倉本)年齢不詳とは色んな人からよく言われます。今年で57歳なんですけどまあ、ひと言で言うと、この歳になってもアホなんですよ、ボクって(笑)。大阪でも「アホは歳とらへん」みたいに言いますから(笑)

あと、14歳くらいで思考停止して、そこから考え方があんまり変わってないんです。映画の「ブリキの太鼓」じゃないですけど、「脳内年齢を中学生で止めた」っていうのが影響してるんちゃうかな? という気もするんですけど。

− 「14歳で思考停止」というのは、中学生の感性を今も持ち続けてらっしゃるということだと思うんですが、それはどうやったらできるんですか。

倉本いつも意識してるわけではないんですけど、自分が仕事をする上で子供の感覚っていうのは「絶対になくしたらアカン」とは思ってますね。面白いものを生むために、そういうエネルギーは大事ですから。

つまり、いくつになっても“世の中のことわり”がイマイチ理解できず、ルールもあんまり気にしないで、「こんなことやったら喜んでもらえるかな?」みたいなことを提案したりするタイプですよね。

ボク、音楽もずっとやってまして、「しやわせ」っていうタイトルの曲があるんです。放送作家として担当していたテレビ番組(「一人ごっつ」)のエンディングテーマになったものなんですけど、その歌のメッセージも「賢くなりたい」って言いながら、「それってどうなんだろう?」と疑う自分もいるというものでした。

やっぱり自分は、そのへんのことを一番言いたいのかなあと。「賢くなれたら生きることが楽になる」、その一方で「あんまり賢くなりすぎたらマズいなあ」という感覚もあるんです。その両方の摩擦エネルギーみたいなものがボクの今までの活動につながってるのかもしれないですね。それをひと言で言うと「14歳で思考停止」みたいなことになるんですけど。