賢者の仕事、賢者の健康

Vol.13ファイナンシャル・プランナーに聞く「働く男が活用したい!お金と健康両得術」
熊谷周一郎氏 インタビュー(後編)

お金のことは親や上司に相談してはいけない?

− そこでおうかがいしたいのは、お金について僕たちが「やれること」「やるべきこと」とは何なのか。つまり、このサイトを読んでくださっている「おれカラ世代」のファイナンシャルプランって、例えばどこから始めればいいんでしょう? 私のように「運用」なんて言葉を聞いた瞬間、頭から湯気が出てきそうなタイプの人やビギナーにアドバイスをいただくとすれば。

熊谷もちろん人それぞれではあります。資産計画は攻めと守りのバランスも重要で、一概に「これが正解」ということは言えないのですが、あえて乱暴な言い方をすると、まずお金のことに関しては親や身近な人に相談しないほうがいいかもしれません。

これはごく単純な話で、例えば私が写真を上手に撮りたいと思ったとしたら、親に相談しませんよね? 写真家の方のお話を聞きに行くと思うんです。自分の仕事に当てはめれば当然のことなんですけど、ことお金や資産の話になった瞬間、多くの方はなぜか親や身近な人に相談してしまう。家を買おうと思ったとき、まず上司におうかがいを立てに行く職場があると聞いたこともあるのですが、これもおかしな話です。

もしお金持ちになりたいのなら、やっぱりお金持ちから話を聞くのが一番だと思います。

− 「餅は餅屋」ということですね?

熊谷ええ。専門知識や新しい情報を知っておくことはやはり大切です。人により時代により、最適なお金の運用法は変わってきますしね。例えば学生の頃、当時80歳を超えていた私の祖母のお家に遊びに行くと、「銀行にお金を預けておけば、10年で倍になるからね」って何度か言われたことがありまして。

− すごい。今ならちょっと考えられないですね。

熊谷そうなんです。FPになってわかったのですが、日本の高度成長期には、郵便局の定期金利が6〜7%の時代があったんですよ。金融関係の方なら知っている「72の法則」というのがありまして、その計算式に祖母の話を当てはめてみると、定期金利が7%だと確かに10年でおおよそ2倍になるんです。40〜50年前の話ですけど、当時はノーリスクでそうやって運用できたわけです。

  • ※「72の法則」:資産運用において元本が2倍になる年利と年数を求めるための計算式。

世代によってはその頃の記憶もおぼろげに残っているわけですけど、おっしゃる通りいまやそんなことはありえなくて。6%や7%のリターンを得られる金融商品だったら絶対リスクを取らなきゃいけないんですよ。そしたらみなさん慎重に考えますし、勉強もしますよね? でもその時代は「お金を増やす」ということに対して専門的な知識は特に必要ではなく、銀行や郵便局にコツコツ貯めていくだけで基本よかった。