賢者の仕事、賢者の健康

Vol.13ファイナンシャル・プランナーに聞く「働く男も活用したい!セルフメディケーション税制」
熊谷周一郎氏 インタビュー(前編)

セルフメディケーション時代に必要なこと

− やはり企業にお勤めの方でも確定申告したほうがいいということかもしれませんね。ところで、そもそも「セルフメディケーション(self medication/自己治療)」というのはなんなんでしょう? この税制が生まれた背景的なところもうかがっていきたいのですが。

熊谷「セルフメディケーション」に関しては、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」という世界保健機関(WHO)による定義があります。病気やお薬に関する正しい知識を身につけることで、軽度な症状なら自分で改善したり、病気を予防するようにしましょうということですね。

この制度の背景にあるのは、少子高齢化に伴う国の財政的課題です。現在、国の歳出はおおよそ年間96兆円であるのに対して、税収は約58兆円(2016年※財務省のデータによる)。支出が収入をはるかに上回っています。

近頃では「国の借金が累計で1000兆円を超えている」といった報道もよく見かけますが、これは国民一人あたりに換算すると約830万円という金額になり、このままでは赤字国債などの形で、年々借金が増えるばかりといった状況なのです。

では、「何にそんなにお金を使っているのか?」という支出を見てみると、年金や介護、医療といった社会保障費が結構な割合を占めています。2016年(平成28年度)の一般会計予算が約96兆円であるのに対して、そのうち約33%(約32兆円)が社会保障費です。つまり支出のおおよそ3分の1を占めているんですね。今後高齢化が進むと、それが占める比率や金額はさらに上昇していくと予想されます。

− そう聞くと、ちょっと恐ろしいような気もしますね。

熊谷もちろん人がより長生きできるようになるのは、いいことではあるんです。しかし、現実を考えると「生きるにはお金がかかる」ということでもありますからね。そうすると医療に関して、自分でできることは自分でやっていこうという、「セルフメディケーション発想」が重視されるようになるのも自然なことですし、国としてもそういった行いをサポートしようという流れが生まれつつあるのだと思います。

ですが、一番大事なのはやはり我々が医療や健康に関して、正しい知識を身につけること。制度についても知って勉強すること。ご自身で手当てが難しい症状については、ドクターの治療や専門家による適切なアドバイスが必要なのは当然ですし、セルメ税制についても今日お話したような知識がなければ、せっかくのメリットを受けることもできませんからね。

>>後編に続く

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編集者/東北芸術工科大学客員教授 河尻 亨一

PROFILE

編集者/東北芸術工科大学客員教授河尻 亨一
雑誌「広告批評」在籍中には、広告を中心に多様なカルチャー領域とメディア、社会事象を横断する様々な特集を手がけ、多くのクリエイター、企業のキーパーソンにインタビューを行う。
現在は実験型の編集レーベル「銀河ライター」を主宰し、取材・執筆からイベントのファシリテーション、企業コンテンツの企画制作なども。
  • カメラマン 瀬谷壮士
  • 更新日 2017.02.01