賢者の仕事、賢者の健康

Vol.10気持ちがグラグラするのを恐れずに生きていきたい
北川悦吏子氏 インタビュー(後編)

今回の賢者

PROFILE
脚本家、映画監督北川悦吏子

1961年12月24日生まれ、岐阜県出身。大学卒業後、プロットライターや製作アシスタントなどの制作に携わり、1989年に脚本家デビュー。1992年、「素顔のままで」(フジテレビ系)で連続ドラマの脚本デビューを果たす。その後、「あすなろ白書」(フジテレビ系)、「ロングバケーション」(フジテレビ系)や、「ビューティフルライフ」(TBS系)、「オレンジデイズ」(TBS系)など、数々のヒット作を手がける。活動は多岐に渡り、作詞やエッセイでも人気を集める。
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各界の一線で活躍するキーパーソンが、「仕事と健康」について語るインタビュー連載「賢者の仕事、賢者の健康」。脚本家の北川悦吏子さんへのインタビュー後編です。高校時代から様々な持病に悩まされながらも、周囲の人々のサポートを得ながら執筆というハードな仕事と向かいあってきた北川さん。後編では主に長い時間の中で北川さんが体得したカラダとココロとの付き合い方についてうかがってみました。
(聞き手:河尻亨一)

もう一生懸命、ムキになって運動してます

− 仕事のお話(前編)をうかがったところで体調管理のお話も。ご自身のブログ等でも公表されているように、北川さんは長らく難病と闘いながら脚本を書いてこられました。確か2009年だったと記憶しているのですが、北川さんが初めて映画監督に挑戦されて、「ハルフウェイ」という作品を発表された時にも私は一度取材させていただいたことがあります。映画をプロデュースされた岩井俊二さんと一緒に話してくださったんですけど、その時はあまりご体調が優れないということをおっしゃっていて。

北川(悦吏子氏 ※以下、北川)その時はギリギリだったと思います。入退院を繰り返していた頃なので。でも、いまは調子いいんですね。常に不安を抱えながらではありますけど、病気は自分から切り離せないことでもあるので受け入れて、外側から変えていこうと。で、運動したりもしてます。

− カラダを動かすのはどんなことをされているんですか。

北川筋トレとエアロビクスです。筋トレを始めたのは5年くらい前で、できれば毎日やりたいんですけど、なかなかね。忙しかったりさぼったり・・(笑)。でも、週に2回くらいは必ず行くようにしてます。ある時旦那さんがチラシを持ってきて、「近くにスポーツセンターができたから行ってみれば?」みたいに言われたのがきっかけで。それ以前はまったくカラダを動かしてなかったし、あまり期待もせずに始めたんですけど、運動すると気分も変わるのがやっぱりいいですね。

2012年に岩井さんプロデュース、中山美穂ちゃん主演でパリで映画を撮る企画があって(「新しい靴を買わなくちゃ」)、撮影で向こうに2ヶ月行きっきりっていうプレッシャーで、みんなになるべく迷惑かけたくないと思い、筋トレして体力つけようっていうのもあったんですけど。最近はそこにエアロビが加わって。もう一生懸命、ムキになって運動してるって感じです(笑)。

− 食事も色々気を使うでしょうね。

北川最近余裕がなくなってきてあまりできてないんですけど、料理もいい気がするんですね。そもそも書く仕事って、カラダにあまりよろしくないと思うんです(笑)。動くところが頭ばっかりで。でも、料理って材料に触れるじゃないですか? 煮るとか焼くとか切るとか、これはカラダにもココロにもいい気がします。なるべく作って食べるのは、そういう意味でもやっぱり大事なんじゃないかと。

でも、私にとって一番気が晴れるのは、気のあったお友達と一緒にご飯食べるってことで、それは週に2回は入れないとダメなんです。そうしないと気持ちが滅入ってくる。ずっと家で書いてるわけですから。