賢者の仕事、賢者の健康

Vol.6汚部屋から脱出すると“気持ちの健康”を取り戻せる
勝間和代氏 インタビュー(前編)

モヤモヤしている事柄を言葉にするのが好き

− この5〜6年くらいでしょうか? 断捨離がブームというか、家の片付け方を解説する本はたくさん出ていると思いますが、この本は“勝間流”と銘打ってある通り、アプローチも独特ですね。「収納破産」なんて言葉が出て来たり。

勝間「収納破産」ということに気付いた時に、すべてが分かったんです。家に入って来るものが増えすぎて、捨てるものより多くなり、準備していた収納スペースを使い果たした段階で思考停止に陥ります。片付けそのものを放棄せざるをえないタイミングが訪れるんですね。

− 「ものぐさコスト」とか「ロジカル家事」などのネーミングも面白いと思うのですが、そうやってワード化することが得意なんですか。

勝間それは好きです。モヤモヤしている事柄に対して「自分の中で言葉にするとどうなるんだろう?」というふうに考えますね。モヤっとしていたことを言葉にしてくださってる方の本を読んで、私自身なるほどと思うこともたくさんあります。

「断捨離」という言葉も、やましたひでこさんがヨガで学んだ「断行」「捨行」「離行」をもとに作られた造語ですけど、すごくいいじゃないですか。

一方、評判になった片付け本でも「トキメキの魔法」というのは、私、ちょっとピンと来なかったんですよ。「トキメキ」という言葉で何を言おうとしているのか。で、「なんでだろう?」と考えてみたところ、ようするに私の場合、部屋の片付けは「トキメく」とか「トキメかない」ではなく、優先順位の問題だと気付いたわけです。結局は使用頻度と優先順位なんだと。

“使用価値”というものを、私達はどうしても「買った価格」で考えてしまいがちなんですけど、そうではなく「使う頻度」とそのことで「得られる効用」の掛け算で見ないと。

その条件で一定のパフォーマンスを発揮していないものは、たとえ高いものであっても汚部屋化を促進するだけですから。私も「買った値段なんてどうでもいいんだ」ということに気付くまでに、結構時間がかかったんですけどね。