賢者の仕事、賢者の健康

Vol.15ボクシングやってる限り、いつも具志堅用高でいたいからね。
具志堅用高氏 インタビュー(後編)

うちのジムから世界チャンピオンをつくりたくて。

− ゴルフと飲み以外で、趣味のようなものはお持ちですか?

具志堅他はないよね。そんなたくさん遊べるほど休みはないから。時間あったら釣りもしたいけどさ。海に出たいのよ。あとは愛犬のグスマンと、少しでも一緒におりたいね。グスマンがいるから、遠いところなかなか泊まりに行けないんだけど。

− 具志堅さんが初めてチャンピオンになった時の対戦相手「グスマン」にちなんで名付けたそうですね。

具志堅そうなんです。具志"犬"グスマンなんだけど。

− 具志犬(笑)。今日は現役時代のことから最近のことまで色々なお話うかがってきました。最後このインタビューを読んでる方に向けて、「自分の人生、あるいは仕事のチャンピオンになるにはどうすればいいか?」という無茶目のご質問してみたいんですが。

具志堅うーん、まず、いい人に出会ったほうがいいね。それがあると最高だよ。だけどそれは紙一重だな。失敗する人もいるしね。僕の場合、とんかつ屋の大将との出会いがあったよね。その前に協栄ジムとの出会いもあった。もともとは拓殖大学に通ってオリンピック目指そうと思ってたんだもん。先輩が協栄ジムにいなかったら、たぶん世界まで行ってないですよ。大学に入るつもりで羽田に来たら、どういうわけかジムに連れてかれたんだけど。

そもそも高校一年の時にボクシングクラブ入ってる同級生がいなかったらボクシングやってませんよね。教室で話しとったら「お前も行こうよ」って言われて連れて行かれたの。最初の最初はほんとそこから。それまでボクシングの試合、見たことなかったもん。

もうひとつ大事なのは「基本」だよね、やっぱり。どんなことでもそうなんじゃないかな? ボクシングの場合、まずジャブとストレートをちゃんと打てるか? それを最初に教わってあとは一生懸命やる。ロードワークも基本ですよ。

いい出会いがあるか、基本をちゃんとやるか? そのふたつに尽きると思う。でも、運命の出会いや覚えたテクニックを生かすためにはやっぱり夢や目標がないとね。さっきも言ったけど、僕はとにかく勝ちたかったから。チャンピオンになりたかったから。その気持ちは絶対ブレちゃダメだよね。

世界チャンピオンになると人生変わるよ? ファイトマネーもどんどん上がっていくんだから。僕は地元に家を建てたくてさ。「家・家・家」って言いながらロードワークしてたよ(笑)。負けたら家も建たないんだから。

− ちなみに具志堅さんの今の夢ってどういうものですか?

具志堅その話で言うと、今年、勝負だよ。うちのジムから世界チャンピオンをつくりたくて。いま、比嘉大吾っていう東洋チャンピオンがいて、世界挑戦が目の前に来てる。それは夢だよね。比嘉大吾、この名前覚えておいてください。彼がチャンピオンになったらすごいと思うよ。世界は難しいんだけどね。日本や東洋ともまた違って、本当にうまくマッチメイクしないと。

− ボクシングのお話になると、がぜん熱がこもってきますね。国際ボクシング殿堂入りもされましたが、やっぱり具志堅さんは存在自体が伝説なんだと思います。

具志堅ボクシングやってる限り、いつも具志堅用高でいたいからね。自分で言うのも恥ずかしいんだけど(笑)。

編集者/東北芸術工科大学客員教授 河尻 亨一

PROFILE

編集者/東北芸術工科大学客員教授河尻 亨一
雑誌「広告批評」在籍中には、広告を中心に多様なカルチャー領域とメディア、社会事象を横断する様々な特集を手がけ、多くのクリエイター、企業のキーパーソンにインタビューを行う。
現在は実験型の編集レーベル「銀河ライター」を主宰し、取材・執筆からイベントのファシリテーション、企業コンテンツの企画制作なども。
  • カメラマン 瀬谷壮士
  • 更新日 2017.04.14