賢者の仕事、賢者の健康

Vol.15夢があった。目標があった。「オレ、勝たなくちゃいけない」って思ってた
具志堅用高氏 インタビュー(前編)

現役時代は風邪なんてひいてるヒマない。今は花粉症がちょっちゅキツい(笑)

− 具志堅さんはジムの会長さんでもあって(白井・具志堅スポーツジム)、ボクサーの育成にもずっと関わってこられてきたわけですけど、いかがですか? 今の若いボクサーを見て。

具志堅やる人はやると思います。できると思います。でも、できない人は難しいと思うんですよね。これだけはどんな時代でも個人の性格だからさ。まあ、今は友達っていうのが大事だから、試合前でもどうしても連絡しないといけない。スマホでね、「応援に来て」なんて。そう思うと、僕らの頃以上に個人で「自分をコントロールできるか?」が大事になってるのかも。

当たり前のことなんだけどね。負けたら自分が悪いわけだし、そしたら負けないようにまた努力するしかない。今の若い子は、そういうのはしっかり持っていると思いますね。我々の時代は「一度でも負けたら終わり」という感じだったから。あとがないんですよ。自分とこの会長なんかも厳しくてね。負けたらすぐ次の人に行かすから。そうなると、なかなか試合のチャンスもらえないのよ。

− ものすごい緊張感なんでしょうね。風邪ひいてるヒマもないというか。

具志堅ないない。寝込んだこともないしね。今、花粉症がちょっときついだけで(笑)。冬場にロードワークしてると、鼻水は垂れたけど。

− それは単に寒いということでは?

具志堅そうよねえ。寒さに弱いからさ、いまだに。それだけはどうしようもない。だから雨降った時は、手叩いて喜んだね。風邪ひいたらマズいってことでロードワークできないから。それはうれしかったなあ。試合前は雨でも走るんですけど。まあ、色んなとこ走りましたよ。新宿の地下道とか、代々木の中央線の線路の脇道とか。

− ロードワーク中に蚊柱と闘って勝った、という伝説もありますね。

具志堅いや、色々なことを体験したいということで(笑)。ニワトリをつかむのもトレーニングと思ってたからね。僕、ニワトリつかむのうまいんだから。あれはなかなかできないよ。追い込みが大事で、腰を落としていかなくちゃならないんだよ。こないだもロケでつかんだよね。

− 今はテレビ出演など色んなお仕事されてますが、やっぱり現役時代とはかなり違いますよね?

具志堅ロードワークもキツかったけど、ロケもキツいよね。これはまた違うキツさだね。ボクシングと違うのは、テレビの仕事は時間が読めなくてなかなか寝られなかったりするところ。ボクシングの時は決まっているんですよ、ずっと。6時に起きて走る、夕方から練習、日曜は休みって。今はどこで休めるかわからないじゃん? そういうのはストレスたまる。遊びたいね(笑)。

− どんな遊びがお好きなんですか。

具志堅オレ、一人でゴルフ行くんですよ。普通4人揃えるじゃん? でも、めんどくさいからね。電話して「あいてる?」とか。あとはそうだなあ…飲み屋にも結構一人で行く。仲間と一緒に飲みたいけどさ、寝てたら起こすのも悪いでしょ?

で、ガールズバーに一人で行ってね、これが腹立つんだよ。サービス悪いっていうか、みんな相性が悪くて。それはそれでいいんだけど。で、「もう二度と行かない!」と思ったのに、こないだまた行っちゃったよ(笑)。

>>後編に続く

編集者/東北芸術工科大学客員教授 河尻 亨一

PROFILE

編集者/東北芸術工科大学客員教授河尻 亨一
雑誌「広告批評」在籍中には、広告を中心に多様なカルチャー領域とメディア、社会事象を横断する様々な特集を手がけ、多くのクリエイター、企業のキーパーソンにインタビューを行う。
現在は実験型の編集レーベル「銀河ライター」を主宰し、取材・執筆からイベントのファシリテーション、企業コンテンツの企画制作なども。
  • カメラマン 瀬谷壮士
  • 更新日 2017.04.03