病は突然やってくるもの。ドラッグストアで手軽に薬を買える時代でも、外出が難しいときや深夜などには、自宅にストックしてある常備薬が役に立ちます。ここでは、そろえておきたい“基本の常備薬”をご紹介しましょう。
薬はもちろん、化粧品から日用品まで品ぞろえ豊富なドラッグストアが増えています。「薬は、具合が悪くなってから買いに行けばいいじゃない」……そんな理由で、自宅に薬を常備していない方も多いかもしれません。
でも、ここであらためて「常備薬の必要性」を考えたいですね。結論から言えば、ドラッグストアが充実した現代においても、やはり薬は自宅にストックしておくべきなのです。
いうまでもありませんが、常備薬の大きなメリットは、具合が悪くなったときにすぐに対処できること。たとえば痛み止めは、痛みが強くなってからではなく、痛みを感じ始めたときに服用する方が効果的なものもあるのです。「ちょっと調子が悪いかも……」そんなときに薬を買いに外出するのは、体にも負担がかかります。
深夜に体調を崩せば、ドラッグストアも閉まっていて、翌日以降へ持ち越しに。「朝を待っていたら本格的に具合が悪くなってた!」という事態もあり得ます。
そして、常備薬を用意することのもう一つのメリットは、有事の際に役立つことです。災害が発生してライフラインに不便が生じれば、疾病も発生しやすくなります。そうした環境の中でも、いつも使っている薬が手元にあれば、用意しておいてよかった!と実感できるでしょう。「備えあれば憂いなし」とはまさに、このことです。
「うち、救急箱あるよ」という方! 素晴らしい心がけです。でも!
いつ買ったかも覚えていないような薬が眠っていませんか?
「捨てるのはもったいないから」「まだ効くでしょ」と服用してしまう前に「使用期限」を確認しましょう。
食材と同じように、薬にも期限があります。医薬品は販売される前に安定性試験が行われ、その結果に基づいて、それぞれの保管条件や使用期限が定められています。容器または被包に表示されているので、薬を購入した際には必ず確認する習慣をつけましょう。
そして、使用期限が過ぎている薬は、服用しないこと!
薬は化学物質ですので、どんなに密封されていても、湿度や光による劣化は避けられません。本来の効果が薄れるばかりでなく、安全性も下がる可能性がありますので、“もったいない”をグッとこらえて処分してください。
もちろん、薬の使用期限は、適切な環境下で保管されていることが条件です。保管方法の原則は、薬の大敵である「高温」「湿気」「直射日光」を避けること。専用の救急箱や缶などに入れて、涼しい場所に保管するとよいでしょう。
ちなみに、保管方法の記載でよく目にする「冷暗所」とは、文字通り「冷えて暗い」場所。1~15℃が最適な温度と定義されていますので、冷暗所での保管指定のある薬剤は、夏の暑い時期などはご家庭なら冷蔵庫での保管をするなど別管理をしましょう。
「そうはいっても、どんな薬をそろえたらいいのかわからない」という方に、私がおすすめしたい“基本の常備薬”をご紹介しましょう。
ちなみに、常備薬を用意する際に考慮しなければならないのが「家族構成」です。小さなお子さんがいらっしゃるご家庭なら、薬の対象年齢に注意して、必要に応じて小児用の薬を別に用意しましょう。年齢に合わせて錠数で調整できる錠剤もおすすめです。
お子さんやご高齢の方向けに、「経口補水液」を常備しておくのもよいですね。早めの対処が求められる、嘔吐や下痢の脱水症状に直面したときなどに活躍してくれます。
ほかにも、旅行先に持っていくことも考えて、かさばらない小さなサイズのものを準備する、というのもいいかもしれません。
これを機会に、皆さんのライフスタイルに合った“マイ常備薬”をそろえてくださいね。わからないときは、どんどん薬剤師に聞いてください!
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