薬の専門家がお届け!教えて薬剤師さん!

Vol.1的確なアドバイスを受けるため、
薬剤師にこれだけは伝えよう!

ドラッグストアや薬局を訪れた際、薬剤師と会話をされることはありますか?
薬剤師はもちろん、薬の専門家です。あれこれと自分で頭を悩ませるよりも、薬剤師にひと声かければ、症状に合った薬を的確に選んでもらえる可能性が高くなります。
薬剤師がいるときに利用しないのはもったいない! 今回は、薬剤師から的確なアドバイスをもらえるコツをご紹介しましょう。

症状や痛みの種類のほかに
薬剤師に伝えた方がいいことってナニ?

皆さんは、ドラッグストアや薬局で薬をお求めになる場合、薬剤師やスタッフに何を伝えていますか?
「頭が痛いんです」
「昨日から、胃の調子が悪くて……」
など、まずは体のどの部位に不調や異常が生じているかを伝えているかと思います。

では、その次は……?

たとえば、ひと口に「頭痛薬」「胃腸薬」といっても、ドラッグストアや薬局で買えるOTC医薬品(※)にはさまざまな特徴があります。胃痛のどんな症状に効くのか、頭痛薬としてどんな成分がどれくらい含まれているかなどが、それぞれの薬によって異なっているのです。

胃痛だったら、
キリキリする痛みなのか、鈍痛なのか、どちらでもない感じの痛みなのか。
あるいは、空腹時とそうでないときに症状に違いがあるのか。

そんなことを薬剤師に話していただければ、同じ胃痛でも、胃酸過多、消化不良などいろんな症状のうちどれに該当するのか見当がつき、症状により合った薬をおすすめしやすくなります。

頭痛であれば、主成分以外の成分もチェックしておきたいポイントです。頭痛薬にしばしば含まれているカフェインは、体質的に合わない人もいます。また、鎮静成分が含まれているものもあり、眠くなってしまうこともあるので、大切な会議などを控えている人は確認することをおすすめします。

痛みの種類、一日の生活のどのタイミングで症状が悪化するのか、自分の体質に合わない成分にはどんなものがあるのか、服用後はどのように過ごす予定なのか……。体調を崩されているご本人でなく、代理の方が来られた場合でも、そうした情報をお伝えいただくことで、薬を選ぶ際に薬剤師から的確なアドバイスが得られやすくなります。

  • ※OTC:Over The Counterの略で、医師に処方してもらう「医療用医薬品」ではなく、薬局やドラッグストアなどで自ら選んで買える「要指導医薬品」と「一般用医薬品」のこと

症状の有無にかかわらず、
日ごろから自分の体を知っておこう

自分の体のことを知っておくのは、薬剤師から的確なアドバイスを受ける上で大切なことです。

基礎疾患、既往歴、アレルギー、副作用歴、服用中の薬、妊娠、授乳、車の運転をするか否かなどは、薬剤師が確認する基本的な項目です。確認の質問がなかったときには、薬を安全に服用するためにも、自ら申告するようにしましょう。

聞いたことがあるかもしれませんが「セルフメディケーション」という言葉があります。

これは、OTC医薬品(市販薬)を選んで、軽い症状には自分自身で簡単な対処や治療をしていくことです。セルフメディケーションは、病気にならないための予防医学(東洋医学では「未病」といいます)の側面も持っています。つまり、日ごろから健康に関心を持ち、自分の体について記録しておけば、それを薬剤師に見せて、症状が出る前にアドバイスを受けることもできるのです。

手書きでも、スマートフォンのメモでもかまいませんが、最近はスマートフォンでも健康関連アプリが充実していますから、そうしたものを利用して、体重や睡眠の状況、女性であれば月経周期といった日々の記録を残しておくのもよい方法ですね。

もし気になる症状があれば、それが始まった時期や、自分で思い当たる原因についても記録を残しておいて、いつでも薬剤師に相談してください。

「かかりつけ薬剤師制度」なら、
24時間相談できて、さらに安心!

薬に関してはもちろん、より幅広い健康相談をドラッグストアや薬局の薬剤師にすることもできますが、その都度、自分の体のさまざまな情報を伝えることを面倒に感じる人もいるかもしれません。そんな方に利用をおすすめしたいのが「かかりつけ薬剤師制度」です。

「かかりつけ薬剤師制度」は、2016年の4月から本格的にスタートした保険調剤薬局での診療報酬制度です。

かかりつけ薬剤師制度
  1. かかっているすべての医療機関や服用薬を一元的・継続的に薬学的管理をしてもらえる
  2. 開局時間外でも、薬の副作用や飲み間違い、服用のタイミング等に関して随時(24時間)電話相談できる
  3. 医薬品等の相談や健康相談に対応してもらえる

……といったメリットがあります。

しかし、薬剤師なら誰でもかかりつけ薬剤師になれるわけではありません。保険薬剤師として一定年数以上の薬局勤務経験が必要ですし、研修認定の取得や、医療に係る地域活動への参加など、一定の要件を満たさなければなりません。つまり、薬や薬局のことをよく理解していて、医療知識の習得に自己研鑽を怠らない薬剤師だけが、かかりつけ薬剤師になれるわけです。

普段あまり病院にかからない人でも、かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師を決めておけば、薬の相談のほかにも、OTC医薬品や健康食品との飲み合わせ、健康相談、地域で受けられる健康サービスなどの情報も得られます。

信頼できる薬剤師と出会って、「かかりつけ薬剤師制度」を上手に活用してみてくださいね!

PROFILE

村上 綾さん
ドラッグストア勤務、総合病院勤務を経て、現在漢方薬局に勤務の現役薬剤師。
OTC 薬、処方せん医薬品、漢方に関わってきた知識を活かし、セルフメディケーションを広めるべく活動している。
  • イラスト 水口アツコ
  • 更新日 2017.02.01

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