Vol.11知らなきゃ損!?
医療費控除の新制度を知ろう!

今回はいつもと趣向を変えて、2017年1月施行の「セルフメディケーション税制」という、市販薬に関する“お得な新しい制度”にスポットを当てていきたいと思います。なぜお得なのかですって?条件を満たして確定申告すれば、自己負担したお金が一部戻ってくるかもしれないんですっ!
かぜや病気、ケガなど一年を通じて薬を使う機会がある方は、知っておいて損はありませんってば!

思い込みcase:1

対象の市販薬を買ったら、後でお金が戻ってくる?
そんな新しい制度が始まるってホント!?

これが、ホントなんです。2017年1月から医療費控除の特例として施行される「セルフメディケーション税制」という新制度です。今までは自己負担をした医療費が、家族の分を合わせて年間「合計10万円」を超えた場合に、確定申告をすることによって所得税や住民税が減額されていました。
今回あらたに施行される税制は、これまでの医療費控除の仕組みに、プラスで生まれた制度です。

具体的には「特定の成分」を含んだ市販薬の年間購入額が、「合計1万2千円」を超えた場合に適用される制度で、1年間(1月~12月)に支払った額を翌年に確定申告すれば控除の対象になるというものです。もっとわかりやすく言うと、市販薬の購入額を含めた「1年間の医療費が10万円」という壁から、より低額でも控除が受けられるということなんです!ここで注意したいのは、所得から控除される上限が8万8千円ということになります。

医療費控除のことはなんとなく知っていたけど、医療費の年間合計金額が10万円に届かないからお金が戻ることなんて気にしていなかった・・・。家族用の市販薬の購入金額は多い方だけど数万円だし・・・。そんな、市販薬をよく購入していたけど医療費控除とは無関係だった人は、今すぐ詳しい情報(くすりと健康の情報局のサイト内)を読んでみてください。

では、そもそもなぜ「セルフメディケーション税制」が施行されるのでしょうか?まず、セルフメディケーション=自分で自身の健康を管理するということ。アメリカでは医療費が高い、という話を聞いたことがある方も多いかもしれませんが、その分アメリカでは日本よりもセルフメディケーション(自己管理)の意識が高いともされています。

セルフメディケーション税制の施行は、病院に行くまでもない軽い症状であれば、市販の薬を使って、自分で治療できるようになりましょうという考えに基づきます。年々増大する医療費の削減を目指すためには、病院にいくこととセルフメディケーションで健康を自己管理することを、うまく両立させることが、これからの時代には大切な考え方なんですね。

自分の健康のためにセルフメディケーションをすることで、1万2千円から税金的な恩恵が受けられるかもしれない。ユーザーの立場からすると、市販薬が控除の対象になるなんて、経済的にちょっと嬉しい制度の開始です。

思い込みcase:2

市販薬を買った
すべての人の税金が減るの?

ズバリ、条件つきです!次の3つの事項すべてに該当する人が対象となります。①所得税、住民税を収めている人。②健康の維持増進や疾病予防のために、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診のいずれかを受けていて、対象となる市販薬を購入した人。③1年間で、対象となる市販薬を1万2千円を超えて購入している人(扶養家族分を含む)。

②は身近なところでいうと、会社で受ける健康診断や、各自治体の健康診査などが該当します。

以上の3つの条件を満たす人が、2018年に行う確定申告から提出可能となります。そうなると、果たしてどれぐらい税金が減るのか気になりますよね。ちょっとシミュレーションしてみましょう。

例えば・・・所得税率20%の申告者が、
セルフメディケーション税制対象製品を年間3万円購入した場合、
・所得税分:(3万円-1万2,000円)×20%=3,600円 ・・・ 還付されます
・翌年度の住民税(地方税)分:(3万円-1万2,000円)×個人住民税率10%=1,800円 ・・・ 翌年度の徴収額から減額されます
・合わせると:所得税(3,600円)+住民税(1,800円)=5,400円
つまり、5,400円の税金が減ることになります。
詳しくはこちらをチェック(日本一般用医薬品連合会のサイト内)してください。

また、会社勤めをしていると、実際に確定申告そのものに触れる機会がなかなかないと思いますので、下に記載している申請時は確定申告書等作成コーナーをチェックしてみてください。

あと「セルフメディケーション税制」の確定申告をするにあたって、大事なのは、市販薬を購入した際の「レシート」や「領収書」を必ずキープしておくことです!
対象製品にはレシートの商品名の項目に★マークが付いたり、文字等で該当品である旨の説明が記載される予定で、それをもとに購入額と控除額の計算をしていきます。レシートを捨てがちの人は、市販薬購入時のレシートだけでも、意識して保管しておくようにしましょうね。

思い込みcase:3

控除の対象となる
市販薬の見分け方って?

セルフメディケーション税制の対象製品は、現段階では「83」の特定成分が入っている市販薬、1,577アイテムとされています(2017年1月17日現在)。厚生労働省のホームページに具体的な製品名が記載されていますが、施行までにはもっと簡単に見分けられるようになります。それは、対象製品のパッケージに「共通識別マーク」が表示されるようになるからです。製品の正面や上面などにマークを表示することによって、対象製品が一目で分かるように視覚的な訴求をしています。

共通識別マーク

ちなみに、風邪薬の「ルル」をみてみると、「ルルアタックEX」と「ルルアタックNX」などは対象製品ですし、オレンジのパッケージのルルシリーズでも「新ルルAゴールドs」「新ルルAゴールドDX」が対象ですが、「新ルル-A錠s」は対象外だったりします。同じブランドの中であっても、含まれる成分によって対象のものとそうでないものがあるということで、それを知らせるのが「共通識別マーク」となります。

なお、この「共通識別マーク」の表示に法的義務はないので、マークが表示されていない製品も中にはあるかもしれません。そのような場合には、シールをパッケージに貼ったりプライスカードに対象製品である旨が表示されていく予定です。いずれにしても「共通識別マーク」は、今回の制度の対象製品(セルメディケーション税制対象)とわかる大きな判断材料ということになるので、お手に取る際の参考にしてください。

  • イラスト 小迎裕美子
  • 更新日 2016.12.01

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