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【ウェルビーイング】女性がより自分らしく生きやすくなるためには「ウェルビーイングを考える」【前編】

2025年01月31日

からだと心

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近年耳にする機会が増えてきた「Well-Being(ウェルビーイング)」。言葉は知っていたとしても、それを他人に説明できる人はまだ2割ほどしかいないとされています。今回は、日本女性ウェルビーイング学会代表を務める笹尾敬子さんに、ウェルビーイングとは何かを教えていただきながら、女性がよりよく、そして自分らしく生きていくために必要なことをテーマに、健康美塾に長く携わってきた第一三共ヘルスケアの社員と対談していただきました。

<対談メンバー>
・日本女性ウェルビーイング学会代表:笹尾敬子さん
・第一三共ヘルスケア 広報部 デジタルコミュニケーショングループ長:砂川知子さん

そもそも「ウェルビーイング」ってどういうこと?

――最近よく耳にする機会が増えてきた「ウェルビーイング」ですが、具体的にはどのようなことなのでしょうか。

笹尾:ウェルビーイングとは、身体的にも精神的にも健康であり、そして社会的にも満たされた状態(※)を指します。ただ心身ともに健康であるだけでなく、社会で生きていく中で自分が幸せであるかどうかという点が重要です。
※出典:WHO憲章前文

例えば、おいしいものを食べて幸せな気分になるのは、「ハピネス」――「ああ幸せ!」といったいわば瞬間的なものであるのに対して、ウェルビーイングは一時的なものではなく、いい状態が持続していること。もちろん日々生きていれば、いいこともあれば悪いこともありますが、相対的に自分は機嫌がいいなとか、幸せな状態だと感じることがウェルビーイングなのです。

「こうあるべき」ということはなくて、その人自身がウェルビーイングと感じることが重要です。一人一人置かれた状況は違うので、“みんな”ではなく、“自分”が主語。自分がどうしたら幸せな気分になれるのか、いい気分で生活できるのかを考え、実践していくことが何より大切です。

砂川:ついなにかに当てはめようとしたり、難しく考えてしまいがちですが、“自分”基準なんですね。

笹尾:“幸せ”というと漠然としがちですが、自分自身のことも、生活も仕事も、「いいな」「快適だ」と思えることこそが、ウェルビーイングなんじゃないかと思っています。そうやって一人一人が自分のウェルビーイングを目指すことで、自然と社会全体も良くなっていくことにつながります。

砂川:健康美塾は2010年に立ち上げ、2023年にリニューアルしたメディアなのですが、まさに女性がウェルビーイングでいられるよう、手助けとなる存在でありたいと思っています。製薬会社である第一三共ヘルスケアが運営しているメディアではありますが、自社製品の機能的な価値や特長、といったメーカー視点から発信するのではなく、女性の健康の悩みに寄り添った情報を届けるメディアとして、企画などを考えています。

笹尾:それは本当にありがたいですし、大切ですよね。なにをするにしても、まず健康であることが一番ですから。

まず自分の身体を知ることが、ウェルビーイングの第一歩

――女性の生き方が多様化していますが、「女性」という側面からウェルビーイングを考えたときに、どのような点をまず意識すべきでしょうか。

笹尾:私たち女性は、初潮から思春期、成熟期、出産される方は妊娠・出産、そして更年期と、好むと好まざるとに関わらず「女性ホルモン」に一生を左右されています。しかし、一生のうちに分泌される女性ホルモンの量は、わずかティースプーン1杯。そんなわずかな量なのに、体内にさまざまな影響を与えるのですよね。昔の女性に比べて現在の女性は、初潮が早まり、出産が減ったこともあり、生理の回数は大幅に増加しています。そのため、子宮に負担がかかり、婦人科特有の病気も増加傾向にあります。そんな状況に置かれている現代女性たちにまず必要なのは、「自分の身体についての知識不足をなくすこと」。せっかく医療や技術が進歩していても、一人一人が正しい知識や情報を知り、理解して活用しなければ意味がありません。まず自分の身体の状態はどうなのか、なにが足りていないのか、どうすれば予防できるのか、もし今症状を抱えていたらどういった治療・薬があるのか……ヘルスリテラシーを高めることが大切です。病気ではないけれど不調ぎみだったら、鍼灸やアロマ、ヨガなど、さまざまな手法を試してみたり、自分の身体の状態を知って大切にすることが、女性のウェルビーイングの出発点になります。

砂川:日本の女性は、自分の生理が正常なのかそうではないのかなど、そういった話をする機会も少ないですよね。他人と話す機会がないからこそ、「これが普通」だと思って、月経過多や月経前症候群など、治療が必要なほどひどい生理だと気が付いてない人が多いように思います。

笹尾:例えばフランスの場合は、女性のかかりつけ医は幼い頃から婦人科医といわれています。先ほども言った通り、女性の一生は女性ホルモンと共にあるので、婦人科医がかかりつけ医というのはすごく理にかなっています。生理などでなにか気になることがあったら、すぐに相談ができますしね。現在は不妊治療にもさまざまな制度で補助されるようになっていますが、本来は妊娠適齢期に妊娠した方が身体にとっても負担が少なく、妊娠もしやすくなります。ところが日本社会は、まだまだ働き盛りの時期に妊娠・出産を経験すると、自分が積み上げてきたキャリアがそこで途絶えてしまうのではないかなど、さまざまな理由で出産を後回しにしてしまうことが考えられます。もちろん人それぞれ子どもを産みたいという年齢は違いますし、個人の選択だとは思いますが、働き盛りの時期に産んだとしてもきちんとキャリアを築くことができる、そういう社会であるのが理想だと考えます。
ただ、そうはいっても社会はなかなか変わりにくいので、自分で選択していくしかないのが現状です。自分の身体を守ることができるのは自分だけです。そのことを忘れずにしっかりと向き合っていく必要があります。

砂川:自分の体を守るという意味のあるセルフケアですが、症状が出たときに薬を飲んで良くなったら終わってしまうようなイメージがあるかもしれません。当社が推進しているセルフケアは、その時の対処だけでなく、もっと先を考えて自分のからだに向き合っていくことだと思っています。製薬会社としては、「薬で治しましょう」と終わらせるのではなく、まずはつらい時には市販薬で和らげられること、けれど原因のわからない症状や、なかなか治らない場合、繰り返す場合には病院に行きましょうと受診を促すことをセットで発信していくことが重要だと思っています。優れた効き目の薬を自社の製品として多数もつことは、研究開発力を強みとする当社がこだわりたい点でもありますが、効くがゆえに症状を乗り切れてしまって、その連続が受診機会を逸してしまうことも、もちろん避けなくてはなりません。

笹尾:おっしゃる通りです。乗り切れてしまうからこそ、気が付いた時には根本的な原因が悪化していた……なんてこともありうるわけです。痛いのに、我慢して薬を飲まないという選択肢もよくありませんが、健康を過信しすぎず、上手く付き合うのがいいですよね。痛みを感じなくなると、自分ではもう治ったような気分になってしまいがちですが、根本的な原因を見過ごしてはいけません。薬を飲むのも、医師に相談するのも、判断するのは自分です。だからこそ一人一人のヘルスリテラシーが重要なんです。

“隠れ我慢”をし続けるのはよくない

砂川:先ほど「日本人女性は生理について話す機会が少ない」と触れましたが、生理だけでなく、他の婦人科系や、尿漏れなどの泌尿器系の話など、「そういったことを話すのは恥ずかしい」と思っている女性も多いですよね。そもそも、婦人科を受診すること自体、ハードルが高いと感じている方もいらっしゃいます。

笹尾:残念ながらそうなんですよね。自分の身体のことですから恥ずかしいことでは決してないし、むしろ話すことで誰かの知恵を借りることができるんですけどね。それと、「ママブロック」といって、つらい生理痛や不調を抱えた若い女性が婦人科を受診しようとすると、「結婚もしていないのに婦人科に通うなんて、妊娠していると思われたらどうするの?」「生理痛なんて、女性ならみんな我慢しているのよ」などと、母親によって婦人科への通院や治療が制限されてしまうことがあります。特に地方では、まだまだ婦人科=妊娠・出産のための病院というイメージが強いということもあります。しかし、今は初潮が早まり、子どもの頃から生理が重い子どももいます。親自身がヘルスリテラシーを高めて、自分自身の身体を知るだけでなく、それを子どもにも伝えていく必要があります。

砂川:また、もし自分は生理が軽い方だったとしても、周りにはいろいろなタイプの女性がいると、“知って、理解する”ことも大切ですよね。それは男性も同じで、女性の社会進出が進む今、女性ならではの悩みを男性も知っておくことは重要だと思っています。第一三共ヘルスケアでも、生理痛のメカニズムを考えた解熱鎮痛薬「ロキソニンSプレミアムファイン」を発売するにあたり、製品を開発、販売する自分たちが生理にまつわる理解を深めることが大切と考え、ブランド担当が、クイズ形式の理解度チェックや婦人科医の先生による動画研修を社員に向けて実施しました。その際にも「学ぶことの大切さを感じた」、「一緒に仕事をする上でどういう気遣いをすべきか教えてほしい」などの声が男性からあがっていたんです。

笹尾:それはとても素晴らしいですね。そうやって女性も男性も生理のことをもっと知ることが、世の中全体が変わっていくことにつながると思います。「生理休暇」がありますが、今の日本の生理休暇って、生理痛などがひどくて仕事ができないという人に、家でおとなしくしていなさいというものなんです。でも家で休んだからといって、痛みなどが根本的に解決するわけではありませんよね。それではいつまで経っても生理痛は改善されません。それではどういう制度が必要か、社会も会社もみんなで知恵を出し合わなければいけないと思います。

砂川:以前、PMSの記事で産婦人科医の稲葉可奈子先生にインタビューさせていただいた際に、まさに生理休暇の話が出て。生理が重くて休むかどうかなんてその日になってみないとわからないし、大したことないのに生理休暇を使って休んじゃダメなんじゃないかって思ってしまう人もいる。そうではなくて、痛くても痛くなくても生理が来るタイミングで婦人科を受診することにして、生理休暇はそのように活用していくといいんじゃないか、と。受診して原因がわかって、自分の症状に合った治療をすれば、長い目で見たら休まなくて済むようになり、会社的にもハッピーになりますよね。

笹尾:女性だけでなく男性もですが、日本人はやはり周囲の空気を必要以上に読んだり、自分のことを後回しにしがちです。生理の問題だけでなく“隠れ我慢”をし続けるのは心身の健康にとっても良くないので、ウェルビーイングのためには、まず隠れ我慢をしないということが本当に大切です。そこからまず改善していきたいですね。

――ありがとうございます。
後編では、女性総合職第1号として日本テレビに入社した笹尾さんが当時大変だったこと、そして隠れ我慢をし続けることの影響についてお話を伺います。

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