専門医が教える、朝と昼の温活ルーティン!冷えに負けないために【前編】

2025年10月15日
秋冬へと季節が進んでいく中で、少しずつ実感するようになるのがからだの冷え。からだの冷えは、心身のさまざまな不調を起こすと言われています。毎年のことだから「まぁ、大丈夫だろう」と冷えを放置してしまう人も多いかもしれませんが、放っておくと別の健康問題につながる恐れも…!?そこで、前編では日常生活の中で無理なく実践できる冷えに効果的な朝昼の温活ルーティンについて、福田千晶先生に教わります。
[お話を聞いたのは…]

からだが冷えることは“不快”な状態であり、さまざまな不調を引き起こす原因に!

―からだが冷えることによって、どのような影響がありますか?
からだの冷えによって生じるデメリット
- 不快感がある
- 自律神経が乱れる
- 睡眠の質が低下し、眠りが浅くなる
- 胃腸の働きが悪くなる
- 心身の強張り(こわばり)や緊張感が続き、リラックスできない
- 小さなことでもイライラしてしまう
- 血行不良で肩こりや関節痛、頭痛、生理痛が起こりやすい
- 皮膚の乾燥で肌トラブルが起こりやすい
- 免疫が下がり、感染症に弱くなる
- 女性は生理痛や生理不順、妊娠しにくくなる可能性も
福田:からだが冷えることによるデメリットには、上記のようなことが挙げられます。例えばからだが冷えた状態で寝ると、睡眠の質が低下して、眠りが浅くなってしまいますよね。からだが冷えること、そして寒いことは、単純に“不快”な状態であり、リラックスしにくいというのがまず言えることだと思います。そして、その人にとってもともと弱いところに不調が出ることが多いです。肩こりになりやすい人は肩こりになったり、眠りが浅い人はさらに眠りにくくなったり…。さまざまな不調を起こす原因になるのが、からだの冷えと言えるでしょう。冷えからからだを守ることが最優先されるため、冷えによってホルモンバランスの乱れを招き、その結果として生理痛や生理不順、妊娠しにくい状況になる場合も考えられます。
―極端に冷えを感じたり、だるさがなかなか回復しなかったりする場合、専門家を受診するべきでしょうか?またその場合、何科を受診したら良いですか?
福田:そうですね。もちろん別の病気からくる冷えもあるので、自分自身が不安に感じたり、工夫をしても改善しなかったりするようであれば、それが受診の目安になるかと思います。一般的には内科が良いと思います。現在進行形で婦人科や心療内科を受診されているようであれば、もともとの病気が関係している場合もありますし、まずはその主治医に相談してもいいでしょう。
からだを温めることで、心身が自分にとってベストな状態へ整っていく

―逆にからだを温めると、どのような影響がありますか?
からだを温めることによるメリット
- ほっとして、リラックスできる
- 自律神経が自動的に調節される
- 胃腸の働きが整う
- 疲れにくくなる
- 肌の血色やコンディションが良くなる
福田:からだがある程度温まった状態だと、ほっとして、リラックスできますよね。心臓のリズムは理想的な速さに、血管の太さや発汗量、胃腸の働きも整い、からだを自分にとってベストな状態に持っていきやすいと言えます。そうすると心身が落ち着いた状態になるので、疲れにくくなります。また、からだが温まると肌の血色やコンディションが良くなるのは、血管が適度に広がって肌に赤みが出て、さらに皮膚までしっかり酸素や栄養素が行き渡ると考えられるからです。
温かい水分やエネルギー源を朝食で摂るのがカギ【朝】の温活ルーティン

Morning routine
1. 軽い羽織や靴下などで、朝の準備中もからだを冷やさない
福田:起床時は体温が低くなる傾向がありますが、一度冷えてしまうと、からだを温めるには大きなエネルギーが必要です。起床直後から内側と外側からしっかりからだを温めることを意識して行動してみましょう。ちょっとしたことですが、起きたらすぐ軽めの羽織をプラスしたり、靴下やルームシューズのようなものを履いたりするのがおすすめです。朝からからだが温まるとスッキリ目覚められて、血行が良くなり活動的な一日を始められますよ。
2. 温かい飲み物で水分補給
福田:寝ている間に脱水状態になっている可能性があるため、朝の水分補給は不可欠です。このとき少し温かいものを飲むことで、からだを温めてあげましょう!白湯でもお茶でも、温かい水分であればお好みのもので大丈夫です。出かける前は、少しとろみのあるココアやスープもおすすめ。とろみのあるものをお腹の中に入れておくと、しばらく体内の温かさを保持することができます。
3. 朝ごはんはしっかりと!
福田:エネルギー源になる炭水化物や、消化の段階でも熱を作りやすいたんぱく質を中心に、朝ごはんはしっかり食べましょう。
4. 洋服は“空気の層を重ねる”イメージで重ね着を
福田:服の選び方もポイントがあります。空気の層を何層にも重ねていくことが、寒さ対策として重要。トップスにもボトムスにも薄手のインナーを重ねることで、保温性を高めることができますよ。
からだの中で熱が逃げやすい3箇所に注目!【昼】の温活ルーティン

Daytime routine
1. 1時間に1回は軽くからだを動かす
福田:デスクワークの方の場合も、状況が許されるならば1時間に1回は立って少し歩いたり、からだを動かしたりしていただきたいですね。ずっと同じ姿勢でいないように注意してください。
2. 温かい水分をこまめに摂る
福田:寒い時期は外気はもちろん、暖房によっても乾燥し、意外と脱水状態になることも多いです。水分補給はこまめに、そしてできるだけ温かいものを飲むようにしましょう。
3. 熱が逃げやすい、首・二の腕の後ろ・膝の後ろの3箇所を温める
福田:からだの中で特に熱が逃げやすいのが、首・二の腕の後ろ・膝の後ろの3箇所です。ここは衣服で温かく覆うようにしましょう。例えばインナーはキャミソールより半袖タイプを選ぶなど、デスクワークで膝掛けを使う場合も、ただ掛けるだけではなく、膝の後ろまでしっかり包むイメージです。
4.脱ぎ着できる羽織やストールで体温調節
福田:秋は朝晩で寒暖差がある時期なので、羽織やストールなど、簡単に着脱できるもので体温調節をして、気持ちよく過ごしたいですね。
福田先生に教えていただいた温活ルーティンは、日常生活ですぐに取り入れられるものばかり!早速実践してみたいですね。後編では、効果的な入浴方法など夜の温活ルーティンについて詳しくお聞きします。
- 1
いいね!