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胃腸にまつわるエトセトラ

胃腸にまつわるエトセトラ

March 1, 2016

  • 編集:健康美塾編集部
  • 文:小野貴弘
  • イラスト:小迎裕美子

更新日:2023年05月29日

社会人ともなるとこの時期は、人事異動にともなう歓送迎会や楽しい飲み会などが続いて飲み過ぎ・食べ過ぎで胃がお疲れモード、はたまた期末の追い込みでストレスも多くて胃がキューッなんて、胃の不調をかかえがちな人も多くなるのではないでしょうか。またその一方で「胃腸薬」に頼りたくても、イマイチ飲むタイミングと選び方がわからなくて、距離を置いている人もいるのでは?食生活はもちろんのこと、環境や生活習慣の変化に敏感な胃とうまくつき合っていくために、奥が深い「胃腸ワールド」あるあるを検証していきたいと思います。

思い込みcase:1

「胃がもたれている」のは食べ過ぎが原因? 「食後」と「空腹時」の胃もたれでは対処法が違うの!?

よく胃腸薬のパッケージを見ると「胃の痛み、胃もたれ、胸やけ、むかつき」の症状が書いてありますよね。まず、これらの「症状名」を具体的に表現してみましょう。
「胃の痛み」はシクシク、ズキンズキン、キューと差込むなどの痛みが見られます。「胃もたれ」は胃が重く感じられたりします。「胸やけ」は胃酸が逆流することで起こる胸がヒリヒリと焼けるような感覚。「むかつき」は吐き気に近いものと区別されます。これらは空腹時などの胃酸が影響して起こることも多い症状のため、胃酸の出過ぎを抑えることが対処法のひとつとされています。

でも、ちょっと待って。たとえば「胃もたれ」は食べ過ぎなどの食後に多い症状なのでは?そう思っている方もいるかもしれません。しかしながら「胃もたれ」は、食べ過ぎのときだけでなく、加齢や運動不足などによる胃の働きの低下やストレスがかかったときにも出ますし、胃に異常が見当たらないのに生じることもあります。
さらに、たとえば食後なのに胃腸薬を飲んで胃酸の出過ぎを抑えたら、余計に消化が遅くなって胃に悪い影響があるのでは?そんな不安もよぎってしまいますよね。

こうしたようなモヤモヤが、あなたと胃腸薬の出会いを妨げているのかもしれません。
自分にあった症状の胃腸薬を選びかねている方に、ポイントを教えましょう。それは、その不快な症状がなぜ起こっているかということです。

食べすぎが原因の場合:
食後に生じる胃のつらい症状は、食べたものが消化しきれずに胃がもたれている可能性があるので、この場合は、食べ物の消化を促す成分(消化酵素成分や健胃成分)が入った総合胃腸薬(「第一三共胃腸薬」など)を服用して、胃の消化する力を補ってあげましょう。

胃酸過多の場合:
食後以外の食間・空腹時で胃の不快感がある時は、ストレスなどによる胃酸の出過ぎが影響しているのかもしれません。
胃は胃酸で自分を溶かしてしまわないように胃粘膜から粘液を分泌して胃壁を守っています。この胃粘液と胃液のバランスがとれていれば、胃は健康を保てます。逆に言うと、「胃酸が過多な状態」では、このバランスが崩れ、自分の胃を攻撃します。不快な症状はその攻撃をカラダに伝えるサインなのです。

この場合には出過ぎた胃酸を中和する制酸剤や、胃酸を元から抑えるH2ブロッカー(「ガスター10」など)を選択肢として考えてみましょう。

というように不快な症状の出る原因を考えてみることは、胃腸薬を選ぶときの判断材料としてとても有効なんです。

そうそう、刺激物や脂質の取り過ぎも胃の不快の原因のひとつ。我々女性は得てして辛いものや、クリーミーな美味しい食べ物が大好きですよね。辛いものは胃酸の分泌を促進させるので、胃粘膜が荒れてしまい胃が痛むこともあります。油っこいものは消化に時間がかかり胃に負担がかかってしまうので、もたれや胸やけを起こすこともあります。
前者には胃酸を元からコントロールする「ガスター10」を、後者には胃の消化を助ける成分が入っている「第一三共胃腸薬」をオススメします。くれぐれも食べ過ぎにはご注意を!

思い込みcase:2

胃酸の分泌を抑えてしまうと、 食べ物の消化が悪くなってしまうのでは?

空腹時の胃もたれや、胃痛・胸やけなどの胃酸の出過ぎが原因と考えられる症状なら、胃酸を抑えるのが効果的、とご紹介しました。胃酸は食べ物の消化に必要なものですが、過剰に分泌されると胃粘膜を攻撃して、胃の不快な症状を引き起こします。
しかし待てよ?とここでもうひとつの疑問が。
「胃酸を抑えすぎたら、今度は食べ物の消化ができなくなってしまうのでは?」
そこで知っておきたいのが、食べ物の消化のしくみ。
食べ物は口で咀嚼され細かくなり、食道を通過して胃へ運ばれ、蠕動(ぜんどう)運動により、消化酵素や胃液と混ぜ合わされ、粥状となって腸へ運ばれて栄養が吸収されます。このように、食べ物は咀嚼・蠕動運動・酵素・胃酸により消化されます。なかでも胃酸は強力な酸で食べ物を溶かします。

その胃酸の分泌には、胃粘膜の壁細胞膜上にある「3つの起動スイッチ」が関係しています。
食事などの刺激によって分泌される「アセチルコリン」「ガストリン」、そして「ヒスタミン」です。この3つのスイッチが食やストレスなどの刺激を受けることにより、酵素を介して分泌されているのです。
イメージとしては、胃粘膜にあるスイッチが反応する装置に、これらの3つのスイッチがカチャンと結合すると、胃酸が分泌されるというしくみです。

ここで話を「薬で胃酸を抑えるしくみ」に戻しましょう。
「ガスター10」は、「H2受容体」というヒスタミンが結合して胃酸を出す受容体に結合し、ヒスタミンの結合をブロックすることで、過度な胃酸の分泌をコントロールしてくれます。これはイメージすると、蛇口から出てしまった胃酸に対処するのではなく、“胃酸分泌の蛇口そのものを締めて、ジャバジャバ出ている胃酸をポタポタの状態にする”感じです。これで胃粘膜への胃酸による過度な刺激を抑えるのですね。

そして一方で、胃酸の分泌はヒスタミンだけが作用しているのではなく、前述したように、食事などの影響で分泌される残り2つのスイッチがあります。
このアセチルコリン、ガストリンの作用によっても胃酸は分泌され、これらはヒスタミンH2受容体を介さないので、「ガスター10」を服用しても食べ物の消化に必要な胃酸までを抑えてしまうということはないのです。
H2受容体を選択して抑える、このことから「H2ブロッカー」と呼ばれていることも、ぜひあわせて覚えてみてください。

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