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生理前のイライラにどう向き合う?夫婦で考えるPMSとの付き合い方

2026年05月07日

フェムケア

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生理前や生理中は、心身に不調が出やすいタイミングです。頭痛や腹痛、吐き気、貧血などの症状に加えて、気分の落ち込みやイライラといった精神的な不調を感じる人もいます。

こうした症状を自覚する影響で、パートナーや家族など周囲の人に当たってしまった――そんな経験がある人もいるのではないでしょうか。

生理前・生理中の症状には個人差があるうえ、男女間で認識にずれが生じることも少なくありません。そこで今回は、女性のヘルスケアに詳しい産婦人科専門医の稲葉可奈子先生と、結婚3年目を迎え「ふたりの時間をより心地よいものにしたい」と話す長谷川有輝子さん・五輝さんご夫妻とともに、生理でつらい期間にも自分自身や周囲の人と心地よく関わっていくためのヒントや、パートナー目線での向き合い方などを探ります。

生理前に不調を感じる女性は7〜8割ともいわれている。「自分が悪い」と責めないで

―有輝子さんは、生理前や生理中に不調を感じることはありますか?

有輝子:わたしはPMS(月経前症候群)があまりなく、元々生理前の浮き沈みが激しいほうではありませんでした。でも、年齢を重ねるにつれて徐々に変わってきたと感じています。

これまで2回出産をしたのですが、出産のたびに生理痛が増している気がしますし、生理中に落ち込んだり、イライラしたりしやすくなってきました。

稲葉先生:年齢や出産をきっかけに、生理の症状が変化することはよくあります。年齢を重ねることで軽くなる方、重くなる方、両方いるんですよ。たとえば子宮内膜症の方の場合は、産後に生理痛が軽くなることもあります。

有輝子:「出産したら楽になる」と聞いたことがあるのですが、女性のなかでもいろいろなケースがあるんですね。

稲葉先生:そうですね。私は産婦人科医としていろいろな症例を見ていますが、みなさん基本的に自分のことしかわからないので、女性間でも認識にずれが生じることもあります。

また、世代間でも捉え方に差があります。娘さんが母親に「生理痛がしんどい」と訴えても、母親自身にあまり症状がないと、「それくらい普通」と放置されてしまう場合もあります。まずは、生理の症状は人によって大きく違うということを知ってほしいですね。

―そもそも、生理前や生理中の不調はなぜ起こるのでしょうか?

稲葉先生:女性のからだでは、月周期でエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが乱高下を繰り返しています。とくに、生理前のメンタルの不調は、この2種類の女性ホルモンの分泌量の大きな変化による影響が大きいといわれています。

生理でメンタルが不調になったときに「気持ちをコントロールできない自分が悪い」と責めてしまう方もいるのですが、そんなことはないんですよ。ホルモンの変動が原因なので、自分ではどうしようもないことなんです。

有輝子:そうなんだ……!今度生理中にイライラしてしまったら、自分のせいだと思いすぎず、ホルモンのせいだと思うようにします(笑)

―実際にPMSなどの不調を感じている人は、どのくらいいるのでしょうか?

稲葉先生:生理前に頭痛、腹痛、眠気など、何らかの不調を感じる日本人女性は7〜8割ほどいるといわれています。そのうち、約5%は日常生活に困難を感じています。(※1)。

また、PMSでなくても、生理に伴って仕事のパフォーマンスが元気な状態のときと比較して半分以下になるという方は約半数にのぼるともいわれており(※2)、多くの女性が、日々生理に伴う不調を感じているのです。

※1 公益社団法人 日本産科婦人科学会「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」より※2 日本医療政策機構「働く女性の健康増進調査 2018」より

生理を巡るパートナー間のよくあるすれ違い

―有輝子さん・五輝さんは、生理中にパートナー同士のコミュニケーションですれ違いや衝突が生じた経験はありますか?

五輝:一緒にいて「今日は機嫌が悪いのかな?」と感じることはあります。僕もつい言い返してしまって、少し喧嘩になったこともありました。

有輝子:普段は自分のなかで「まあ良いか」と消化できていることでも、生理前や生理中だとイライラしちゃうこともあります。

たとえば、家の歯磨き粉がもうすぐなくなるタイミング。夫が新しい歯磨き粉を出してくれるのは嬉しいんですが、そのまま新しいほうばかり使うんです。そうすると、あと少しでなくなる古い歯磨き粉がずっと残る。本当にどうでも良いことなのに、生理前になると「え?最後に使い切って捨てるの、わたしの役目ってこと?」と急に引っかかってしまったりするんです(笑)

五輝:なるほど。それは改善しないといけないですね。僕からすると、「なんで不機嫌なんだろう」「なんで今日は当たりが強いんだろう」と不思議で。考えてもわからないし、なんと声をかけたら良いのかわからないのでうまく解決できず、雰囲気が悪くなることもありました。

稲葉先生:そういう負のスパイラル、よくあるんですよ。そもそも女性自身もPMSについて十分に知らなくて、自分でもなぜイライラしたり落ち込んだりしているのかわからない場合もあります。

また、女性側がPMSを理解していたとしても、男性側に伝えたときに全然理解してもらえずに、さらにこじれてしまったという話も聞きます。小学校や中学校で生理について学ぶ機会はありますが、説明が十分とはいえません。まだまだ理解が追いついていない人も多いと感じます。

五輝:僕が小中学生の頃は、生理について学ぶ授業は男女別で受けました。だから、女性の生理やPMSについてきちんと習った記憶はないんですよね。

稲葉先生:いまも男女別で授業を行っている学校はありますが、最近はだんだん一緒に授業をやる学校も増えていると聞きます。男性も生理やPMSについて知る機会が増えれば、お互いにもう少しコミュニケーションがしやすくなりそうですよね。

婦人科で生理のつらさを和らげる選択肢も

―稲葉先生から見て、生理についてパートナー間で共有しておくべき知識はありますか?

稲葉先生:最初にお話しした通り、生理の症状は人それぞれ大きく違うことをまず知っておいてもらいたいですね。そのうえで、どんな症状が出やすいのかをパートナー間で共有できていると良いと思います。

それから、生理前や生理中のつらさは、ただ我慢するしかないものではありません。気遣いや共感ももちろん大事ですが、婦人科で適切に対処することで改善できる場合もあります。医療の選択肢があることも、ぜひ知ってもらいたいですね。

有輝子:対処法というと、具体的にどんな方法がありますか?

稲葉先生:主に、症状の背景にあるホルモンの変動をコントロールする方法があります。すぐに妊娠を希望しているわけでなければ、低用量ピルなどの内服薬や、子宮内に挿入するプロゲスチン製剤を使うことで、生理痛が軽くなったり出血量が減ったりする方も多くいます。

実際に、メンタル不調の症状が強かった患者さんから「ピルを飲みはじめてから気持ちが穏やかになった」「周りの人にきつく当たってしまうことが減った」といった声も多くあります。

PMSの症状が和らぐことで、自分だけでなく身近な人との関係も楽になることがあるので、我慢を続けるのではなく、ぜひ活用していただきたいですね。

有輝子:勝手なイメージで、ピルなどのくすりを使うことに対して抵抗を感じてしまっていて、本格的に調べたことはなかったです。でも、今日のお話を聞いて、印象が変わりました。とくに子育て中なので、なかなか自分のケアまで手が回らなくて…。

稲葉先生:わたしも子どもがいるのでその気持ちはよくわかります。実際、患者さんからも「生理中に子どもに当たってしまい、自己嫌悪に陥る」といったご相談もよく受けるんですよね。ただ、そういった不調も、ホルモンの変動をコントロールすることで改善できる部分があるんです。

パートナーと前向きに生理期間を乗り切るために

―有輝子さん・五輝さんは、生理前や生理中のすれ違いが起こったら、どのように関係を立て直してきましたか?

五輝:以前は、しんどそうに見えたときに、「大丈夫?」と言葉をかけるだけで終わってしまっていました。でも、それだけではぶつかることもありましたね。最近は、少しずつですが、具体的に何をしてほしいのか教えてもらって、それを実行するようになってきました。

有輝子:声をかけてくれるのでも優しさは伝わるのですが、「声をかけてくれるなら察して行動してよ!」と思ってしまっていたんです(笑)

でも最近は、「生理痛で少し横になっていたいから子どもを見ておいてほしい」など具体的に伝えることで、前より過ごしやすくなりました。伝えれば必ず助けてくれるので、その安心感があることが、わたしにとっては一番ありがたいですね。

あといまは、もう事前に「そろそろ生理だから、わたしはイライラしはじめるかもしれないよ」と伝えるようになりました。

五輝:事前に伝えてもらえるだけでも、だいぶ心構えが変わりますね。僕は喧嘩をするのが好きじゃなくて、不機嫌になっている人を見るとどう対応したらいいか困ってしまうところがあって…。

有輝子:そうそう。わたしが不機嫌になっているのを見て怒ってたもんね(笑)

五輝:でも、事前に生理の不調を伝えてもらえることで、いまはそういうタイミングなんだなと理解できますし、サポートもできます。

稲葉先生:自分の状況を相手に伝えることは、とても重要ですね。男性は生理を経験することはできないので、そのつらさを完全に理解するには限界があります。だからこそ、状況をしっかり共有するのが大切なんです。

―生理の不調があるとき、本人や周囲にできることとして、先生の立場からアドバイスをいただけますか?

稲葉先生:お二人のような歩み寄りのコミュニケーションが取れていると良いのではないでしょうか。また、不調が強い場合は、「婦人科を受診する」という選択肢があることも意識していただけたらと思います。

有輝子:婦人科って、どうしても行くのにハードルの高さを感じてしまうんですよね。なんだか遠い存在のように感じていたのですが、気軽に行っても良いんですか?

稲葉先生:歯が痛かったら歯医者さんに行くように、生理痛があるなら婦人科に相談に行って良いんです!婦人科に頼ることで、ご本人が楽になるだけでなく、お互いを大切にできる関係にもつながっていくのではないでしょうか。

―最後にあらためて、長谷川さんご夫妻と先生が考える、生理期間中もお互いが無理なく過ごすために大切なポイントを教えてください。

五輝:これまでも、なんとなく妻に寄り添おうとしてきたつもりでした。でも今回、先生のお話を聞いて、理解していなかった部分もたくさんあったと気づきました。男性は生理を経験しようとしてもできないので、今後も「わかっている」つもりにならずに、しっかり話し合いながら向き合っていけたらと思います。

有輝子:わたしも今回の取材まで、知らなかったことがたくさんありました。どこかで「生理は気合いで乗り切るもの!」と思い込んでいた部分もあったのですが、婦人科で改善できることもあるとわかったのが学びでした。

「生理はしんどくて当たり前」ではないことを、パートナー間でお互い心に留めておけば、より建設的にコミュニケーションを取れそうだと思いました。それから、生理の話に限らず、男性は男性でつらくなるときもあると思うので、夫のしんどさにも敏感になってコミュニケーションを取っていきたいです。

稲葉先生:そうですね。男性と女性はどうしてもからだの違いがあるため、お互いに理解しようとしてもわからない部分があることを認識しておくことが大切です。

普段からパートナー同士で、困っていることや相手にしてほしいことを話し合いながら歩み寄っていくことができたら、より良い関係性を築けるのではないでしょうか。

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