くすり箱が育む絆-3つの家庭にインタビューして見えてきた、常備薬が家族にとって重要な理由
2023年06月01日
家族が怪我をしたときや、体調を崩したとき。病院に行くのはもちろんですが、いざというときのために絆創膏や消毒薬、風邪薬や痛み止めを入れておいた「くすり箱」を活用するご家庭も多いのではないでしょうか。今回は、そんなくすり箱をテーマに家族構成の異なる3つの家庭へ、インタビューを実施。それぞれのくすり箱の中身や、使用シーン、用途などをうかがいました。家庭で使用する薬のニーズを探りながら見えてきた、家族のかたちとくすり箱との関わりとは?
「お母さん、貼って!」。絆創膏から生まれる、親子のコミュニケーション
・お名前:Y.Oさん(42 歳 / 会社員)
・家族構成:夫(44歳 / 公務員)・長男(9歳)・次男(3歳)
・関東の離島在住
・くすり箱について:絆創膏やテープ、高機能タイプの絆創膏。ほか葛根湯や整腸剤、下痢止め、酔い止め、うおの目の薬など。
何種類も絆創膏があるのは、子どもが遊んだり、スポーツをしたりして、よくすり傷をつくるから。次男は絆創膏を貼ると安心するのか、血が出ていなくてもすぐに絆創膏を貼りたがるんです(笑)。絆創膏は一番手前に入れて、子どもが自分で取りやすいようにしています。
あとは、住んでいる場所柄、船での移動が多いので、酔い止めは欠かせません。家族全員、船酔いしやすい体質のため、心配なときは私も子どもと一緒に同じ酔い止めを用法に従って飲んでいます。
くすり箱を置いたのは、結婚してからです。当初は「ザ・くすり箱」みたいな木箱を使っていたのですが、子どもが大きくなるにつれて、絆創膏の出番が増えてきたので、いまのような絆創膏中心のくすり箱を設けました。貼りたいときに自分でどうぞ、という感じで(笑)。傷薬や消毒液、絆創膏がはがれないためのテープも、子どもができる前と比べて格段に増えましたね。ちなみに薬の期限に関しては、そこまで時期を決めて管理できているわけではないですが、気づいたときにチェックするようにしています。
くすり箱を備えておく一番の利点は、とっさの怪我にすぐに対応できるところだと思います。以前、子どもの友達が家に遊びに来た際に怪我をしてしまったときも、すぐに消毒して、絆創膏を貼ってあげられて。キャラクターがデザインされた絆創膏を貼ったらすごく喜んでくれたので、怪我の手当てができただけでなく、動転した気持ちも少し落ち着かせてあげられました。
とっさの対応といえば、いま解熱鎮痛薬がくすり箱に入っていないんですよね。島の診療所に行けないときに熱が出たときのことを考えると、用意しておいたほうが安心と思ったので、今後準備してみてもいいかなと思いました。
置き場所は、日が当たらず気温差が小さく、家族の誰でもアクセスできるリビングの収納棚にしています。必要なものを取り出しやすいよう、使用頻度の高い絆創膏を手前に置いたり、サイズ分けをしたりして、中身の仕分けも工夫しています。一番くすり箱を使うのは次男で、週に1回は絆創膏を貼っていますね。
長男は3歳くらいのときから自分で絆創膏を使い始めました。私がくすり箱から絆創膏を取り出して貼ってあげたりする様子を見て、徐々に使い方を覚えていったようです。絆創膏をいっぱい使われるともったいない……という気持ちももちろんあるのですが、自分でできることは自分でやってほしくて。以前あまりに使いすぎていたときに、「これは怪我したときだけだよ」と注意したら、それ以降は適切に使ってくれるようになりました。いまは私に頼らずに、怪我をしたら自分でくすり箱から絆創膏を出して処置しています。
一方で、貼りづらい箇所に貼りたいときは、「お母さん、貼って」と頼まれることもあって。くすり箱を通じて子どもの自立性を育みながら、親子間のコミュニケーションのようなものも生まれていたら嬉しいですね。
第一三共ヘルスケアより一言
くすり箱の様子からうかがえた、健やかなご家族の姿が印象的でした。くすり箱の中身の管理については、第一三共ヘルスケアが運営しているメディア「くすりと健康の情報局」にチェックリストをご用意しているので、中身の参考や期限管理にぜひご活用ください。正しい保管方法や、捨て方も紹介していますよ。環境やライフスタイルに合わせて市販薬を備えておくことで、いざというときに役に立ちますし、日頃の安心につながるのではと思います。
「くすり箱は、親がいないときの親代わり」。子どもの成長のきっかけにも
・お名前:M.Sさん(49歳 / 会社員)
・家族構成:夫(49歳 / 会社員)・長女(14歳)・長男(11歳)
・都内在住
・くすり箱について:くすり箱は主に3種類用意。
青い屋根の缶は、リビングに設置。消毒液や綿棒、絆創膏、虫刺されの薬など、親が仕事で家を空けているときに、子どもたちだけで使っていいものが入っている。
3種類あるガラス瓶は、子どもが日常的に使用するものが入っている。透明なものには、いつも使っている目薬と、毎朝学校に行くときに検温するための体温計。ピンクのフタは長女、青のフタは長男というように色分けし、花粉症の薬や解熱鎮痛薬を入れている。
半透明のプラスチック製のボックスは、夫専用。点鼻薬や胃薬、大人用の頭痛薬など。ほか、シップや、病院で処方された内服薬なども。管理は夫にほぼお任せ。
また、体温計の予備やコロナ検査キット、包帯など、子どもに触ってほしくないものの保管用としての木箱も用意しているとのこと。
長女はそれほど薬を使う機会がなかったのですが、長男は転んで怪我をしたりささくれをむいたりしてしまって、絆創膏が必要になることが多くて。そのたびに、仕事中でも長男から「絆創膏どこ?」と電話が何度もかかってきて……。本人も場所がわからないと困りますし、私もその都度対応するのが大変だったので、これはきちんと子どもの手の届く場所にわかるように置いたほうがいいな、ということで、いまのようなくすり箱をつくりました。でも結婚したばかりの頃は、くすり箱は特に用意していませんでしたね。
ガラス容器のものは毎日子どもが自分で開けて使っています。透明な容器は薬の保管に向いていないと聞いたこともあるのですが、なくなったことに気がつかないと困るので、残量が確認できるよう、容器は透明なものにして、日の当たらないところに保管しています。
子どもが転んだときに使う消毒液や絆創膏は、子ども自身が使いやすいことを重視しています。消毒液なら液が一度に大量に出ないものであったり、目薬なら沁みないものであったり。長女が主に服用する解熱鎮痛薬は、眠くなりにくいものを選びました。
私が長女くらいの年齢の頃は解熱鎮痛薬を服用することがなかったので、どんなものがよいのかわからなくて、薬局に行って飲みやすそうなものを探しながら、最終的には長女本人と相談して購入しました。長男が頭痛を訴えたときにも飲ませてあげられるので、重宝しています。
くすり箱を用意してよかったことは、仕事中の長男からの電話が圧倒的に減ったこと(笑)。絆創膏は以前、あまりにも使う量が多いので、専用の箱を用意していたこともあったのですが、花粉症の内服薬などを服用するようになってからは、いまのかたちに落ち着きました。必要だと思ったものをその都度買い足しながら、子どもの成長とともにアップデートを繰り返していますね。
言うなればくすり箱は、「親がいないときの親代わり」みたいなものでしょうか。私がいないときも、手に届くところに絆創膏や塗り薬があったら子どもも安心できます。くすり箱をつくったことで、私を頼らずに自分で手当てができるようになりましたし、子どもたちの成長のきっかけにもなったかなと思います。
第一三共ヘルスケアより一言
M.Sさんご一家にとってくすり箱は、お子さんにとっては親のように頼れる存在、親のM.Sさんにとってはお子さんを守る存在であるように感じました。お子さんの手の届きやすい場所に置いておくべきものと、そうでないものをしっかり分けることで、実用的かつ安全に保管されていて、すばらしいです。ご家族の年齢や構成に合わせて、くすり箱のベストな内容は変わっていくと思うので、必要に応じてアップデートされているというエピソードが印象的でした。
「子どもや夫が不調を訴えたら、すぐに対処してあげたい」。アレルギー持ち一家にとっての「心の支え」
・お名前:M.Kさん(51歳 / 介護職)
・家族構成:夫(50歳)・長男(18歳)・長女(13歳) / 義理のご両親と二世帯住宅にて同居中
・首都圏在住
・くすり箱について:置き場所を2か所に分けており、1つが台所とリビングのあいだに置いている棚の引き出しの上段。家族全員アレルギー体質で、一年中花粉症の症状が出るため、買ってきた漢方薬などをまとめて収納している。またM・Kさんは頭痛持ちのため、頭痛薬が必須だそう。そのほか、咳止めや喉が痛いときに飲む薬、胃薬など。胃薬は主にプレッシャーやストレスを感じやすい長男が使用。
もう1か所のくすり箱は、引き出し下に。中身は主にテーピングとシップ類。子どもが2人ともバスケットボールをしているため、出番が多いそう。
子どもたちがまだ幼いうちは小さなくすり箱で済んでいたのですが、成長するにつれて、市販薬などがどんどん増えてきて。10年前にいまの家に引っ越してきたのをきっかけに、薬をまとめて入れる場所を確保しようと思って、引き出しに収納するようになりました。リビングが近いので、家族全員の手に届きやすいところということで。
市販薬は「こういう症状に効く薬がほしい」と思ったら、薬局に行って、薬のパッケージの裏を見ます。同じような効能の薬が数種類置いてあることが多いので、成分を見比べながら選んでいます。そこまで詳しいわけではないのですが、自分の納得できる範囲で、よいと思ったものを手に取るようにしていますね。
ふだんは常備薬として家に置いていますが、旅行などの外出時にもそのまま持っていけるように、持ち運びのしやすさを考えて選んでいます。持ち運ぶときは、各自必要な常備薬のほかに、腹痛やのどの痛みなど、イレギュラーな症状にも対応できる薬も念のため持って行くようにしています。
私は頭痛持ちなので、解熱鎮痛薬があるととても心強いです。ちょっと頭が痛いな、と思ったときにすぐに飲めばあっという間に治りますが、我慢して薬を飲まないでいると、痛みが長引くんですよね。くすり箱だけでなく、仕事で腰から下げているポーチにも常備して、痛みを感じたら服用できるようにしています。
くすり箱は近くになかったら不安になってしまう、とても大事なものです。家族の誰かがお腹が痛い、頭が痛いと言ったらすぐに治してあげたいし、子どもたちがバスケットボールで足をくじいてしまったら、すぐにシップを貼ってあげたい。家族のさまざまな不調に対処するために、なくてはならない存在です。
第一三共ヘルスケアより一言
ご家族の体調管理をするうえで、くすり箱が生活と密着していることが伝わってきました。市販薬を購入されるとき、パッケージの裏にある記載内容をチェックされているのも、すばらしい選び方だと思いました。M.Kさんがご家族にとっての心の支えになっていて、M.Kさんにとっての心の支えとしてくすり箱があって。市販薬が家族の暮らしのなかでお役に立てていることを、大変うれしく思います。ちなみに、引き出しで管理しているとのことですが、薬は温度と湿気に弱いので、梅雨や夏場など高温多湿の時期には、乾燥剤を一緒に入れておくとさらに安心ですね。
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