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からだのにおいはなぜ起こる?その対処法は?体臭の気になるあれこれを専門家に聞いてみた

July 3, 2023

  • 取材・執筆:宇治田エリ
  • イラスト:あないすみーやそこ
  • 編集:服部桃子(CINRA, Inc)

更新日:2023年07月04日

暑い季節になるにつれ、気になるシーンも増えてくる体臭。ふと感じる自分のにおいや近しい関係の人のにおいに「おや?」と思うこともあるのではないでしょうか。とはいえ、セルフケアできるものなのか、お医者さんに行ったほうが良いのか自分ではなかなか判断できないもの。そこで今回は、著書に『オトナ女子のためのスメらない手帖』などがある、産婦人科医でありにおいケアの専門医でもある上田弥生先生に、気になる体臭(※口臭を除く)のあれこれを聞いてみました。対処法の一つとして、においやニキビなどの原因となる雑菌を殺菌洗浄する洗浄料「クリアレックスWi」もご紹介します!

意外と知らない、体臭の種類と発生メカニズム

Q1.そもそも、なぜ体臭が発生するのか教えてください!

上田体臭の発生の仕方は、大きく2通りに分けられます。ひとつは、皮膚から出る汗と皮脂と垢などがあわさり、それを菌が分解することにより不快なにおいを生じる場合。もうひとつは、皮膚から発生するガスにより不快なにおいを感じる場合があります。

Q2.体質や年齢によって体臭は変わってくるの?

上田:まず前提として、体臭は年齢や性別、生活習慣、体質によって特徴が異なります。40代から増えるのは、「加齢臭」です。これは皮脂(パルミトレイン酸)の酸化で発生する「2-ノネナール」という成分のにおいで、枯れた草や古本、ろうそくのようなにおいがします。ただ、あまりにおいはきつくなく、不快感は少ないほうだと言えるでしょう。加齢により皮脂量や発汗量が減っていくにつれ、においも減っていくため、個人差はありますが60歳くらいをピークにして、それ以降減少し、70歳くらいにはあまり気にならなくなるでしょう。

ストレスや疲れを感じやすい人は、アンモニア臭のする皮膚ガスが汗に混ざることで起きる「疲労臭」も発しやすいです。また、皮膚ガスが発生し、硫黄のような、ラーメンにトッピングされたネギのようなにおいの「ストレス臭」を発することもあります。

Q3.体質などで発生する体臭ってあるんですか?

上田:ダイエットをしている人からも複数のにおいが出るのですが、極度の糖質制限をしている場合、体内の糖質が不足し、ケトン体が増えるので、体から腐ったリンゴのような「ケトン臭」が出ることが多いです。

年齢や性別を問わず強いにおいが起こりやすいのが「足のにおい」です。汗や皮脂・古い角質・垢などを皮膚の常在菌が分解することで、納豆やウォッシュチーズにも含まれる、「イソ吉草酸アルデヒド」という成分や酸っぱい酢酸のにおいが発生します。

お酒をよく飲む人には、「アルコールを飲んだ後の刺激臭」も起こりやすいです。アルコールのにおいそのものだけでなく、アルコールの分解産物であるアセトアルデヒドという成分が汗に出て、刺激性のにおいが発生します。また、アルコールを飲んだあとに血管が拡張することで発汗が増し、アポクリン腺からの分泌も増すことで腋などからにおいが強く発生することもあるのです。

Q4.日本人はにおいに敏感な人が多そうだけれど、特に気にする人が多い体臭はある?

上田日本で気にされることの多い体臭としては、「腋臭(わきが)」があります。これはアポクリン腺と呼ばれる、思春期から活発に働く汗腺からの汗がにおいを起こすものです。この汗には、たんぱく質・脂質・脂肪酸・コレステロール類・ミネラルなどが含まれ、脂肪酸を皮膚の常在菌が分解することで、「3-メチル-2-ヘキセン酸」というにおい成分が発生。特有のスパイシーな香りになります。アジア人で腋臭がある人は約10%にとどまるため、日本ではやや目立つ傾向にあり、不快なにおいとして受け取られることが多いようです。

体臭を発生させる「汗」にも違いがある

Q5.サウナの汗と緊張しているときに出る冷や汗は種類が違いそう。実際のところは?

上田:サウナはもちろん、運動後や暑いときに体温調整のために全身から出る汗を「温熱性発汗」といいます。これはエクリン汗腺からの発汗で、その成分はほぼ水でできており、微量の塩化ナトリウム、カリウム、カルシウム、乳酸、アミノ酸など、ミネラル分も含まれています。このタイプの汗は、発汗直後はほぼ無臭で、時間とともに菌が繁殖し、においが発生します。

緊張し、ストレスを感じているときにかく汗は「精神性発汗」。これも主にエクリン腺からの発汗ですが、ストレス時はアポクリン腺も活性化して発汗するので、腋臭のにおいも強く出やすくなります。また、汗をかく部位も限定されていて、額や首筋などの頭頚部、脇、手の平・足の裏が発汗することが多いです。また辛い物を食べたときに、頭皮や顔面を中心として上半身から発汗する「味覚性発汗」もあります。

Q6.季節によって、汗のにおいが違うような……。一番におう時期って?

上田夏は最も汗をかきやすい時期ですが、基本的に「温熱性発汗」が多く、その成分はほとんど水。さらに湿気がこもりにくい服を着ていたり、シャワーもまめに入ったりすることが多いので、ある意味においが発生しづらい時期だと言えます。一方で冬は、セーターやコートなど、通気性の低い服を着ることが多く、服自体もあまり洗わないため、汗のにおいが濃くなりやすいといえます。

そして最も汗のにおいが強くなりやすいのが春です。冬のあいだは汗をかきづらく、汗腺の動きが少なくなり、休眠汗腺が増えます。それが春になり汗をかくようになると、活動できる汗腺から発汗する際に、水分だけでなくミネラル分も一緒に出てきます。

汗腺が本来の活動をしているとき、出てしまったミネラル分はからだにとって必要なものなので再吸収されるのですが、汗腺の働きが弱くなっていると、ミネラル分の再吸収が間に合わず、ベトベトの汗になります。そうすると、乾くのに時間がかかり、また皮膚表面のpH(水素イオン濃度)が上昇してアルカリ性に傾いていくと、その状態を好む常在菌が増え、汗の分解が進んで体臭がきつくなります。また、春は環境の変化などによりストレスを受ける方も多く、精神性発汗やストレス臭が起こりやすくなるため、「春の汗は臭い」と言われています。

このにおいがしたら要注意。病院へ行くべき体臭とは?

Q7.体臭は病気のサインを読み取る手段にもなるというけれど、どのようなにおいがしたら、医療機関を受診するべき?

上田:糖尿病の場合、ダイエットをしている人と同様に発する甘酸っぱい、腐ったリンゴのようなにおいの「ケトン臭」がします。糖尿病によりインスリンの働きが悪くなると、糖分を脳や筋肉がエネルギー源として利用できなくなり、その代わりにケトン体が生成され、エネルギー源として使われ、においが発生します。また、ケトンの一種で、アセトンという甘酸っぱい臭いが混じることもあります。

また、肝臓の機能が落ちてくると下水(ドブネズミ)のようなにおい、腎臓の機能が落ちてくるとアンモニアのにおい、胃の調子が悪い人は卵の腐ったようなにおいがします。「通常の体臭とはちょっと違う」と感じたら内科疾患を疑い、早めに内科を受診しましょう。

女性の場合、更年期障害によって、ホットフラッシュという急に大量の発汗が起こることがあります。また、甲状腺の病気でも大量に汗をかくことがあります。その汗には、乳酸などの血液成分が多く含まれるため、においが発生しやすくなります。ホットフラッシュがストレスで誘発されることもあり、その場合は、精神性発汗による臭いやストレス臭が混じることもあります。

また、デリケートゾーンからイカのような生臭い強いにおいがする場合は、細菌性膣炎が疑われます。これらのにおいが気になる場合は、婦人科を受診しましょう。そのほか、脂漏性皮膚炎などの皮膚の異常や発汗により体臭が起こっている場合は皮膚科を受診しましょう。

Q8.とはいえ、自分ではなかなかわからなそう……。自分のにおいを客観的にチェックする方法ってあるの?

上田:自分の体臭は常につきまとうものですから、においに慣れてわからなくなりがちです。そのため、一度自分からにおいを離すことです。たとえば身につけたものを一度ビニール袋のなかに入れ、シャワーを浴びて、自分の体臭とにおいの感覚をリセットしたあとにビニール袋のなかのにおいを嗅ぐと、体臭がわかりやすいと思います。

また、信頼のおける正直な人に直接聞くことも有効だと思います。もちろん、医師に相談してみるのもいいでしょう。私の場合、部屋に入ってきた時点でその人の体臭が充満する場合、治療に進めることが多いです。一方で、1メートル程度の距離に近づいてもそこまでにおいが気にならない場合は、通常のにおいレベルと言えるでしょう。

「体臭が気になるかも」と思ったら、キホンの体臭対策からはじめよう

Q9.体臭を軽減させるためにはどうするのがよいの?

上田:まず、人間は汗をかく生き物ですから、体臭はゼロになりません。しかし、病気が原因ではない体臭の多くは、日頃のセルフケアで軽減させることができます。

このことを念頭に置いたうえでまずできることは、1年をとおして定期的に運動するなどして、汗を流し、汗腺の機能を良い状態に維持していくことです。

わきがやすそわきが(わきがの臭いがデリケートゾーンから発生する症状)が気になる方は、まずは脇やデリケートゾーンなどに生えている余分な毛の処理をしましょう。においのケアがしやすくなり、また、余計なにおい成分の付着や滞留が減るので体臭が発生しづらくなります。

続いては洗浄です。基本的に、頭皮全体と首の後ろから背中側にかけて、脇、足など皮脂が発生しやすいところはにおいも強く出やすいので、その部分はソープを使って優しく丁寧に洗いましょう。すそわきがの自覚がある方は、Vゾーンはソープで丁寧に、I、Oゾーンは低刺激性または専用のソープかぬるま湯でやさしく洗うといいでしょう。

ただ、洗うことによって肌が乾燥すると、逆に皮脂が出やすくなり余計ににおいが発生してしまう場合もあるので、保湿も心がけてください。個人差や年齢によってというところもあるので一概には言えませんが、ローションやクリーム状のもので保湿はある程度できると思います。乾燥が強い部位は、ヘパリン類似物質ローションなどで水分を補ったうえで、ワセリンを塗ることをおすすめします。

汗をかくから保湿は不要、と考える人もいますが、これは大きな間違いです。特に夏場は日焼けなどもし、肌トラブルの原因が増える時期ですので、保湿と、できれば日焼け止めをして肌をしっかり守りましょう。

そして、洗いすぎにも要注意です。特にナイロンタオルやブラシでゴシゴシ擦って洗うのは厳禁。肌のバリア機能を壊してしまい、雑菌が発生しやすくなることで、においの原因になってしまいます。

Q10.洗うのは1日何回が目安? いつ洗うのが効果的?

上田:基本的に、シャワーを浴びるのは1日1回から2回をおすすめします。タイミングとしては、夜がベスト。1日の汚れをしっかり落とし、できれば湯船に浸かって汗も流して、保湿ケアもしてあげましょう。寝汗をかきやすい方は、夜はソープを使い、朝はお湯で汗を流すと良いでしょう。

Q11.体臭対策におすすめのアイテムはある? また、使うタイミングはいつがおすすめ?

上田:特に体臭が気になるときや、特ににおいが気になる部位がある場合は、体臭対策できるソープを活用しましょう。汗や皮脂のツンとしたにおいが気になる方はもちろん、腋臭が気になる方にもある程度効果があると思います。お肌が弱い方は、毎日全身に使うというよりも、気になるときに、気になる部位のみに使うといいでしょう。

また、制汗剤はお風呂から上がったタイミングで使いましょう。夜だけ風呂に入る人も、同じような使い方で大丈夫です。ただし、全身に使うのではなく、脇だけ、頭頂部だけ、とか、特に臭いが気になるポイントだけにしましょう。一方で足の場合は、出かける前に、一度拭いて清潔にした上で制汗剤をつけるといいでしょう。製品によりますが、基本的につけ直しは1日に何度もする必要はありません。つけすぎは肌にとって刺激になり、また適度な発汗は必要なので、多くても2回くらいにとどめて置きましょう。

Q12.友人やパートナーの体臭が気になるけど言いづらい! どうやって伝えるのがベスト?

上田:これはとても難しい問題ですよね。伝え方は、悟ってもらうか、本人に直接言うかのどちらかになるのではないでしょうか。直接言うのが憚られる場合は、「最近自分でこんな体臭ケアをして効果があった」「こんな面白い記事を読んだよ」などと、情報を紹介してあげるのもいいかもしれませんね。

本人に直接伝える場合は、非常にデリケートな話になるので、伝える環境や前置きが大切なように思います。誰にも話を聞かれない環境で、相手の気持ちが安定していてイライラしたりしていない、アドバイスを受け入れやすい状態のときに、「すごく言いにくいことだけど、あなたが傷ついたり、損をしたりするといけないから言わせてほしい」などと前置きしたうえで本題に入り、話を終えるときも「こんな話をして申し訳ないけれど、嫌わないでくれると嬉しい」といったふうに、思いやりを込めて伝える。そうすることで、きっと相手も受け入れやすくなるのではないでしょうか。相手の方が受け入れやすく、伝える側も伝えやすい言い回しを工夫してみてくださいね。

体臭ケアに殺菌洗浄料という選択肢も。においの原因となる雑菌を殺菌洗浄する「クリアレックスWi」

上田先生も体臭ケアの一つとして挙げていた「体を洗うこと(洗浄)」。その選択肢の一つとして「殺菌洗浄料」があります。からだのにおいの原因の一つは“雑菌”。この雑菌を殺菌しながら洗うことのできる洗浄料です。
その殺菌洗浄料の一つ「クリアレックスWi」について、クリアレックスブランドマネジャーの中島寛弥に話を聞きました。

じつはロングセラー! 殺菌成分・消炎成分配合。低刺激性ですっきり洗える殺菌洗浄料

初めて「クリアレックスWi」の名前を知る方もいらっしゃると思いますが、その歴史は古く、1978年から販売しているロングセラーブランドです※。これまで世代や性別に限らず、さまざまな生活者の方々にご愛用いただいてきました。
製品としては、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールを配合しており、からだのにおいだけでなく、ニキビなどの肌トラブルの原因となる雑菌を洗いながら殺菌できる特長があります。また、消炎成分としてグリチルリチン酸ジカリウムを配合しているので、清潔な皮膚環境をつくってニキビなどの肌トラブルを防ぐ効果もあります。

※現行品は2017年10月に処方変更しております。

殺菌って刺激が強そうなイメージだけど、なんで低刺激性?

上田先生もおっしゃっていますが、肌は0.02ミリの角質層、いわゆる「バリア機能」が乾燥や外部刺激から肌を守っています。ゴシゴシ擦ったりすると、バリア機能が壊れてしまい、肌トラブルを引き起こしやすい状態になってしまいます。そして、雑菌が繁殖しやすくなり、においの原因になる…という悪循環になり得ます。ですから、殺菌成分を含み体臭を防ぐ効果のある洗浄料で適度な力で洗うことがにおいケアに適していると考えています。

【使い方のコツ1】季節ごとに洗浄料を変えてみる

オールシーズンで使える製品ですが、「からだのにおいが気になるのは夏だけ」など、季節によって気になるポイントも変わってくると思います。例えば、冬は乾燥するので保湿重視の洗浄料、春夏は殺菌成分が入ったもの、といった使い分けもおすすめです。

【使い方のコツ2】“デリケートゾーンだけ”など部分使いもできるサイズも

体全体は肌質に合った洗浄料を使いたいな、という方もいらっしゃると思います。そういう場合は、200mLというサイズもありますので“デリケートゾーンだけ”など部分使いもおすすめです。

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