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目の充血の原因と基準は?眼科医が解説する正しい「充血」の理解と対処法

2025年11月04日

からだと心

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「最近疲れてる?」と聞かれることが増えた、パソコンの画面を見ていると倦怠感がある──その原因、実は「目の充血」と関係があるかもしれません。

スマホやパソコンなど、目の近くで端末の画面を見ることが増えた昨今、知らないうちに目を酷使していた、ということも多いと思います。そこで今回は、普段あまり意識することがない「目の充血」にフォーカスをあて、白目の透明感が第一印象に与える影響をご紹介。そして眼科医の佐藤香先生に、意外と知らない充血の基準や対策方法について、詳しくお話をうかがいました。

「白目の美しさ」は人の印象を変える?

みなさんは「目の充血」と聞いたとき、どんな印象を抱くでしょうか?

「あまり充血したことはない」、「そもそも充血を意識したことはない」あるいは「充血しても、大抵は大した問題ではない」。そんなふうに考えている人は多いかもしれません。

千寿製薬株式会社が2024年に全国の20代~50代の女性400名を対象に行った調査では、「目の状態に関心がある」と回答した人が74%に対し、目の充血を普段から意識している人は47%と半数以下でした。

充血を意識していないと回答した人は、「痛みやかゆみ、腫れなどほかの症状が出ているわけではないから」(28%)、「自分の目は鏡を見ない限り見えないから」(25%)、「充血が起きるほど目を酷使していないから」(18%)といった理由を挙げています。

一方で、同調査では目が充血している人や、自身の目が充血しているときに抱く印象として、「疲れていそう」「体調が悪そう」など、健康状態を連想させる傾向にあることも明らかになりました。目の充血は単なる見た目の問題ではなく、相手に与える印象にも大きく関わっていると認識している人が多いようです。

これらの調査結果から、クリアな瞳で過ごしたいと考えながらも、自身の目は充血していないと考えている人が多いことがわかります。では、実際にはどんな状況を「充血」と呼ぶのでしょうか? 眼科医の視点から充血について解説していただきます。

出典:千寿製薬株式会社「充血を意識している人は半数以下!まつ毛・まぶたなど“目の周辺”よりも白目・黒目など“瞳そのもの”への意識が低いことが判明!

そもそも「目が充血している」状態とは?

―前述の調査では「充血を意識している人は半数以下」という結果が出ています。先生はこの結果をどのように見られますか?

佐藤:まさに、私が普段、診察などで患者さんと接するなかで感じていた感覚と一致していました。医学的には充血している状態だったとしても、本人としては「いつもこれくらい」と、症状に気づいていない方が結構多くいらっしゃいます。

実際に、コンタクトの定期検査で来られた方に「充血していますね」とお伝えすると、「えっ、いつもこんな感じですよ」とおっしゃることがとても多いんです。

―医学的に「目が充血している」とは、どんな状態なのでしょうか? 自分でチェックする場合の基準や考え方を教えてください。

佐藤:白目に血管が見えていたら、それはもう充血している状態。充血すると血管が拡張して、白目に出てくるんです。

―そもそも充血はなぜ起こるのでしょうか?

佐藤:原因はさまざまですが、特にドライアイ、コンタクトによる疲れ、睡眠不足が多いですね。20代〜40代の方はとくにそうです。

目が疲れると、目に栄養を与えるために血管が拡張して白目に浮き出てきます。さらにその状態が悪化すると炎症が起こり、目視できる血管が増えてしまうこともあるんです。

睡眠不足も目が疲れる原因になります。起きているあいだ、目はずっと何かを見続けなければいけません。唯一寝ているときだけが、しっかりと目を休められる時間です。そのため睡眠時間が短ければ短いほど、目には負担がかかり、結果として充血が起こりやすくなります。

放置に注意。目の充血で受診するべきタイミングは?

―「充血ぐらいで病院に行くのは大げさかな」と考える人もいるかと思います。病院を受診すべき目安を教えてください。

佐藤:充血が1週間程度継続的に続いている場合や、充血に加えてほかの症状があるときは早めに受診しましょう。ほかの症状とは、たとえば痛み、目やにの頻出、見えづらさなどが挙げられます。

放置すると怖い例もあります。たとえば目の充血だと思ったらウイルス性結膜炎だった場合。気づかずにそのままにしておくと生活する中で家族みんなに感染させてしまう可能性があるんです。

佐藤:そのほかにも「ぶどう膜炎」という目の中に炎症が起こる病気の場合は、放っておくと視力低下や、場合によっては失明の原因になってしまうこともあります。「なんだか目が赤いな」程度でも危険なケースがあるため、早めの対処が必要です。

―充血に気づいた場合、自宅でできる対処法としてはどんなものがありますか?

佐藤:まず、自宅でできるセルフケアとしては、「冷やす」または「温める」が効果的です。

「冷やす」場合は、一時的に充血を改善させたいとき。目が冷えることで血管が収縮します。一方で、根本的な改善を目指すなら「温める」ことをおすすめします。血流を促進させることで目の中に溜まっている老廃物が流れやすくなります。

また、目のうるおいをキープするために、まばたきを意識することも重要です。まばたきによって涙が目の表面に行き渡り、乾燥や充血を防いでくれるためです。スマホやパソコンを見ていると、まばたきの回数が減ってドライアイになりやすくなります。10秒に一回ぐらいは意識的にまばたきをしてください。

それでも充血が治まらない場合は、病院に行きましょう。病院では充血の原因をしっかり調べられるので、最適な治療を提案できます。

―市販の目薬もたくさんあるかと思いますが、選び方のポイントもあれば教えてください。

佐藤:たくさんあるので迷いますよね。充血の原因が何かによって、使う目薬の種類が変わってきます。

具体的には、ドライアイにはヒアルロン酸が入っているもの、疲れ目にはビタミンB12が入っている赤い色の目薬がおすすめです。また、角膜に傷をつけることもある塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤が入っていないタイプを選んだほうが、目に傷をつける心配がありません。

ほかにも、白目をすぐに白くするための目薬もあります。証明写真など誰かに見せる写真を撮影する際に、一時的に使うのは効果的かもしれません。人に与える印象がすごく変わりますからね。

目元のトラブルを防ぐには?美容ケアの際に気をつけること

―最近では「目元美容」や「瞳のエイジングケア」といった言葉も見かけ、目元ケアに力を入れている人も多いかと思います。美容的な目元ケアについて、医師として注意してほしい点があれば教えてください。

佐藤:目や目の周りの皮膚は、ご自身が思っているよりもデリケートな部分です。なので、まずは大切に扱うことを意識してください。とくにまぶたの皮膚はすごく薄く、擦りすぎると炎症を起こしてしまったり、黒ずんでしまったりします。

化粧品に関しても、「目の周りは避けてください」と書いてあるものは、そのとおりにしていただいたほうが安全です。目の中に化粧品が入ってしまうと、それが充血や傷の原因になってしまいますからね。各製品の使用上の注意をよく読んで、ご使用いただければと思います。

―充血以外にも、よく患者さんから相談を受ける目のトラブルにはどのようなものがありますか?

佐藤:老眼や疲れ目が多いですね。老眼が始まる40歳ぐらいから、なんだか手元が見づらくなるという方が結構いらっしゃいます。

また、40歳を過ぎると緑内障という病気が20人に1人の割合で出てきます。緑内障は自覚症状が全く出ないので、気づいたときには末期になってしまっていることも。1年に一回は目の検査をしておいたほうがいいですね。

―目も年齢によって、起こりやすい病気があるのですね。

佐藤:そうですね。充血も年齢が上がると起こりやすくなります。免疫力が下がったり、抵抗力が弱ったりするため、ちょっとしたことで悪くなってしまうことも多いんです。

また、白目も紫外線や刺激で色素沈着を起こし、だんだんと黄色っぽくなっていくので、白さを維持するのも難しくなってきます。そのため目の紫外線対策も欠かせません。

目のトラブルは、日常的なケアだけではどうしようもならないこともあります。充血は当たり前の状態ではないですし、別の疾患が隠れている可能性もある症状。そのため、定期検診をうける、「ちょっと目が赤いかも」と気になったら気軽に受診するなど、ケアやチェックを習慣にしてみてくださいね。

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