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子どもの熱中症の症状と対策とは?夏場でも楽しく外遊びするために

2026年06月01日

家族・くらし

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年々、気温上昇と水蒸気量の増加により、蒸し暑い日が増えている日本の夏。真夏日や猛暑日が続き、熱中症のリスクを考えると、子どもと外出をしていいのか、外で遊ばせても大丈夫なのか、親として判断に迷う場面は少なくありません。

今回は、暑い日の子どもの体調が気になる方へ向けて、とくに小学生以下の子に起こりやすい体調の変化をひもときます。また、夏の外出前後で気をつけたいポイントや体調管理の工夫も紹介。暑い季節でも子どもと無理なく楽しく過ごすためのコツを、小児科医の山中龍宏先生にうかがいました。

*本記事では小学生以下のお子さんを想定して「子ども」と記載しています。

子どもの熱中症で、押さえておきたいポイント

―そもそも熱中症は子どもにとって、どれくらい危険なのでしょうか?

山中:熱中症は、年齢にかかわらず悪化すれば命にかかわる疾患です。しかし、救急搬送者数や受診者数に基づいていえば、深刻な被害が出るほどの熱中症は、大人と比べるとさほど多くはありません。このことから、子どもをしっかりと見守り適切なケアができている保護者の方が多いといえそうです。

―正しく知って予防や対処ができれば、むやみに怖がらなくてもいいのですね。では、子どもの熱中症について、具体的な症状を教えてください。

山中:そもそも人は気温や運動によって体温が上昇したとき、汗をかいてからだの表面から熱を逃すことで、体温を調節しています。ところが、気温が高い夏は、汗が蒸発しにくかったり、脱水で汗がかけなかったりすることも。

そうして体温調節のバランスが崩れ、体温が上がりすぎることによって、熱中症が発生します。体温が上昇しすぎると、からだの細胞にも影響を及ぼして、脳などの大切な臓器にまで障害を引き起こすおそれがあるのです。

山中:症状は人それぞれですが、めまいや頭痛、吐き気などもそのひとつ。大人と比べると、子どもは暑さによる影響を受けやすいので、注意が必要です。

―なぜ、子どもは暑さの影響を受けやすいのでしょうか?

山中:一番の原因は、子どものからだのさまざまな機能が発達途中で、とくに体温調節機能が未熟なことにあります。10歳ごろになれば汗腺が開いて必要なときにちゃんと汗をかけますが、未就学児や低学年はまだ汗腺の発達が十分ではありません。

また、身長が低くて地面からの照り返しを浴びやすいことも、子どもの熱中症のリスクを高める要素です。

夏でも安全に外遊びするコツは?事前準備・体調チェック・こまめな休憩

―たとえば未就学児の場合、症状を言葉でうまく伝えられずに発見が遅れてしまうケースも多いように思います。熱中症の初期サインを見逃さないよう、親などの保護者はどんなところに気をつければいいでしょうか?

山中:まずは、お子さんの体調に異変がないかよく見てあげてください。

チェックするべきは、まず以下の3つ。

・顔の赤みやほてりがないか
・目に力があるか
・首やわきの下に手を入れて、熱が上がっていないか

暑いのに汗をかいていなかったり、時間が経ってもおむつが全然濡れなかったりするときは、脱水の可能性があります。

また、こうしたチェックにくわえて、日ごろ子育てをしている方が「いつもと違う」と思ったら、それは異変の兆候です。楽しそうに遊んでいても、ベビーカーでぐっすり熟睡しているようでも、見て触ってどこかおかしいと感じたら、熱中症を疑ってみてください。

―次は、外遊びに行くときのポイントを教えてください。まず、出かける前には、どんなことに気をつけるといいでしょうか。

山中:出発前にまず、お子さんのコンディションを見てあげてください。前日の疲れが残っていそうなど、いつもと違う体調のときは大事を取って外遊びには行かないようにしましょう。あまり食欲がない、夜更かしの翌日、といった場合は夏の暑さに負けてしまう可能性があります。

また、衣服や帽子は、熱の吸収を抑える明るい色がいいですね。日差しが強いとやけどのような日焼けをするリスクもありますから、首まで覆う日よけがある帽子や、肌を直接日光にあてない薄手の長袖なども身につけさせましょう。お子さんが使用できる日焼け止め製品も塗ってあげたいところです。

―公園や学校など屋外の遊び場に出かけたら、どんなことに気を配るといいですか?

山中:基本であり一番大切なことは、水分補給や休憩をこまめに挟むこと。あと、熱中症のほかにも気をつけていただきたいことは、暑さで高温になった遊具です。鉄棒や滑り台の鉄板部分などは50度~60度まで上がることもあるため、触ってやけどをしないように気をつけましょう。

―涼しそうに感じられるプールや海・川などの水辺でも、注意したほうがいいのでしょうか?

山中:水辺は涼しくてつい気が緩みがちですが、水に入っていても実は気づかないうちに汗をかいているため、脱水になる可能性があります。プールや海・川でも長時間遊び続けるのは避けて、日陰での休憩や水分補給を挟みましょう。

水分補給は少なくとも30分ごと。日陰や涼しい場所で休憩を

―水分補給や休憩の取り方にコツはありますか?

山中:元気いっぱいに遊んでいても、少なくとも30分おきくらいに水分を摂らせるのがポイントです。目安としては、1回に50ml~100mlほど。子どもは自分の体調を自覚しておらず、遊びを中断することをいやがってしまうかもしれませんが、「飲んでから遊ぶ」などのルールを決めて定期的に飲ませてあげてください。

飲み物は、常温よりも少し冷たいほうが、からだの内側を冷やせるのでおすすめです。脱水症状が進んでしまっている場合は塩分の入った飲料がいいですが、通常時ならお水やお茶で問題ありません。

それから、タイミングを見て涼しい場所で休憩させること。じっと座っていなくても、日陰やエアコンのきいた場所にいるだけで、からだが少し休まります。

―首周りを冷やすアイスリングやハンディファンなど、近年流行している冷却アイテムの活用はいかがでしょうか?

山中:皮膚に風が当たれば少しは熱を奪うため、お持ちならハンディファンも活用するのがおすすめです。やわらかい保冷剤をリュックのように背負わせたり、帽子の中に仕込んだりするアイテムもいいですね。ちょっとでもからだを冷やせるものを持っておくと、安心材料が増えますよ。

―万が一、遊んでいるうちに子どもの様子がおかしくなってきたときは、どのように対処すればいいでしょうか。

山中:子どもの動きが鈍くなったり、ぼーっとしたりしているときは脱水の可能性があるため、まずは涼しい場所で水分を摂らせます。薄着にして、うちわなどで風を送って熱を冷ますのも効果的です。10~20分ほど休んで落ち着くようなら、いったん様子見でよいでしょう。

ただ、水分が摂れないほど体調が悪化していて、意識がはっきりしない場合は救急車の要請をしてください。

―遊んでいるときはいつもどおりだったのに、帰宅後にぼーっとしているときは、熱中症を疑ったほうがいいですか?遅れて熱中症になることはあるのでしょうか。

山中:快適な家に帰ってきてから、遅れて熱中症になることはありません。おそらく疲れや別の体調不良によるものなので、からだを冷ます必要はないでしょう。

食欲不振やぐったり寝ている、半日以上おしっこが出ていないなどの症状があるときは、食べたり飲んだりできるものを適度に与えつつ、経過を観察してください。

外遊びする?しない?は、“暑さ指数”を目安にしてみて

―近年は暑さがどんどん厳しくなり、外遊びを控えたほうがいいようにも思います。暑い季節の外遊びについて、親などの保護者はどのように判断するのが現実的でしょうか。

山中:熱中症の危険度をあらわす“暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)”に基づいて判断しましょう。暑さ指数とは、気温や湿度、日射、輻射熱(照り返し)から総合的に暑さを評価した数値です。環境省の熱中症予防情報サイトなどで、一定の期間は毎日情報を公開しています。

暑さ指数によると、気温24度あたりから熱中症リスクがあり、28度~35度といった、最近の夏ではよくある気温でも注意が必要だとされています。風がない日や、前日と比較して気温や湿度が大幅に上がった日も危険ですね。

山中:そのため、外遊びに行く前には自分が活動する地域の暑さ指数をチェックして、数値が高いときは無理をしないようにしましょう。からだを動かすメリットよりも、熱中症のリスクのほうが上回ってしまいますから。

―暑さ指数をもとにすると、夏のあいだはずっと外遊びができない状況になってしまいそうです……。

山中:そんなことはないので安心してください。1日のなかでも暑さ指数は変動します。リスクが高まりやすい10時~15時ごろを避けて、涼しい時間帯に外で遊ぶといいでしょう。

親がいないときに体調が悪くなったら?子どもに伝えるべき大切なこと

―小学校に入ると、登下校や子どもだけで遊びに行くなど、親の目が届かないタイミングも増えてきます。一人でも熱中症にならないよう気をつけてもらうためには、どんな声かけが有効でしょうか。

山中:20分~30分おきの水分補給や休憩を促すことに加えて、体調が悪くなったら周りに相談するように伝えてください。

「暑さのせいで、頭が痛くなったり吐きそうになったり、だるさが出たりするかもしれない。そうしたらまず休んで、周りに言うんだよ」と。そうすれば、我慢しすぎて悪化することを防げるかもしれません。

―たしかに、起こる可能性があることや簡単な対処法を伝えておくだけで、子どもも判断がしやすくなりそうです。

山中:とにかく、我慢は禁物。暑い季節はできるだけ涼しい室内で遊んで、どうしても外に出るときは体調に変化がないかこまめに確認するよう心がけましょう。暑さ指数をチェックしながら、すこやかな夏を送ってほしいです。

※熱中症対策における参考サイト:環境省「熱中症予防情報サイト

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