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婦人科検診って、痛いの?未経験者が医師に聞く、検査の不安やギモン

2025年02月28日

フェムケア

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婦人科検診、受けたことはありますか? 「なんか痛そう」「恥ずかしい」「時間がない」……。そんな感情が湧いてきて、受けた方が良いと思いながらもついつい後回しにしている人も多いのではないでしょうか。

何を隠そう、この記事を書いているライター・白鳥も、何かと理由をつけて婦人科検診をサボってきた一人。新卒では企業に勤めていたので定期的なチャンスこそあったものの、忙しさを理由に受けず……。いまはフリーランスのため、自分から機会をつくらなくてはいけない状況です。

そんな婦人科検診初心者が、神谷町WGレディースクリニックに訪れて、尾西芳子先生へ婦人科検診への疑問や不安に思っていることなどを聞いてきました。

婦人科検診とは?検査内容や方法をヒアリング

――そもそも、婦人科検診はどんな検査のことを指しているのでしょうか?

尾西:子宮頸がん(※1)の検査と、子宮・卵巣の超音波検査を指して婦人科検診という場合が多いです。

――多くの場合ということは、ほかにも婦人科検診として実施されるものがあるのでしょうか?

尾西:おりもの検査、性病検査、女性ホルモンの検査などいろいろあります。一般的な採血や身体測定まで含めて、女性向けの人間ドック「レディースドック」として実施しているクリニックもありますよ。

※1 子宮頸がん:管状になっている子宮の下部(子宮頸部)にできるがんのこと

――ちなみに、乳がん検診もよく聞きますが婦人科検診に含まれないのですか?

尾西:そうなんですよ。じつは、日本で乳がんは産婦人科ではなく乳腺外科という分野が専門になるので、婦人科検診には含まれていないんです。

でも、そういった区分が患者さんには浸透していない実態もあるので、最近は婦人科検診と乳がん検診をセットで受けられるようにしている病院やクリニックもあります。

――それは知らなかったです! 乳がん検診も婦人科で受けられると思っていました。もう少し詳しく検診の内容を教えてください。

尾西:例えば、子宮頸がんの検査なら膣から器具を入れて、子宮の入り口を擦って細胞を取り、その細胞に異常がないかを調べます。人にもよりますが、5秒もあれば終わりますよ。

――そんなに一瞬で終わるんですね。超音波検査や性病の検査なども同じようなイメージでしょうか?

尾西:そうですね。超音波検査は器具を膣に入れて子宮や卵巣をモニターで見ていきます。性病検査はもっと簡単で、子宮の入り口でおりものを採取してそれを調べるだけです。

――検査の時間は短いものの、お話を聞いていると痛そうなイメージです……。

尾西:痛いかどうかは、患者さんのリラックス度合いにもよるかもしれません。緊張して膣が締めつけられると器具を入れるのにも力がかかるので、痛くなりやすいんです。

――初めての検査だと緊張してからだがこわばってしまう人もいそうですね……。リラックスするコツはありますか?

尾西:緊張してしまう人は、診察中、別のものに意識を持っていくと良いと思います。例えば私の患者さんのなかには、注射が苦手だからといってぬいぐるみを持ち込む方もいらっしゃるんですよ。検査に集中しすぎず、気を紛らわしながら診察を受けていただくのがリラックスのコツかなと思います。

なぜ、1年に1回の婦人科検診が必要?

――婦人科検診は、何歳からどのくらいのペースで受けるのが良いのでしょうか?

尾西:1年に1回くらいのペースをおすすめしたいです。10代でも検診は受けられますが、何も異常がなければ20歳から検診を受け始めれば十分です。

――なぜ、毎年定期的に受ける必要があるのですか?

尾西:定期検診による大きなメリットは、子宮頸がんのリスクを減らせることです。子宮頸がんは、主に性交渉によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因とされています。ただ、このヒトパピローマウイルスに感染してすぐに発症するのではなく、感染した状態が続くことによってがんになってしまうんです。一般的には初期段階の「軽度異形成」状態から10年ほどかけてがんになるといわれています。

子宮頸がん検査を定期的に受けることで早期発見ができ、感染状況に合った適切な処置ができます。がんになってしまったら子宮を取る必要が出てきますが、その手前で見つけられればより軽い手術で対処できるんです。

尾西:じつは私自身、検診で子宮頸がんの手前の軽度異形成の診断を受けて、半年後にもう一回診断を受けたら手術が必要な状態になっていた経験がありました。一般的なスピードとは異なって急に悪くなってしまう人もいるので、そういう意味でも定期的に検診を受けるのは大事だと思います。

――気づいたら進行していた、という状況は怖いですね。子宮頸がん以外の検査も定期検診が必要ですか?

尾西:早期発見するに越したことはないので、定期的に検診を受けていただいたほうが良いでしょう。クラミジアや淋菌(りんきん)などの性病に罹ってしまうと、お腹のなかでほかの臓器と癒着してしまうことがあるんです。そうなると妊娠できる可能性が減ってしまいます。

ほかにも、子宮内膜症(※2)がひどくなってしまうと「チョコレート嚢胞(のうほう)」というものができて、お腹のなかで破裂してしまうなんてことも……。いずれも早いうちに気づいていれば、薬など負荷の少ない対処ができるんです。

※2 子宮内膜症:子宮の内側にある「子宮内膜」が、子宮の内側以外にも発生し、発育してしまう疾患。痛みをともない、不妊の原因にもなる。

年齢によってリスクの異なる疾患も。異常が見つかったときの対処法

――お話を聞いていると、「検診を受けるのが怖い」なんて言っている場合じゃないですね……。もし検診で何か異常が見つかってしまった場合、どんなふうに対処するのでしょうか?

尾西:どんな異常が、どのレベルで見つかったのかによりますね。子宮頸がんで、まだそこまで感染が進行していない段階では、免疫力で自然に治る場合もあるので、経過観察になります。緊急性の高い状態の場合は、大きな病院に紹介してすぐに手術をしてもらうこともありますね。

尾西:性病や子宮内膜症などの場合、飲み薬や点滴、ホルモン剤などで対処することもありますし、こちらも緊急の場合はすぐに手術をすることもあります。

でも、緊急の場合に「すぐに手術が必要なので、入院してください」と伝えても、「ええ! いまから仕事に戻らないといけないんです」と言う人も結構いらっしゃるんですよ。そういった状況に陥らないためにも、普段から隙間時間を見つけて検診を受けていただきたいです。

――先ほど「20歳から」検診を受けたほうが良いというお話がありましたが、年齢が上がるにつれて検診の重要性は高まりますか?

尾西:はい、子宮筋腫(※3)や子宮内膜症は年齢が上がるほど罹患率が高まります。子宮筋腫は30代以上の20〜30%が有病している(※4)ともいわれているんです。

ただ、性病や子宮頸がんは、20代〜30代に罹患者数が急増します。性行為によって感染するので、若い世代のリスクが高く、40代以降の発症は横ばいです。だから、若いからまだ大丈夫とは思わずに、20代のうちから婦人科検診を受けていただきたいです。

※3 子宮筋腫:子宮にできる良性の腫瘍。月経痛や月経量が多くなるなどの症状がある。
※4 出典:公益社団法人日本産婦人科学会「子宮筋腫

初めての検診、どこで受ければいい?

――婦人科検診の重要性は理解したのですが、実際に受けようと思ったらどこで受ければ良いのか迷います。私は会社員経験もあるのですが、会社の健康診断でも婦人科検診ってオプションだった気がして……。

尾西:企業によって違いますよね。婦人科検診はオプションとして個人の判断に任せている企業もあると思います。

最初から婦人科検診を健康診断の項目に含んでいる企業でも、子宮頸がん検査だけの場合も多いんです。でも、ここまでお話ししたように超音波検査などほかの検査もしないと見つけられない病気もあります。

「自分は婦人科検診を受けているから大丈夫!」と思っていても、実際には子宮頸がんの検査しかできていない場合もあるので、会社で検診を申し込まれている方は中身までチェックしたほうが良いかもしれません。

――詳しく検診の項目をチェックしたことがない人も多そうですね。ちなみに、私はいまフリーランスなのですが、フリーランスや自営業など企業に属していない方はどんなところで婦人科検診を受けるのが良いでしょうか?

尾西:まずは、20歳を超えると自治体によっては定期的に子宮頸がん検査のチケットが送られてきます。チケットが来たらそれを使って検査を受けてみましょう。自治体によってはセットで超音波の検査がついている場合もあるので、ぜひ調べてみてくださいね。

タイミングが合わない場合は、「婦人科検診」や「レディースドック」といったワードで検索すれば、検診をやっている機関が見つかるので、気になった病院やクリニックに行ってみると良いかと思います。

検診のときに先生との相性もチェック。かかりつけ医を見つける機会に

――友人などから先生との相性が大事という話もよく聞くのですが、そういった部分はどこで調べるのが良いですか?

尾西:私のクリニックの場合は、人からの紹介でいらっしゃる方が多いです。お母さんに連れられてとか、友達に教えられてとか。あと、仕事の休憩時間に会社の先輩に連れられてきた人なんかもいらっしゃいます。知っている人から教えてもらうのは安心感がありますよね。

尾西:あとは、初めての場合は割り切って、とにかくお試しで行ってみるのも良いと思います。自治体の検診チケットを使えば無料ですし、とりあえず行ってみるというときには積極的に使ってほしいです。

急に症状が出てから、行ったことのない病院に行くのって勇気がいると思うので、事前にいろいろな病院・クリニックを試して自分に合ったところを見つけられると良いと思います。

――日々のケアの一環として、かかりつけの婦人科医を見つけておくのが大切ということですね。

尾西:そうですね。検診だけではなくて、ワクチンを打つことも婦人科系の病気の予防になります。2025年3月までは子宮頸がんワクチンは無料で打てます(※5)。また、風疹・麻疹なども子どもの頃にワクチンを打っていても大人になると抗体が減ってしまうので、再び打つのも有効です。特に、将来的に妊娠を希望されている方は、子どもの聴力や視力に影響が出る可能性があるので、風疹・麻疹ワクチンはきちんと打つのがおすすめです。これらのワクチンは、婦人科でも打てますし、内科でも可能です。

※5 無料接種の対象者については厚生労働省のHP「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」に掲載

尾西:セルフケアとしては、性交渉の際にはコンドームを使うことと自身の生理周期を把握しておくことですね。コンドームは性病の予防になります。生理周期は何かあった際に、医師が原因を予測する大きな手掛かりになります。

――なるほど。日々の記録が診察の際にも役立つのですね! 今日のお話を聞いて、婦人科検診に行ってみようと思えました。

尾西:それはよかったです。ついつい忙しさを言い訳にしたくなる気持ちもわかりますが、検診で防げることはたくさんあります。最近では女医さんも増えているので、そんなに緊張せずに、まずは来院してみてもらえると嬉しいです。一度検診を受けてみれば、きっとハードルが下がると思います。

【図版制作にあたる出典元】
1. 日本産科婦人科学会・日本病理学会編 子宮頸癌取扱い規約 病理編 第5版 2022: 30-51.
2. Moscicki AB et al. Lancet. 2004; 364: 1678-1683.
3. Matsumoto K et al. Int J Cancer. 2011; 128: 2898-2910.
4. Ostör AG. Int J Gynecol Pathol. 1993; 12: 186-192.
5. Markowitz LE et al. MMWR Recomm Rep. 2007; 56(RR-2): 1-24.

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