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食中毒について考えている女性

【食中毒の基礎知識】誤解しがちな「食中毒あるある」OK・NGをジャッジ!【後編】

June 28, 2024

  • 取材・執筆:只野まり子
  • イラスト:マコカワイ
  • 編集:服部桃子(CINRA, Inc.)
  • 監修:成田崇信

更新日:2024年06月27日

食材が痛みやすくなる季節。料理やお弁当をつくるとき、食中毒にならないように対策している人も多いはず。でもそのやり方、本当に食中毒のリスクを下げているでしょうか?良かれと思ってやっていることがじつは逆効果なこともあるかもしれません。今回は、食中毒に関する「あるある」について、管理栄養士の成田崇信さんに正しいかどうかうかがいました。前編と併せてチェックして、食中毒ゼロを目指しましょう。

▶︎▶▶▶前編はこちら

食中毒になりやすいのは「夏場だけ」?

——前編では食中毒の基本的な解説をしていただきました。今回は、食中毒に関する「あるある」について、正しいかどうかをうかがいます。

Q.前編では、食中毒を引き起こすいくつかの菌については「加熱することが食中毒対策になる」というお話がありました。つまり、「心配な食べ物はとりあえず加熱すれば食中毒にならない」と考えてOKですか?

A.再加熱が不十分だと食中毒は起こり得るので、「加熱すれば絶対食中毒にならない」とは言えません。ウエルシュ菌による食中毒を予防するためには、ぐつぐつ沸騰させて再加熱する必要があります。

また、黄色ブドウ球菌のように、菌の数が一定以上まで繁殖して毒素をつくり出す菌は沸騰させても毒素が壊れないので、再加熱しても食中毒が起こります。そのため、素手で食材に触らないといった、食べるものに菌を付着させないことが大切です。

Q.「食中毒の症状はだいたい当日に出る」は正しいでしょうか?

A.食べてから数時間で症状が出るものもありますが、一方で潜伏期間が長いものもあります。カンピロバクターは潜伏期間が2~7日と比較的長いので、「食中毒=食べてからすぐ」というわけではありません。

Q.夏場は食中毒になりやすいのでしょうか? 温度も湿度も高いので、菌が増えやすいイメージがあります。

A.夏だけ気をつければ良いというわけではありません。ノロウイルスの場合は、乾燥していると感染者の糞便や吐瀉物が乾燥して空気中に舞いやすく、それを吸い込むことでノロウイルスに感染するので、むしろ冬場のほうが感染しやすいと言えます。また、少ない菌数で感染する腸管出血性大腸菌やカンピロバクターは季節に関係なく起こります。

Q.食中毒になってしまった際の対処方法として、「下痢止めを飲む」のは正しいでしょうか。

A. 一般的に、食中毒と診断された場合、下痢止めの服用は止められます。ですから、これも間違いです。体が悪いものを体外へ排出しようとしているので、抑えないようにしましょう。食中毒にかかると脱水症状を引き起こしやすいのでスポーツドリンクなどで少しずつ水分補給をすることを心がけてください。体調が回復するまでは食事も避けたほうがいいでしょう。

参考:下痢・食あたり(食中毒)の対策|くすりと健康の情報局 (daiichisankyo-hc.co.jp)

「新鮮なら生肉を食べてもOK」は本当?

Q.調理後の食品を冷蔵庫に入れるタイミングも迷うところです。「つくりおきは室温で冷ましてから保存する」のは問題ないでしょうか。

A.温度が高いものを冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がってほかの食材も悪くなってしまうという理由で、冷ましてから入れるようにしている方もいるかもしれませんが、常温で放置することで菌が増える原因にもなるので、室温で冷ますのはおすすめできません。

冷やす方法としておすすめしているのは、冷蔵庫に入れる前に鍋ごと氷水や冷たい水につけて、酸素を含ませるようにかき混ぜながら冷やすことです。この方法だと時間をかけずに温度を下げることができます。

Q.「冷房でキンキンに冷えた部屋だから、つくったカレーを放置しても良い」というわけでもないですか?

A.はい、残念ながら「論外」と言えます。酸素が少ない環境を好むウエルシュ菌の温床になりやすいカレーこそ、注意を払って取り扱っていただければと思います。

Q.「新鮮な鳥刺しや豚レバーなら生で食べても良い」というイメージがある方もいるかもしれません。新鮮さでリスクは変わるものですか?

A.新鮮であってもリスクは変わりません。生肉には、菌やウイルスはついているものと考えておいたほうがいいでしょう。十分な加熱調理をしてから食べるようにしてください。

Q.「梅干など、酸味のある食べ物を積極的に食べると食中毒防止になる」という話を聞いたことがありますが、正しいでしょうか?

A.酸に防腐効果はありますが、ご飯の上に梅干を一つ乗せた程度でご飯全体を防腐できるような効果はありません。梅干そのものが長期保存できる食品であることから来ている誤解だと思います。

食中毒防止のコツは、「とにかく基本を大切に」

——ここまで、いろいろと食中毒にまつわる「ありがちな勘違い」をうかがいました。先ほど、「お弁当の梅干し」に防腐効果はないとうかがいましたが、お弁当をつくるうえで、食中毒を防ぐために本当に効果的な方法を教えてください。

十分な手洗いをしたうえで、素手で食材に触らないこと。これで菌が食材につくことを防ぎます。詰める食材はつくり立てのもの、もしくはつくりおきを詰める場合は再加熱してから詰めてください。お弁当用の冷凍食品もおすすめです。

持ち運ぶ際の温度は低いか高いかどちらかに寄せるようにしましょう。保冷剤などで温度が低い状態を保つか、スープジャーのように保温性の高い容器に入れておくと菌が増えることを防げます。

——これまでのお話で、料理するのが心配になってしまった方もいるかもしれません。読者の方に向けて、気をつけてほしいことはありますか?

食中毒は、衛生管理、衛生的な調理の基本を守れていれば防げます。基本を大切に料理したり、食材を取り扱うようにしたりしていただければと思います。

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