研究開発ビジョン

“生活者満足度の高い製品・サービスを継続的に生み出し、より健康で美しくありたい人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に貢献する”という企業理念のもと、わたしたちは、「科学的な根拠(エビデンス)」「お客様が感じる満足」「継続的な新しい付加価値の創出」に徹底的にこだわり、イノベイティブな発想と、クリエイティブな技術革新によって、お客様の健康と美に貢献できる製品の開発をめざしています。

製品開発

わたしたちは、第一三共グループのOTC医薬品メーカーとして、高いレベルの品質・有効性・機能性・安全性を担保しながら、付加価値の高い製品づくりをするために、社内の探索研究はもとより、外部研究機関との共同研究や製造委託先との製剤開発研究など、幅広い領域で積極的に取り組んでいます。
また、医薬品に限らず、スキンケア領域への取組みにも注力しており、製薬会社発の機能性スキンケアとして、科学的な根拠があり、お客様が使い続けやすい付加価値の高い商品をお届けするために、新たな発想の取組みもはじまっています。
さらに、口内環境であれば、口内炎には医薬品の抗炎症成分でのアプローチ、オーラルケアの歯周病対策には医薬部外品などの殺菌・消炎アプローチで解決するなど、既成の枠組みではなく、お客様の悩みに応える視点からスタートし、当社の幅広い領域における研究実績をトータルで生かせる取組みも重視しています。

研究開発においては、新たな素材の探索はもちろんですが、長く実績があり安全性が担保されている成分に、新しい用途を見出すなどの研究も行っています。たとえばシミなどのスキンケア成分として知られるトラネキサム酸が、もとは医療用医薬品の抗炎症剤として処方され、OTCではかぜ薬等に含まれていた成分だったように、既知の成分であっても、視点を変えることで新しい効能・効果が明らかになることがあり、そのメカニズムの研究が重要な意味を持ってきます。トラネキサム酸は風邪やインフルエンザなどのウイルスに対する作用も見出されています。
このように、固定概念を取り払った新たなアプローチが、新製品の誕生へと繋がっています。

技術開発

複数の成分を配合した製剤の製造プロセスの開発や、もともと扱いにくい物性の成分について、製剤化を視野に入れた成分の物性制御に関する研究など、成分の物性評価や処方設計の基礎となる技術を開発することも、私たちの重要なミッションです。

また、製品の効果を科学的な根拠に基づいて示すためには、これまでにないデザイン発想も重要になるため、医薬品の領域にとらわれない学術リサーチなど、柔軟で革新的なワークスタイルを大切にしています。

疾患を治すだけでなく、“QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上”を叶えることで生活者満足度を高めるOTC医薬品やスキンケア・オーラルケアの領域では、既存の指標では評価し得ないことも多く、根拠を数値で立証することが容易ではないことがありますが、そんな場合でも、生活者満足度を五感に置きなおし、客観的な評価ができる指標はないか徹底的に追究します。例えば、目には見えなくてもサーモグラフィで立証する、貼るタイプの口内炎薬のはがれ難さ等の保持感覚を証明するためには口腔粘膜のモデルを作り評価する、など「五感をも技術で捉えるチャレンジ」によるブレークスルーは絶えず意識しています。