

頭痛にはさまざまなタイプがあり、タイプによって対処の仕方も変わります。
緊張型頭痛(肩こりからくる頭痛)は首や肩などの血行不良が原因のひとつなので、温めることで血流が改善され頭痛がやわらぐことがあります。一方、片頭痛は頭の血管拡張・三叉神経の炎症が原因のひとつと考えられているので、頭を冷やしてあげる方が頭痛がやわらぐ可能性があるのです。


月経前後や排卵期に起こる頭痛は、月経関連片頭痛です。女性ホルモンのエストロゲンの変動が影響しているといわれます。急激に変動したときに、脳の神経が敏感に読み取って痛みが起こるので、女性ホルモンの変動が抑えられる妊娠中は片頭痛の発作は起こりにくくなります。 まずは、生理時に起こる頭痛はれっきとした片頭痛であることを認識して対処することが肝心です。


定められた用法・用量を守って短期間に服用すれば、体が鎮痛薬に慣れてしまい効きづらくなるということはありません。ただし、鎮痛薬の使用は月に10日までにとどめておくことが大切です。誤った使い方をすると、鎮痛薬がかえって痛みを誘発し薬物乱用頭痛を引き起こす恐れがあります。


使用するタイミングは重要です。痛みが出始めたら使いましょう。痛みをガマンしていると、痛みの原因物質が体の中で増えすぎてしまい鎮痛薬でも痛みを抑えきれないことがあります。また、ガマンを続けていると、徐々に痛みに対して敏感になり、痛みを感じやすくなってしまいます。


全ての鎮痛薬が眠くなるわけではありません。鎮痛薬には痛みを和らげる鎮痛成分のほかに、鎮痛効果を高めたり、胃の負担を減らす補助成分が含まれるものがあります。このうち、鎮痛効果を高める「鎮静成分」が含まれる複合製剤では副作用として眠気を引き起こすことがあります。
鎮静成分を含まない単一成分の鎮痛薬であれば、眠気が起こることはほとんどありません。

[監修] 清水俊彦先生
東京女子医科大学脳神経外科 頭痛外来 客員教授。獨協医科大学神経内科臨床准教授。全国慢性頭痛友の会顧問。日本頭痛学会監事。代表著書に「頭痛女子のトリセツ」(マガジンハウス)があるほか、“新型頭痛”と言われる脳過敏症候群をわかりやすく解説した「脳は悲鳴を上げている」(講談社)などがある。
1日に200〜300人の患者を診るかたわらでテレビ・新聞・雑誌等でも精力的に啓発活動を行っている。
