皮膚科の診療室から [笹屋晴代先生/近畿大学医学部附属病院 皮膚科 女性外来(スキンケア専門)]

連載コラム 第2回 肝斑・ココだけ!アドバイス
教えて!皮膚科の肝斑治療

シミの治療は、積極的にアクションをおこすことから

シミは、痛くもかゆくもありませんが、シミがあることで顔のその部分が常に気になってしまったり、堂々と人と向かい合えなかったり、女性にとって楽しいものである化粧の時間が毎日の憂鬱な時間になったり、年をとったかと落ち込んだり・・・女性の気持ちに与える影響は大変大きいものです。

特に、発症しているシミが肝斑の患者さんの場合、範囲が広かったり、急に広がったりするため、受診時は、気持ちがふさいでいたり、化粧で隠しきれなくて途方にくれていたり、メンタル面に大きく影響を与えているケースも多いです。

しかし、皮膚科で受診して、シミを判断してもらい、原因・予防法が明確になると、気持ちが楽になったり、自分のシミに合った治療法を知ることにもなります。まずは行動をおこすことから。

シミの診察は、まず「すっぴん」になって素肌をみせてもらうことから始めます

シミの診察は素肌を見ないと始まりません。受診されるときは、メイクを落としてから来ていただくと、診察がスムーズになります。または治療前に、メイクを落としていただいてから、診察させていただいています。

そして、シミの形や色、顔のどの部分にできているかなどを観察します。また、「屋外で活動するなど、紫外線を浴びる機会は多いですか?」「いつから気になりはじめましたか?」など、その発症状況についての情報も聞かせてもらいます。

こちらから見て気にならない症状でも、患者さん自身は強く気にされている場合や、今は紫外線対策が万全、と言いながら、深く聞けば学生時代は運動部で日焼けしていたなど・・・会話からわかる事実もあります。

スキントーン・カラースケールで、シミの改善効果がとてもわかりやすくなりました

シミの改善は、医師側が効果を認めたときも、患者さん自身が効果を実感したときも、効果の判断がお互いの主観的なものになる部分もありました。

しかし、この「スキントーン・カラースケール」という、シミの明度や色相をはかれるものさしが登場したことで、客観的に効果を数値化し、「結果がこれだけよくなりましたね」と同じ基準で患者さんと効果を共有できることになったのです。

この「スキントーン・カラースケール」は、治療前に患者さんのお肌の色やシミの色をはかっておき、治療開始後、それと比較してご説明します。シミの色が薄くなっていく過程がはっきりと確認できるようになったので、軽度であっても、どの患者さんもしっかり効果を実感でき、より治療に満足してくださるようになりました。

スキントーン・カラースケールとは

肝斑には内服薬。「のんで改善」という治療法

シミを診断して肝斑とわかった場合は、トラネキサム酸の内服薬による治療を開始しています。効果が現れるまでの時間は2~3週間と、じっくり取り組んでいただきたいですが、シミが肝斑であった場合、トラネキサム酸ののみ薬で改善できることは、大きな特徴です。

肝斑の場合は、残念ながら、レーザー治療は悪化することがありますので、避けてください。のみ薬での治療を始める前には、妊娠の有無(妊娠中・授乳中はこのお薬に限らず、投薬の前には医師に必ずお話しください)、ピルや他のお薬の服用はないか、などを確認し、処方します。

あとは用法・用量を守って、正しく毎日続けていただければ、改善に伴って気持ちが前向きになる患者さんも多くいらっしゃいます。

薬をのむことで改善するシミ、それが肝斑。評価系で改善度を示すことで、患者さんの治療への満足度もアップします。
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