ニュースリリース

ニュースリリース

2012年2月1日

20代〜50代の男女800名
日本人の「痛み」実態調査
〜 頭痛やその対処法への認知率は低く、約7割が痛みを我慢 〜

 第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:橋利夫)は、頭痛への適切な対処法を啓発することを目的とし、全国の男女800名を対象に「痛み」に関する実態調査を行いました。
 その結果、多くの生活者が頭痛によりQOL(生活の質)が低下している一方、痛みへの対処法や鎮痛薬に対する誤解などから、痛みに適切に対処できていない傾向にあることが示されました。
 
 主な調査結果は以下の通りです。

調査結果概要
I.頭痛の実態
・頭痛を感じる頻度は、約4人に1人(26.3%)が週1回以上。【グラフ1】
・約3人に1人(34.8%)が、自分は「頭痛持ちだと思う」と認識。【グラフ2】
・頭痛時の鎮痛薬の服用については、約8割(79.3%)が「できる限り服用しない」「我慢できない痛みの時に服用する」「痛みが強くなってきたら服用する」のいずれかで、痛みを我慢する傾向が顕著。【グラフ3】

II.痛みによるQOL(生活の質)の低下
・頭痛によって失っていると思う1日あたりの時間は、平均2時間29分。【グラフ4】
・頭痛を解消するために払ってもよいと思う金額は、1時間あたり平均1,227円。【グラフ5】
・痛みにより、口数や明るさ、笑顔、前向き思考、優しさなどがいずれも半減すると回答。【グラフ6】

III.痛みへの意識と理解
・約8割(78.4%)が「日本人は痛みを我慢する国民性」と回答。実際、「痛みを我慢し、いつもと同じように振る舞う」人が約7割(68.3%)。【グラフ7】
・頭痛やその対処法について、8割以上(84.8%)が「詳しくない」ことを自覚。【グラフ8】
・痛みを我慢することに伴う弊害について、約8割(78.6%)が認知せず。【グラフ9】
・「痛みが本格的になってから鎮痛薬を服用しても効果的ではない」ことを、約3人に2人(67.3%)が認知せず。【グラフ10】
・頭痛頓挫薬(鎮痛薬など)の過度な服用による「薬物乱用頭痛」の意味を、8割以上(83.2%)が誤解。【グラフ11】

 
〔調査概要〕
 ・実施時期 2011年12月9日〜12月12日
 ・調査方法 インターネット調査
 ・調査地域 全国 
 ・調査対象 20歳〜59歳の男女800名           
         ※男性:過去1年間に頭痛を経験した400名
            女性:過去1年間に頭痛を経験し、かつ生理痛を経験した400名(いずれも各年代均等割付)

 

 

 

調査結果総括 〜日本医科大学脳神経外科  喜多村 孝幸先生〜                                   

■頭痛を我慢することで、患者さんの気づかない弊害が起きています
 今回の調査結果でも、頭痛により多くの時間や笑顔を失い、QOL(生活の質)が低下していることが示されていますが、痛みを我慢していると、患者さん自身が気づかないうちに次のような弊害を伴う恐れもありますので、注意喚起が必要です。

・身体的な弊害
 痛みを我慢していると、それほど激しい痛みでなくても、自律神経系に悪い影響を及ぼします。自律神経系とは、交感神経と副交感神経が交互に調整しながら成り立っていますが、痛みによってこのバランスが崩れると血圧変動や脈拍、発汗、消化管の動きなどに影響が出てきます。そのような点で、痛みを我慢することは身体的にも決して良いことではありません。

・心理的な弊害
 頭痛の原因がわからず、場当たり的な対処を繰り返し、次第にうつ症状が現れる患者さんもいます。

・社会的機能の低下
 痛みは外から見えません。頭痛がない時には活発な患者さんも、痛い時には痛みを我慢することにより、あらゆる能力が落ちています。結果的に仕事やプライベートにおける周りからの評価が落ちることも考えられます。
 

■「日本人は痛みに強い」には医学的根拠はありません
 医学的には「日本人が他国よりも痛みに強い」「男女で差がある」という根拠はありません。ただ、概して日本の社会は痛みに対する周囲の理解が低いのかもしれません。日本人は本質的に我慢強いわけではなく、「痛い」と言うと周りから白い目で見られる、評価が下がるという理由から我慢しているのではと考えています。
 

■知っておくべき頭痛の誤解
 よくある根本的な誤解の例としては“月経時の頭痛は、つらいけど月経につきものだから仕方がない。我慢しよう”というものです。しかし、実際の月経時の頭痛は片頭痛が圧倒的に多く、それに合った適切な対処をする必要があります。
 頭痛による心理的・身体的・社会的機能の損失を減らすために、鎮痛薬を使って上手に対処することも必要です。
 ただし、頭痛時に頭痛頓挫薬(鎮痛薬など)を過度に服用することにより引き起こされる二次性の頭痛(薬物乱用頭痛)もありますので、正しい対処法を身につけてください。                                                           

@まずは、頭痛の原因を知りましょう
 頭痛には必ず原因があります。頭痛は原因から分けると緊張型頭痛、片頭痛、薬物乱用頭痛、二次性頭痛(脳の病気や耳鼻・目・首などの病気が原因)などがあり、統計的に幅はあるものの、国内の頭痛患者総数は約3,200万人〜3,300万人と言われています。
 また、原因が全く違う複数の頭痛を発症する方もおり、たとえば片頭痛と緊張型頭痛を合併している方は非常に多いです。 
原因が全く別なのに、「常に頭痛がひどい」と悩む患者さんがいますが、原因を知り、適切に対処すれば、1カ月に1回の片頭痛で済むこともよくあります。

A記録をつけて原因を把握しましょう
 頭痛ダイアリーなどで記録をつけると原因は一目瞭然です。
 たとえば、軽い頭痛を日常的に繰り返す緊張型頭痛の場合、疲れがたまってくる午後・夕方・夜に強くなります。その傾向をベースとして、半日〜3日にかけて強い痛みが集中して起きると、片頭痛も伴っていることがわかります。
<頭痛ダイアリーについては、日本頭痛学会でも紹介しています。>

B原因によって正しい対処法をとりましょう 〜鎮痛薬は場合に応じて賢く使用〜 
 緊張型頭痛は、日常生活の中である程度予防できます。過度な筋肉の緊張が持続している状態を、ストレッチやマッサージなどでリラックスさせることも有効な方法ですが、原因が目の疲れや同じ姿勢で長時間いることによる首の凝り、極度な疲れ、連日の睡眠不足、過度なストレスなどの場合は、市販の鎮痛薬などを上手に使って対処することが必要です。
 片頭痛の場合は個人ごとに引き金になる条件が異なります。自分の頭痛が起きる条件を認識すれば、避けることもできます。ただし、市販の鎮痛薬を使用しても効かない場合は、医師の診断を受けて専用の薬で対処してください。

C鎮痛薬は効果的なタイミングで服用しましょう 〜片頭痛は痛み始めたら30分以内が原則〜
 片頭痛を例にあげると、痛み始めたら30分以内で鎮痛薬を服用した方が良いと指導しています。たとえるなら、鎮痛薬は消火器のようなものです。ぼやの状態なら消化器で対処できますが、大火事になると消火器で鎮火することはできません。

D鎮痛薬を服用する頻度の基準を知りましょう 〜近年増えている薬物乱用頭痛〜
 頭痛になりたくないとか、原因もわからないのに少し痛いという理由で毎日のように鎮痛薬を服用する患者さんがいます。そのような鎮痛薬などの過度な服用が原因で起きる頭痛が薬物乱用頭痛です。
 鎮痛薬が効かなくなると同時に、痛みに対する閾値の低下により、痛みに対して過敏になることから注意が必要です。薬物乱用頭痛に陥らないための基準は、国際頭痛学会で定められています。下記の基準以上は過度な服用ということになります。基準を守って服用していても頭痛が続く場合は、頭痛専門医に相談してください。

【鎮痛薬服用の基準】
複合鎮痛薬(無水カフェインなど含む)  : 月10日の服用
単一成分の鎮痛薬     : 月15日の服用


 



<参考資料>調査結果詳細
※小数点以下第2位を四捨五入しています。

I 頭痛の実態                               

○頭痛を感じる頻度は、26.3%が週1回以上。
 過去1年間に頭痛を経験した今回の調査対象者に頭痛の頻度を聞いたところ、週1回以上が26.3%、月1回以上では60.8%にのぼり、頭痛が「国民病」ともいえる身近な症状であることが改めて裏付けられました。

【グラフ1】頭痛を感じる頻度

 

○34.8%が、自分は「頭痛持ちだと思う」と認識。
 過去1年間に頭痛を経験した人の34.8%が自分を「頭痛持ち」であると考え、頭痛を明らかな悩みとして抱えています。

【グラフ2】自分を頭痛持ちだと思うか

 

○頭痛時の鎮痛薬の服用については、79.3%が「できる限り服用しない」「我慢できない痛みの時に服用する」「痛みが強くなってきたら服用する」のいずれかで、痛みを我慢する傾向が顕著。
 頭痛時に、鎮痛薬は「できる限り服用しない」(32.9%)人が最も多く、「痛みが強くなってきたら服用する」(24.3%)、「我慢できない痛みの時に服用する」(22.1%)を合わせると79.3%にのぼり、痛みを我慢する傾向が顕著にみられます。

【グラフ3】頭痛時に鎮痛薬を服用するタイミング

 

II 痛みによるQOL(生活の質)の低下                            

○頭痛によって失っていると思う1日あたりの時間は、平均2時間29分。
 頭痛によって失っていると思う1日あたりの時間は、平均149.0分(2時間29分)でした。頭痛持ちの人はそうでない人にくらべ66.6分、また、頭痛の頻度が「週1回以上」の人は「年1回程度」の人にくらべ75.2分と頭痛によって失っていると思う時間が長くなっています。

【グラフ4】頭痛によって、1日当たり何時間失っていると思うか 

 

○頭痛を解消するために払ってもよいと思う金額は、1時間あたり平均1,227円。
 頭痛を解消するために払ってもよいと思う金額は、1時間あたり平均1,226.5円でした。頭痛持ちの人はそうでない人にくらべ、1,038円高い結果となりました。

【グラフ5】頭痛によって失う時間をなくすため、1時間あたり払ってもよい金額

 

 ○痛みにより、口数や明るさ、笑顔、前向き思考、優しさなどがいずれも半減すると回答。
 頭痛や生理痛により、QOL(生活の質)がどの程度低下するかを具体的な内容をあげて聞いたところ、「口数」が痛みのない時の40.5%に減り、次いで、「明るさ」「笑顔」「前向き思考度」「優しさ」「他人に対する思いやり・気配り度」などがいずれも50%以下に減ると感じていることがわかりました。
 「プレゼンテーションの成功確率」も41.9%に低下すると感じており、頭痛や生理痛は仕事にも少なからず影響を与えていることが推測できます。

【グラフ6】頭痛や生理痛による能力の低下の度合い

 

III 痛みへの意識と理解 
 
                              
○78.4%が「日本人は痛みを我慢する国民性」と回答。実際、「痛みを我慢し、いつもと同じように振る舞う」人が68.3%。
 痛みに対する考え方を聞いたところ、「日本人は痛みを我慢する国民性だと思う」人は78.4%に達しています。また、「痛みを我慢し、いつもと同じように振る舞う」人が68.3%にのぼり、痛みを周囲に打ち明けず、我慢する傾向にあることが明らかになりました。

【グラフ7】痛みに対する考え方

 

頭痛や対処法について84.8%が「詳しくない」ことを自覚。
 頭痛やその対処法について「詳しいと思う」人は13.5%にとどまり、頭痛経験者の大半が頭痛や対処法についてあまり知られていない実態が明らかになりました。

【グラフ8】頭痛やその対処法について、詳しいと思うか

 

痛みを我慢することに伴う弊害について、78.6%が認知せず。
 痛みを我慢すると、さまざまな弊害を伴うことが指摘されていますが、このことを認知していない人が78.6%にのぼり、啓発の必要性が示唆されました。

【グラフ9】痛みを我慢することに弊害が伴うことの認知

 

○「痛みが本格的になってから鎮痛薬を服用しても、効果的ではない」ことを67.3%が認知せず。
 痛みを我慢することに伴う弊害について具体的にあげて聞いたところ、「痛みが本格的になってから鎮痛薬を服用しても、効果的ではない」ことは67.3%、「痛みを我慢すると、体力を消耗させる」ことは48.6%が認知していない結果となりました。

【グラフ10】痛みを我慢することに伴う弊害の認知

 

○基準を超えた鎮痛薬などの過度な服用による「薬物乱用頭痛」の意味を83.2%が誤解。 
 薬物乱用頭痛は「頭痛時に頭痛頓挫薬(鎮痛薬など)を過度に服用することにより引き起こされる二次性の頭痛」のことですが、言葉のイメージから、「薬を服用し過ぎる人の頭痛」(42.1%)、「違法薬物の中毒患者の頭痛」(22.9%)と誤認している人が多く、正答率は16.8%にとどまりました。
 痛みを我慢する弊害と同時に、鎮痛薬の適正な使用についても、認知や理解が進んでいない実態が明らかになりました。

【グラフ11】薬物乱用頭痛のイメージ