賢者の仕事、賢者の健康

Vol.4サッカー選手は「サッカーやるだけじゃダメだな」って思ってます
中村憲剛氏 インタビュー(後編)

支えてくれる人たちがいるから、喜びや口惜しさが何倍にもなる

− さきほど練習や試合以外の仕事も楽しいというお話されてましたが、サッカー選手にも色んな仕事があるんですね。

中村ずっと思ってるんです、「サッカー選手ってサッカーやるだけじゃダメだな」って。でもフロンターレに入らなかったら、そのことに気づかなかったかもしれません。

このクラブに所属しているから自分もこういうふうに育ったんでしょうし、地域とダイレクトに関わるところから一緒に作っていけるのがこのクラブの良さだと思います。川崎の方々が、フロンターレが川崎にあるっていうことを誇りに思ってくださるとうれしいですね。

ぜひ一度ホームスタジアム(等々力競技場)に来ていただきたいです。すごい空間なんですよ。試合前から外でも色々催しものをやってます。「フロンパーク」って言って、試合前と試合後も楽しめるエリアがあるんです。

− 最初お伝えした通り、私はサッカー音痴で生で観たことないですから、ぜひ行ってみたいと思います。本(『残心』)の中にもありましたが、支えてくれる家族やファン、周りの人ってやっぱり大事ですね。

中村いや、支えてもらってばっかりで。プロになってより痛感したんですけど、この仕事って一人じゃできない。「自分の給料はどこから来てるの?」って話で考えても、プレーをお客さんが観に来てくださったり、グッズを買ってくれたりするから僕ら食べていけるわけじゃないですか?

経済的に支えられてるだけじゃなく、最初にお話したみたいに、ひとつのプレーでスタジアムが沸いて、もっと頑張ろうというモチベーションが生まれるのも観にきてくれる人がいるからで。そうやって支えてくれる人たちがいるから、喜びや口惜しさが何倍にもなるんです。

僕はフロンターレのサポーターが日本一だと思ってるから、その人たちのためにもタイトルを残したくて。そうですね、気持ちをうまく言えないんですけど、「ありがたいな」ってそのひと言に尽きますよね。

編集者/東北芸術工科大学客員教授 河尻 亨一

PROFILE

編集者/東北芸術工科大学客員教授河尻 亨一
雑誌「広告批評」在籍中には、広告を中心に多様なカルチャー領域とメディア、社会事象を横断する様々な特集を手がけ、多くのクリエイター、企業のキーパーソンにインタビューを行う。
現在は実験型の編集レーベル「銀河ライター」を主宰し、取材・執筆からイベントのファシリテーション、企業コンテンツの企画制作なども。
  • カメラマン 瀬谷壮士
  • 更新日 2016.05.13

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